田口一成のレビュー一覧
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ネタバレ【課題から考える】誰の何を変えるために、事業をつくるのか
私がこの本で最も印象に残ったのは、事業を考える「順番」です。まず、誰が何に困っているのかを確かめる。次に、その問題を解決するために守る条件を決める。そのうえで、何を誰に売れば事業として続けられるかを考える。この順番が、具体例を通じて丁寧に書かれています。
例えば、ミャンマーの小規模農家を支えるハーブティーの事業。農家が暮らしていける価格で作物を買い、それを日本の母親たちが求める商品につなげます。助けたい人と、お金を払うお客さんは同じでなくてもよい。農家の生活を支える条件を先に置くからこそ、それを成り立たせる商品の価値や売り先を真剣に考える必要があるのだと分かります。
難民を雇用するパソコン再生事業の話も心に残りました。黒字になっても、働く難民の孤立が残っていると分かり、一緒に働く時間を確保できるよう販売方法を変える。売り上げだけでは、当初の目的を達成したことにはならない。「誰の、どんな状態を変えたかったのか」に立ち返る姿勢に、課題から事業を考えることの意味がよく表れています。
一方で、善意があれば続くという甘い話でもありません。お客さんには品質や価格で選ばれる必要があり、利益を出すことも当事者への責任になる。仲間を応援する気持ちが撤退を遅らせ、損失を膨らませた経験まで語られます。資金を使い切る前にどう撤退を判断するかは、実務ではさらに詰めたい点ですが、失敗を制度の見直しにつなげる姿勢には説得力がありました。
2021年5月の刊行から約5年が経った今、その後の公開情報も合わせると、もう一つ考えさせられます。起業家への資金提供は、会社への出資から経営者本人への寄付へ変わったと説明されています。支える相手の自立を大切にするために、支援の形そのものも変える。本書の考え方は、完成した制度を守ることより、目的に照らして仕組みを問い直すことにあるのだと、私は受け止めました。
新しいサービスを考えると、つい何をつくるか、どう売るかが先に立ちます。この本を通じて私が持ち帰りたいのは、その前に、相手の困りごとを本当に理解しているかを確かめる姿勢です。利益を生む工夫も、事業を変える判断も、その問いにつながっている。社会のためという言葉を、日々の具体的な判断にまで落とし込む本でした。 -
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仕事の意義を考えていた時に出会った本
人生の半分近くを占める仕事
自分のしていることが、根本的に社会のためになっているのか、前々からモヤモヤすることがあった(なっていないとは薄々気付いてはいた)
最初の5ページ、自分が著者とドンピシャ同じ考えで引き込まれた。
今緊急で手を差し伸べて欲しい人が日本含め、世界中に多くいるが、効率を求める資本主義の日本では、ビジネスにおいてそれらにフォーカスを当てない。利益、売上こそが全てだから。
世界には栄養失調で苦しむ人がいるのに、食べられるものでも大量廃棄している現状。。
本書企業のように「社会問題だけを解決する会社」が世界中で増えれば、今と未来が非常に明るくなるだろうにと素直に感じた。
同じ地球の人間として、困窮している人に手を差し伸べ、これからの子どもたちが住む地球環境保全等に携わりたいと強く感じた。 -
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純粋に田口さんがすごいと感じた。ソーシャルビジネスだけを実施する会社をいくつも作って実践しているのはすごいし、そこに至るまでのプロセス、コンセプトもしっかり構築している。色々な試行錯誤を経て今があるのだろうが、それを積み上げてきたことは賞賛に値する。
出資は一切受け付けないというコンセプトは個人的には賛同した。そして社会課題解決においては売上ではなくソーシャルインパクトで計測するということであったり、顧客のペインを徹底してヒアリングで炙り出していくことであったり、社会課題解決は人によってアプローチの仕方が違うということであったりは起業を志すものにとっては非常に参考にすべきことであろう。
一つ一つの売り上げ規模は小さくても10億1000社で1兆円という考え方も面白い。世の中に無数ある社会課題に対して社会起業家を1人でも多く輩出することが大事だとする考え方に納得した。
