岩尾俊兵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2024年度の新書部門第1位候補。(私的ランキングです)
本書における経営の定義は以下の通り。
「価値創造(他者と自分を同時に幸せにすること)という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立するを解消して、豊かな共同体を創り上げること」
定義は硬いが、文体(曰く、令和冷笑体)は戦略的にふにゃふにゃである。通奏低音の定義(=著者の信念)と文体のギャップが非常に面白く、折に触れて読み返す本になりそうだ。娘に一読を勧めるつもり。
気づき①:定義に「お金」の概念はない。お金は手段であって目的ではないからだ。
気づき②:「きちんと経営できているか」の -
Posted by ブクログ
この本で言う経営とは、何かテクニックのようなものではなく、本来の目的を忘れるべからず、つまり人は他人と関わって生きる以上、何かを人から奪い取るのではなく価値を創造して共に生きるべきと言う、至極もっともな事を違うテーマを通して繰り返し述べています。
各章をだらだらと読んでしまうと、要するに同じような話が違うテーマで語られているだけに感じられて飽きてきてしまうかもしれません。
しかしこの本の各章の話は、多くの人にとって心当たりのある話でなないかと思います。
この本は、本来の目的を達成出来ない手段は意味がないばかりでなく、むしろ悪影響と言う残念な事実を改めて気付かせてくれました。 -
なんじゃこりゃー!!
めちゃくちゃ興奮してるんですけど!
興奮して解説とか考察とかあさりまくってます
なんだろう、モヤモヤが晴れるのと、なんか心にずっしり残る感じ
この本を面白いエッセイとして読んでる人って本当に読んでるんですかね
もちろん面白いし笑えるしあっという間に読めるんだけど、最後の章の「経営人なのである」のところ小便チビるかと思うほどシビレました(汚い)
なんだろう、俺たちが苦しい理由ってこういうことだったのかっていう驚きというか
パラパラ読みではなく一気読みで最後まで読むと全然イメージが変わります
普段自分はあまり本とか読まないんですがちょっとビックリです -
Posted by ブクログ
2024年正月に凄い本に出逢ってしまった。新書版のお陰かもしれない。1993年学卒で、「根拠のない悲観論」に陥ってた身としては、“失われた30年”という質の悪い霧が晴れる想いだ。しかも、本書の内容について著者は「著作権を一切主張しない(p10)」
一番引用したいのがこの箇所。
「日本が経営技術の逆輸入的状況を脱却し、経営成績・経営技術・経営学すべての意味で、日本が世界をもう一度席巻したとき、真の意味で「日本“式”経営の逆襲」が達成される(p280)」
一大学人ではあるが、組織の一員として、「価値創造の民主化」のため、自分の人生を経営していこう。