シモーヌドボーヴォワールのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サヴァブッククラブで選書いただいた作品。
自分では出会えなかったであろう一冊であり、出会えなかったら後悔したであろう一冊。
半世紀以上の時を経て刊行されたふたりの物語に圧倒される。
解説にもある通り、古臭いのは書かれている時代であって、描かれた友愛は決して古くなくむしろ普遍だ。
アンドレはどうしたって死に向かってしまい、シルヴィーのほうが自由なのに彼女は彼女でアンドレに向かって見返りを求めない愛を注いでしまう。
生まれる時代が違ったなら、ふたりはきっと思うままに生きられたのに。
彼女たちがのような人がいつの時代もいたからこそ、こうして現代に繋がっているのかもしれない。
2021年に