鹿島圭介のレビュー一覧

  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    上司に勧められて読みました。
    とにかく面白くて、読む手が止まらなかった。
    自分はこの時まだまだ幼くて、正直、この話の舞台すら知りません。しかし、歴史として日本で大変なことがあったのだと言うことは認識しています。
    真実が全てこの物語に詰め込まれているのではないかと思うくらいよく調べられており、興味深い内容ばかりでした。

    0
    2022年09月23日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    面白すぎて夢中で読みました。

    時効を向えてしまった「国松警察庁長官狙撃事件」にいた、有力容疑者についての本です。

    その男「中村泰」の人生の凄まじさに、目を丸くしました。大量の銃器を日本に持ち込んで保管していた事実など、
    驚きの事実。

    ここまで明白な証拠が揃いながら、自分たちのメンツのために警察があえて立件しなかったのが事実であるのなら、警察は恥を知るべきだと思います。

    読書好きのすべての人に読んでもらいたい、面白すぎる本でした。

    0
    2020年12月27日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1995年に起こった地下鉄サリン事件。その直後、当時警察庁長官であった圀松氏が自宅マンションから登庁途中に狙撃される事件が発生しました。犯人はオウム真理教信者であった警察官という見立ての中で、犯人は特定できず時効を迎えました。
    実は、この事件には自らの犯行である旨を供述している中村という人物が存在し、警察もその裏付け捜査を行っていたという事実がありました。その人物に関しては犯行動機、狙撃に使用した特殊な銃や銃弾の入手経路に至るまでの裏付け捜査が達成されていながら、真犯人として送検できなかったという状況に陥っていたのです。その原因は、警察内部の権力闘争とも言える公安部と刑事部との対立であり、「犯

    0
    2019年02月03日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    これは凄いなー。警察庁長官狙撃事件はオウムへの捜査を強化させるための謀略であり実行したのは中村某だった、さらに警察側はオウムにテロ組織としての印象を残す為にこの事実を無視して時効を迎えさせた、って、ダブル謀略が克明に描かれてる。この中村某の人生にも興味が尽きないし、当時の警察の体制にも疑問が尽きない。とても面白い渾身のルポ。

    ところで、オウムに関係した本読んでると思うのは、実刑受けた連中の名前は他の事件に関した記事でも実名なのに、不起訴になった連中は仮名なのっておかしくない?って事。刑確定者差別では?

    あとこの版ではアラミドがアミラドってなってた。興醒めするよね。

    0
    2018年02月05日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    [冷静に狂った男たち]地下鉄サリン事件の衝撃が醒めやらぬ中で、日本社会を震撼させた國松警察庁長官狙撃事件。2010年にこの事件は時効を迎えることになっており、事実、その時効は成立したのであるが、その直前になって「私がやりました」と突如名乗り出た男が存在した......。捜査路線をめぐる警察内部の対立や、自らを真犯人と名乗る「中村」の足跡を丹念に綴り、事件の暗部を抉りとったノンフィクション。著者は、本事件を長年にわたり追い続けた鹿島圭介。


    2015年も後半戦に差し掛かる中で、またしてもとんでもない一冊を目にすることになりました。公訴時効成立時の記者会見などでおぼろげな概要を知っている方もいる

    0
    2015年10月05日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久々にこれ程面白い本を読んだ。
    と言うか、これ程興味を引かれる人物はなかなかいないだろう。
    東大在籍時に極左思想に染まり、ノーベル賞級の頭脳の持ち主と教授に謳われながら、共産党の地下組織に潜伏し犯罪者として服役。出所後も革命運動に参加すべくニカラグアに渡航、秘密工作員として訓練を受け、国内で武装蜂起を図る私設軍を秘密裏に組成。オウムによるテロを未然に防ぐべくサティアン爆破を企図するも、地下鉄サリン事件が勃発。警察の威信を掛けたオウム壊滅へ誘導すべく実行された諜略としての長官狙撃。
    こんなマンガのような人物の存在も日本の闇の一面だが、公安部と刑事部の暗闘によって、政略的にその真実が葬り去られたと

