岩尾俊兵のレビュー一覧
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これまで読んだ中で最高のエッセイ(77ページ参照)。
貧乏、家庭、恋愛、勉強、虚栄、心労、就活、仕事、憤怒、健康、孤独、老後、芸術、科学、歴史は「経営でできている」ということを述べる。
「経営」を意識的に導入することで日常、人生がうまくいくのに、それが欠けているから問題化している、と。
その「経営」とは、目的を明確化して解決方法を模索するといった意味合い、だと私は読んだ。
本書における「本来の経営」の定義は「おわりに」で詳述されていて、価値創造という究極の目的に向かうためのものだとされているけど、ちょっと込み入った印象、飛躍という印象を受ける。
本書は、昭和軽薄体ならぬ令和冷笑体という「時 -
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家庭や仕事、恋愛など身近な事柄について、なぜうまくいかないのかを経営の視点からユーモラスに述べた本。
様々な章を通じて共通するメッセージは、人は幸せになることが目的であり、目的を達成するために正しい努力を行おう、ということだと思う。
これは、日常生活や仕事などにおいて、気がつけば手段と目的を履き違え、相手を論破したり服従させることが目的化してしまうことが往々にしてあるが、目的は課題の解決や夫婦円満などであり、互いの意見の裏にある動機や課題を共有して解決策を考えるという、経営の視点で取り組むとうまくいくこともあるのではないか、というもの。
人間はうまくいかないと益々焦って視野が冷まくなる。そうな -
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哲学的な2つの考え方を補助輪にして、世の中の価値は有限であるという思考から無限であるという思考へのシフトを促す内容。
確かに金や石油といった資本は有限であり、そこに執着すると常に他社と競争して奪い合わなければいけないという思考になる。
一方、人間が創り出す仕事や仕事の進め方については、考え方を工夫すれば無限に生み出せるもので、本書ではそのための3つの思考法が解説されている。
カントの定言命法では、自分が使用する思考については、他の人がそうした場合に自分も幸せになれるような思考を取り入れることが勧められる。
価値が有限だという思考では、常に他社に奪われてしまうかもしれないという疑心暗鬼と隣合わ -
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経営とは、究極の価値創造(自分も他者も幸福にすること)を目的とし、中間目標と手段を組み立て、阻害要因となる対立を解消してより良い共同体を作っていく作業のことであり、これが企業の事業活動だけでなく、人が動くあらゆる局面で関係してくるという。
貧乏も、恋愛も家族も、勉強も、健康も、老後の過ごし方も、芸術や科学までも、この経営の視点が欠如すると目的を忘れて手段に拘泥し、気付けば本末転倒の悲喜劇を演じることになる。そして、実際に演じている例があまりにも多い。
目的は何かを意識しよう。ほとんどが自分と他者の幸福の実現である。その実現に資さない活動は、例えブームであろうと皆がやっていようと回避しよう。そし -
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『世界は経営でできている』の著者、岩尾俊兵氏による、
最新かつ渾身の書き下ろし。
あまりに熱がこもっていて、
「全体主義的になってしまうのでは?」
と少し懸念してしまうほど。
しかし、内容をしっかり読めばわかるが、
あくまでも思考道具として、人間の脳と身体を使って価値創造をしていくための簡便で分かりやすい方法を提示しているだけであり、
特定の思想や主義を読者に強要するものではないことが読み取れる。
変な言い方をすれば、どんな人でもその人自身のために活用できるツールであるから、
どんな思想や信条の持ち主でも同じように役立てていくことができる。
ただし唯一、「同じ人類として共存する気持ち」がま -
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現状分析に関しては共感できるところが多い。
例えば、テーマの骨子であるコンセプト化の弱さについては、他のジャンルにおいても類似の指摘を見ることができる。IT産業においては、各社のプロセスが独自的でシステムの方をそれに合わせることが産業化してしまい、標準化をすることで各社のプロセスの方を効率化し、システムの方をグローバルに売り込むということができなくなっていることが指摘されていたし、コンテンツ産業においては日本では職人性のある天才がもてはやされる一方で、ハリウッドではそういった人たちを分析し、教育パッケージとして確立することで、ベターなコンテンツ大量に生み出して産業として勝つことができているとい -
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おそらく、こうした「経営学」系の著書に対する
カタいイメージ
の先入観を払拭するために、
わざと、くだけた語り口調を使っている
のだろう。
個人的には、そもそも内容自体がシンプルかつ革新的、挑戦的なので、
口調は平坦でも良かったように思った。
「人生は経営だ」
という観点をベースに、
貧乏、家庭、恋愛、勉強、虚栄、心労、就活、仕事、憤怒、健康、孤独、老後、芸術、科学、歴史という、
日常的に起こるさまざまな出来事や話題について、
「経営」というアプローチで対応していくことの意義を
具体例を挙げながら示していく内容。
すべての人に、「人生は経営だ」という観点から
間違った経営をしないように呼び -
Posted by ブクログ
「経営」の意味を改めて確認しながら解釈を広げていくエッセイ。
全体に皮肉の効いたユーモアがてんこ盛りで、クスクスニヤニヤしながら読んでいたら、終盤で一気にギアが変わって熱いメッセージに心を打たれた。
最後まで読んでから、冒頭に戻ると、著者がなぜこの本を記したのか、私なりに腑に落ちた。
「何かを有限だと思う気持ちは常にそれを失う恐怖と隣り合わせだ。
金銭も、時間も、関係性も、勉強法も、問題解決も『人生において価値あるものはすべて誰かがすでに作ったもので、有限にしか存在しない』という既成概念に取り付かれると、限りあるものを守るための短期的で局所的な思考/志向に支配されるのである。」
という言 -
Posted by ブクログ
世の中のあらゆる出来事は「経営」で出来ているという本書。だが、本書は「経営学」では出来ていない。経営という概念でいろんな事が看破できるみたいな話だ。
目次を並べていくと…貧乏も家庭も恋愛も勉強も。虚栄、心労、就活、仕事、憤怒、健康、孤独も。老後も歴史も。全て経営でできていると。ここまで来ると、好き勝手に経営経営言っているだけに見えるが、実際その通りの内容で、最後「本書は他力でできている」で締められる。結局は、著者の日常に感じた四方山エッセイである。
そこまで言われると、気になるのは“経営とは何か“。調べると、「事業の継続的な発展を目指し、事業目的を達成するために、ヒト・モノ・カネといった経