原野守弘のレビュー一覧
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大脳新皮質は言語を捉え、大脳辺縁系は感情を司る。大脳辺縁系は言語にして分析できないから理解をえづらい。そもそも感情を言語で分析することは不可能なのだ。感情は言語で説明できず、原理などで理解できないので、AIのディープランニングのように大脳辺縁系にデータを蓄積するしかない。
感情は選択肢の範囲を決定する万ものの榧をわなを金額罠。良いムード、悪いムードによって取るべき選択肢でない選択肢の幅を作り上げる。
クリエイティブとその他を分けているのは、再現性と普遍性である。それらを鍛えるためにはディープランニングのように作品を見まくることだ。
何かを好きになる才能が出発。クリエイティブな作品はすべてがなにかのオマージュであり、これまでの歴史の中で樹形図のように続いているものである。個人の好きが、元ネタにプラスアルファを付け加えて新しく生産するといった形になっている。
みて盗んで返すといったプロセスの繰り返しである。
好きになる、好きを盗む、好きを返すといったプロセスでクリエイティブはつくられる。
好きになるには、1.学び(仕事関係の先行事例)2.選び (自分が夢中になれる趣味や遊び)3.思想(新しい考え方)の三点がある。
好きを盗むには、ただ模倣するだけではなく、抽象化しなければならない。「どこが好きか」「なぜ好きか」を問い続ける。その抽象を今自分が抱えているテーマや仕事に掛け合わせてみる。抽象化したコンセプトをどこかに置き換えたり、ずらしたり、拡張したりする。分析と拡張のプロセスにより自分だけの企画になる。
好きを返すとは、最も大事なのが評価すること。自分の好き=過去の人類の知的資産に、自分が作ったものが貢献できているのかということである。作り方を変える必要がある。
エクストリームユーザーの好きがブームをうむ。(GoProなど)。スキマから生まれる。
偉大なブランドは、自分のことではなく、自分の愛するものについて語る。
「愛」と「尊敬」が偉大な作品を作り上げる。
クリエイティブのためには時には非情にならなければならない。クソはクソと言える必要がある。一般的に、専門家は自分の専門領域には入らせないものだがどんどん侵犯させて新しい化学反応を起こそう。
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Posted by ブクログ
ネタバレビジネス書と一括りにしてよいのか、ちょっと迷いますがもしそうだという前提でレビューするならば、ビジネス書としては出色の出来といえるでしょう。ビジネス書にありがちな、
・結局どうすればよいのか、わかったようなわからないような
・個人のスキルとして理解・実践できるが、組織で実践し成果獲得につなげるのは困難
(構成員に等しく理解させる必要があるため)
という内容とは一線を画す出来栄え。またクリエイティブ系著者の作品にありがちな、その人にしかわからない視点や再現性のないロジックを説明しておわり、というものでもない一冊。まさにタイトル通りあまねく「ビジネスパーソン」に向けた一冊といってよいと思います。
そして本書の根幹を支えるロジックは、
・大脳新皮質と大脳辺縁系、二重の自分、二人羽織
・「好き」とは「共感」し「連帯」すること
・すべては個人的な「好き」からはじまる
・そしてその「好き」にも市場ランクがある
・偉大なブランドは自分のことではなく自分の愛するものを語る
・ちょっといい未来を語れ、個人的に語れ、地声で語れ
※個人的に印象に残った部分の抽出なので賛否両論あるかも
といったあたりでしょうか。
本書がターゲットとする一般的なビジネスパーソンが仕事においてクリエイティブな面を発揮する機会はそれほどないかもしれませんが、本書で得られる知見は単なるクリエイティビティに関するものではなく、どんな仕事でも発生しうる自分の周囲の人たちに対する働きかけ、すなわちコミュニケーションをいかにおこなうか、とりわけ相手を説得する、自分の意見を表明するなど、ビジネスパーソンにとっては極めて重要なシーンにおいて有用であろうと考えられるメソッドではないかと思います。
通常であれば理詰め、本作の言い方を援用すれば大脳新皮質に訴えかける進め方・話し方をしてしまうところですが、この本を読めば、大脳辺縁系への語りかけが有効であると気づきます。またそのためには数字や理由の説明は後回し、自分の「好き」、仕事の局面においてはそこにかける自分の熱い思いや”ちょっといい未来”をちりばめることが大切なこととと理解できます。
なんだか明日からの仕事がこれまでよりちょっぴりおもしろくなりそうな予感がする、そんな読後感を与えてくれる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分は広告業界の人間ではないですが、広告業界で生きる人間が近くにいることが多く、寝食を疎かにするほどのめり込む彼らの思考をあまり理解出来ないでいたのですが、この本を読むことでその行動の原理みたいなものを理解することが出来た気がします。
広告は販促は違う、広告は好告である。
人間は感情でしか動かない。感情は言語能力を持たない脳の部位で生み出されており、論理的に説明ができない。
人間は好きと言う感情を通じ、共感し連帯するように出来ている。
どんなに優れたクリエイティブでも、それらのすべては個人的な好きから始まっている。