    0
    2014年09月19日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     地下鉄サリン事件で日本中が騒然としているなか、警察庁長官が何者かによって狙撃された事件。当初から強制調査に抵抗したオウム真理教の犯行と疑われた。警察はメンツにかけて犯人逮捕に動くが、サリン事件とオウム真理教への強制捜査で人員を奪われた刑事部は、長官狙撃事件にまで捜査員をあてることが無理だった。
     そこで公安に白羽の矢が立ったわけだが、彼らには事件現場を徹底して調べ上げ、物証を集め証拠を積み上げていくという捜査経験が全くない。彼ら思想犯や危険な組織などをあらかじめ調べ上げ、協力者をつくり内部情報を引き出したり、尾行や監視行動で犯罪を予期する捜査しかしたことがない。
     だが本来なら畑違いで、お鉢

    0
    2017年08月15日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    最初に頭に浮かんだのがデ・ニーロ演じる『タクシードライバー』の孤独な主人公。読み進める内に、戦争でも始めるかのような人間武器庫振りに“ランボー”の原作『一人だけの軍隊』を思う。それなら、その謎に包まれた地下活動と卓越した射撃能力はゴルゴ13か?但、本書は純然たるノンフィクションであり、彼も銀幕のヒーローではなく、一介のテロリストかつ犯罪者に過ぎない。銃器密輸と要人テロを完璧にやってのけるにも拘わらず、寄る年波に勝てず接近戦には弱かった。東大中退でノーベル賞級の頭脳を持ち、チェ・ゲバラを夢見た老詩人の半生。

    0
    2012年12月13日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    執念ともいえる長年の取材活動の末にたどり着いた結論がいとも簡単に当事者の保身のために葬り去られる。

    メディア情報を懐疑的にみているつもりでもやはり相当影響を受けてしまうことがあるんだと改めて痛感。

    久しぶりにものすごく引きこまれた一冊でした

    0
    2012年08月12日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    オウム真理教による集団サリン事件に揺れる中で起こった国松警察庁長官狙撃事件。日本の司法のトップを狙ったこの大胆な犯行は、当然のようにオウム真理教による陽動だと思われた。警視庁公安部はオウム犯行説に固執するが、物証も自供も得られずに迷宮入りの様相。

    そんな中、刑事部は中村泰という老スナイパーから詳細な自供を得る。

    結局、自説に拘泥する公安部並びに米村警視総監らのメンツを守るために、この事件はオウムの犯行を思わせるが立件できない、という恥辱にまみれた幕引きとなる。

    それにしてもこの中村泰という人物の特異さには驚かされる。

    頭脳明晰にして、東大に現役合格するが、共産党に入党、暴力革命を志し中

    0
    2012年07月23日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1995年の警察庁長官狙撃事件について、警察が流していた「オウム真理教犯人説」ではなく、別に真犯人がいる(本人が認めている)という内容。

    真犯人がいることの意外性はあまりない。
    普通に捜査していればたどり着いたであろう容疑者を「オウムのテロだ」と決めつける警視庁公安幹部のメンツと引き換えに無視する様子が描かれる。
    一言でいえば無能なのだが、彼らがイメージされている「有能」さは実在するのか? という疑問は当然のものだ。
    左翼活動家へのスパイ活動という、特定の時代における、特定の活動にだけ秀でていて、時代の変化に対応できない組織なのでは?

    公安の無能を感じさせるのはこの事件だけに限らないのだし

    0
    2025年08月21日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    警察の保身とプライドの為真実が封殺される現実。 オウムの仕業と固執する警察。
    中村と呼ばれる老スナイパー(自白、証拠となる裏付けも次々と固められた)が現れるのにも関わらず警察がその真実をもみけした。
    歴代の公安部長達、そしてその後警視総監を歴任する者達の愚行としかいいようがない。

    この著者の取材力にも恐れいる。

    0
    2024年12月07日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    現実は小説より奇なりとはよく言ったもの。
    当時、なんとなくオウムの犯行だと思っていた、長官狙撃事件の驚愕の真犯人と裏。
    このようなテロリストが存在したことにも驚きだが、真相を面子などの為に隠蔽した、当時の警察上層部にも驚愕する。
    こんなことがあっていいのか?
    暗澹とした気分になる。

