岩尾俊兵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
経営を「価値創造という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げるさまざまな対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること」と定義し、世の中のあらゆる事象が経営でできていると説いている本。
経営が価値創造と言う目的思考に基づいているという点で、目的と手段が入れ替わることが身の回りで多々あるという論調であり、目的思考を経営言い換えたとという印象を受けた。
ただ、最後に述べられていた、本来人間に創造できない価値は無いというのが経営の根本層にあると言う着眼点と、現代が限りあるものを奪い合う価値有限思考に陥っているという指摘は面白いと感じた。
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Posted by ブクログ
タイトルから経営について学べる本かと思ったが、「経営の考え方を取り入れて生きていくと良いよ」いった内容。
価値を取り合うのではなく、価値を作り出し行きましょうとのメッセージ。競争じゃなく協創といったところか。
それを手法論として、自分のエゴを利他に置き換えていく○のフレームワーク。自他の主張差を抽象化してベネフィットに変える△のフレームワーク、ネガティブの転換を促す□のフレームワークを紹介している。
ただし、人生においてこれを使わないといけないなと課題設定できるような人は、読まずとも工夫・対応して生きていそう。逆に、課題を持っている人ほど課題認識ができていなく、本を読まないんじゃないかと感じて -
Posted by ブクログ
慶應義塾大学の准教授である著者が人生の様々な事柄を経営に例えた比喩での持論をまとめた一冊。
お金、家族、仕事など公私様々なネタで著者ならではの深い見識からのエッセイは面白おかしいながらも考えさせられることもあると感じました。
そんな本書の中でも勉強においてははじめに全体観を把握してから最も弱い部分を補強していく必要があるというところは印象に残りました。
本書を読んで人生における様々な事柄について経営の考えが必要なことを学ぶことができました。
本書を読んで価値の有限さに囚われずに人間らしく協力して無限の価値の創造を行なっていくことが私たちにとって大事だということを数々のエピソードから感じた一 -
Posted by ブクログ
「人生を経営する」とは、どういうことだろうか。
経営者や経営学、経営哲学といった言葉は知っていても、
それはどこか、自分とは遠い場所にあるもののように感じていた。
でもこの本では、一人ひとりが自分の人生を“経営している”という。
経営という言葉が、急に身近なものになった。
経営とは、価値を創造すること。
利害がぶつかる場面でも、相手の主張と自分の立場がかみ合わなくても、
根本の目的は「人が幸せであること」であるべきだ。
その前提さえ見失わなければ、両者にとっての幸せを導く方法はきっとある──
そうした本質を、ユニークな語り口で伝えてくれる本だった。
テンポは軽快なのに、ところどころに読み