後から文章だけ抜き出して読み返してみると、一見「いやいや、そんなことはないだろう」と思うような内容だが、最初から最後までこの本を読んだ後だと、「実際、その通りかもしれない」と深い納得感を得られるような、とてもわかりやすい説明が丁寧に成されている本である。
端的なワードを使いつつ、その言葉の真意を伝えるための説明を省いていないので、きちんと読者がついていけるようになっている。
ただ一つ気になったのは、各所に使われているワード、特に横文字の単語について、パッと理解できるものではないものが散見されており、ちまちまスマホで意味を調べながら読んだことくらいだ。(サスティナブル、とか…)
特にクリエイティブに関わったことがない人間には聞き慣れないワードも多かったので、個人的にはスマホを横に置いて読むことをお勧めする -
Posted by ブクログ
脳の仕組みは感情と思考に分かれていて、
意思決定は感情で決めている。
ブランディングとは愛されるもので、
自分自身が愛しているものを語ること。
色々と普段仕事している中で改めて考えるべきことがたくさん詰まっている本だった。
そもそも好きを認知すること自体に疎く、
自信が持てないタイプなので少しでもプラスの感情を、持ったことに対して好きと捉えてみようと感じた。
本を読み終わったときに自分の中での好きの捉え方や考え方が少し整理できたようなそんな本でした。
自分の感情って、どうなんだろう、
人に対してどんな感情を持ってもらいサービスを届けられるんだろう。
この事を考えながら仕事できるとより良い成果に繋がりそうだなと整理できました。
読みやすくていい本でしたので、おすすめです。 -
Posted by ブクログ
テーマ:広告業界におけるクリエイティブ側とそれ以外の人の思考の違い
内容:
優れた広告がなぜ優れているのかは本質的なところで誰も言語化できない。
理由:
人間は大脳皮質で考える自分と大脳辺縁系で感じる自分の二人羽織で生きているから。
詳細:
大脳皮質の自分と大脳辺縁系の自分の両方を理解できているかどうかがクリエイターとビジネスパーソンの違いである。
ビジネスパーソンは大脳辺縁系の自分に気づいておらず、物事を言語化しようとする大脳皮質の自分のみが自分であると思っている一方で、クリエイターは大脳辺縁系の自分を経験則で理解している。
ビジネスパーソンは筋道立てて論理的に販促をしようとするが、消費者は論理的な行動を取らない場合が多くある。
(例)体に悪い食べ物を購入したり。
これは大脳皮質では理解できない「感情」が大脳辺縁系に刺さっているからである。
経験があるクリエイターは経験則で感情に訴えかける理論では説明できないクリエイティブにリアリティを感じている。
筆者の原野さんは入社して10年ほど(?)で制作ではない部署から制作に異動している。
本書はその際に感じたビジネスパーソンとクリエイターの間にある思考の差を脳科学的に読み解いている。 -
Posted by ブクログ
方法論の記述がなく、内容は概念的なものの、テーマはおもしろく共感できる。
> 偉大なブランドは、自分自身についてではなく、自分が愛するものについて語るのだ。そして、その広告が表明した「好き」に「共感」したオーディエンスが現れる。彼らはその発信したブランドに交換を持ち、「連帯」しようとする。これが、ブランドロイヤリティ(忠誠心)の正体だ。(すべては、個人的な「好き」から始まる)
> 「自分の好き」を見つけて、「巨人」の肩の上に立ち、それを踏み台にしつつも、自分だけが感じた「個人的な好き」や「新しいアイデア」を付け加えることで、あなただけのクリエイティブは確かにうまれる。しかしながら、それを完全なものにするには「つくり方を変える」必要があるのだ。(3. 好きを返す)
先日、横浜美術館で開催された佐藤雅彦展を見てきた。その展示は本書でも言及されている佐藤雅彦氏の新しい作り方がテーマだった。個人的には初期の情報が区画整理された広告作品にもっとも惹かれたのだが、それは作品に佐藤雅彦氏の狂気を感じたからだと思う。
しかしその実体験がなかったとしたら本書に書いてあることはまったく想像すらできなかったわけで、クリエイティブに入門するためには書籍だけでは足りなく、優れたクリエイティブに触れる必要があるだろうを感じた。 -
Posted by ブクログ
ベンチャー企業の法務関係をサポートしている友人が読んで薦めてくれました。きっと彼が手にしたのはタイトルの力だと思います。ビジネスパーソンという自覚がある人ほど、クリエイティブというマジックワードに興味津々なのかもしれません。山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』に相通ずる潮流を感じます。でも山口本は引いた目のコンサル視点ですが、本日は徹底的にクリエイター、つまりつくる人目線で書かれています。アップル復活のチームのジョブズとリー・クロウに当てはめるとリー側かも。イケている現役のクリエイターが、自分の方法論を惜しげもなく共有していることが魅力です。そこで、自分はビジネスパーソンと自認している人々が、クリエイターってそう考えるのか…ではなくて自分のビジネスでクリエイティビティをどう発揮しようか、というやる気スイッチが入るのだとしたら素敵です。ちなみに薦めてくれた彼は「ヒトのOSはサルとしての本能」と思ってるから、この本が訴えている「人間はロジックじゃなくて感情で動く」という主張が腑に落ちた、との感想でした。その感想、どう自分のビジネスに落とし込むのだろう?