    0
    2015年04月21日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    地下鉄サリンの十日後の狙撃事件。オウムの犯行とされてきたが,解決を見ることなく15年後に捜査は時効で終結した。しかし,実は捜査の過程で,真犯人である可能性が極めて高い人物が浮上していた。オウムと無関係なその老スナイパーは,いかなる動機でこのテロを計画し,どのようにして警察庁長官を撃ったのか。警察・検察はなぜ真犯人に肉薄しながら立件を見送ったのか。それらの謎に迫った労作。
    警視庁が刑事部でなく公安部に捜査を任せたことが,迷宮入りの遠因になっている。銃器犯罪に慣れない公安は犯行動機を過大視し,追い詰められたオウムの組織的犯行との見方に凝り固まってしまった。膨大なマンパワーを投入してこの線での捜査を

    0
    2014年10月27日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    テレビ特集を観て読んだ。巻末参考資料の手記通りなら、思い込み捜査の愚行が、結果としてオウム事件に対する警察組織の愚かさが露見するのを防いだことになる。時効により司法手続きを経た情報を得れない市民にとつては、本書は面白い本の一つでしかない。

    0
    2014年09月20日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    面白い本だった。
    テレビに触発されて読んだ。

    中村氏が犯人あるいは犯人に極めて近い人物であることは間違いないと思われる。
    ただ、残念ながら引き金を引いた確実な証拠はないのだろう。

    すごい犯罪であったことを今更ながら思い知ったが、動機には全く共感できない。
    革命思想といわれるようなものが独善的であることを再確認した。

    0
    2014年09月14日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「実行犯は不詳、支援者も不詳。でも、これはオム真理教の犯行
    です」。国松警察庁長官狙撃事件の時効数日前、特捜本部は
    東京地検に書類送致を行った。

    これについては先日、オウム真理教から名を変えたアレフが
    名誉棄損訴訟を起こし勝訴したとのニュースが流れた。

    首都東京を恐怖と混乱に陥れた地下鉄サリン事件の後の狙撃
    事件だったので、あの当時は教団の犯行だと言われれば疑う
    人はすくなかったろう。現役警察官にも信者がいたことだし。

    狙撃事件の捜査を担ったのは警視庁公安部。証拠を積み重ねて
    捜査に当たる刑事部とは違い、彼らは「まず犯人ありき」で捜査を
    進める。

    しかし、使用されたと思しき銃や弾丸とオ

    0
    2017年08月18日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    著者の無念が滲み出ていて、読者としてもいたたまれない気持ちになる。本当にここまで真実が強く推定される状況でも司法手続きの壁は立ちふさがってしまうものなのか。そうであるなら、警察はもちろん、、検察にも期待できそうにもない。そのための検察審査会も、制度として効果的なのかには大きな疑問がある。
    司法制度を、民意を基礎に構築するのは歴史に照らしても失敗が強く推定されるが、この場合は参考にすべきところも多いのではないか。
    警察、検察のメンツや組織維持のための司法制度になることを防ぐ手だてを、もう少し検討する必要があると感じた。

    0
    2012年10月12日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    気になった人物や事件についてかかれたノンフィクションを時々、読んでいます。
    この本は、平積みされていた文庫のタイトルと表紙の写真が気になり、事前知識はなかったのですが、読んでみることにしました。
    1995年3月に起きた、国松警察庁長官狙撃事件。
    この年は1月に阪神淡路大震災が発生し、その後の一連のオウム事件で、騒然としていた日本。
    「これもオウムの仕業か」と、大きく報道されたことを今でも記憶しています。
    しかしその後、この事件関連の続報は減り、ついには2010年に時効を迎えてしまいました。
    オウムによる他の重大事件がほぼ、(司法手続き上)解決したのに対し、警察組織のトップが狙われたこの事件が解

    0
    2012年08月30日
  • 警察庁長官を撃った男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     別の事件で大阪拘置所に服役中の老スナイパーは、警視庁刑事部捜査一課の刑事に、こう供述しはじめる「私が長官を撃ちました」と・・・。2010年3月30日をもって時効となり全容解明されないまま迷宮入りとなってしまった国松警察庁長官狙撃事件。
    本書は、オウム真理教だけしか見てこず捜査を固執し続けた警視庁公安部は15年間、一体何をしてきたのか。もうひとつは、重要参考人に浮上しながらも黙殺された男の長官事件における極めて高い容疑性を詳らかにするという執筆の意図が記されている。様々な捜査報告書を提示し著者と男の面会や書簡のやりとりを交え闇の部分に迫ったノンフィクション。

     公安部と刑事部の確執とか自己保

    0
    2012年07月27日