伊藤絵理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
岩手の貧農に生まれフィリピンで亡くなった一人の新聞記者。その後裔の記者が75年を経て生涯を追う。
毎日新聞の連載記事。貧しい農家に生まれ苦学しながら農学校を出た伊藤清六は毎日新聞で農政記者となる。やがて戦争に巻き込まれ、中国特派員として従軍。上海、南京などの戦線で戦意高揚の記事をかく。帰国後、国内で言論統制に直面し、最期はフィリピンのマニラで。マニラを撤退したジャングルでガリ版の記事を作り続けたという。
本書の筆者は遠い親戚。清六の姉が筆者の曾祖母。偶然に同じ毎日新聞の記者。取材を重ねるうちにどうしても戦争と報道のつながりに直面せざるを得ない。筆者の葛藤がストレートに描かれているところがよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ25年8月、横浜の新聞博物館で従軍記者の特別展示を見て、興味がわいて購入。
一人の従軍記者の一生を追ったドキュメンタリー。著者は、偶然同じ会社(毎日新聞社)に入ったその親族というのがなんとも運命的。著者自身も新聞社勤務。取材自体が、この従軍記者を鏡として「自分はどうあるべきか」を自問自答する心の旅だったのだろう。
戦争の悲惨さなどを殊更に協調することなく、「大きな時代の動きにのみ込まれた個人」として、ミクロの視点でその痕跡を追う。先の大戦での日本人の死者は約300万人とされている。こうした数で語られる一人一人に、彼のそれと同じぐらいの重みの「平凡だったはずの人生」があったと考えると気が遠 -