マイクロ起業や週末起業といいう単位でも社会課題に関わろうとする人にとっても参考になるだろう。ボーダーレスグループのフレームワークを惜しみなく教えてくれることも好感的であった。
恩送りのシステムであったり、印税を全額ハチドリ電力に寄付することであったり、どこまでも自分の私利私欲を切り離して世の中の社会課題解決に注力している人なのだと感じた。 -
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audiobook.jp の聴き放題プランにきていたので聴いてみた。
良い意味で、事前の予想をはるかに上回る内容。
若い企業家の著作というと、失礼ながら単なる自叙伝のようなものが多い。子ども時代のユニークなエピソードなど。
ところが、本書は徹底的にビジネスにフォーカスする。
社会起業家である筆者がどのように事業を起こしてきたか、どのようにグループ企業を拡大してきたか、とても詳細に描かれる。
ハーブ事業、パソコン修理事業など、具体的なエピソードが多く、読者を飽きさせない。
営利企業が利潤を追求するところで、社会企業は「世の中をよくすること」にフォーカスする。
それは持続可能なのかと疑ってしまうけれど、筆者曰く「それでも利益が出るように事業をデザインすればよい」。
理想論のようだけれど、本当に実現しているのだからすごい。
それはとても再現性の難しい偉業だと思える。けれど継承・横展開できているのは、グループ企業というカタチを取り、リーダー同士で協議・合議を行っているからだと本書では説明される。なるほど。
面白かった。社会起業を目指す人にとっては、教科書と言っても良いレベルの内容。 -
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清々しい。我々は何のために働くのか。
今からでも遅くない。田口さんならそう言ってくれる気がしました。
利益か運転資金か。企業保育所の園長と理事会の対立の話を妻から聞いた。何のための利益かと考えると、やはり運転資金としか考えられない。だって、そのために働いてるんだもの。
社会を良くすることへのハードルを少しでも下げて、一人でも多くの人を関われるようにする。
社会起業家になるのは、やはりそれなりに厳しい。本書ではそのことも教えてくれます。でも、それをサポートする体制も作ってくれています。
ボーダレスジャパンという会社をこの世に作っていただき感謝です。こんな会社があるなら、きっと社会は良くなると思う。そして、私は何のために働くか、ボーダレスグループに負けず考えたいと思います。
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9割の社会問題はビジネスで解決できる
著:田口 一成
ボーダーレスグループでは、「1000人の社会起業家を生み出し、1000の社会問題を解決すること」を目標にしている。様々な「非効率」を前提とするソーシャルビジネスは、今までのビジネスとはまったく違うアプローチから始まり、これまでより少し難易度が高いのも事実である。
いま必要なのは、ビジネスを「リデザイン」することである。
人々の生活を豊かにしようとしたビジネス。いま改めてその目的に立ち返る時である。ビジネスが引き起こしてきた問題は、ビジネスが変わることで解決できる。今こそ、ビジネスの真の価値が問われる時である。
本書の構成は以下の5章から成る。
①社会問題を解決するビジネスを次々と生み出す仕組み
②この仕組みがどうしゃって生まれたのか。その実験の歴史
③社会問題を解決するビジネスのつくり方
④ビジネス立ち上げ後の成功の秘訣
⑤一人ひとりの小さなアクションで、世界は必ず良くなる
私たちの身の回りには社会問題が山積している。そしてその要因はひとつだけではなく、多くの問題や課題が山積みになり、入り組んでおり、どれから手を付けたらいいのかわからない。
グローバルな視点で捉えても、マクロ視点だけではなく、ミクロな対応も必要となる。社会問題を仕組みで解決していく中で、サステナブルに対応していくには、それぞれを解決する中で仕組み・人・モノ・カネを回す仕組みが必要となる。
儲けのために社会問題を解決するのではなく、社会問題を解決する中で必要な収益を確保し持続可能な自走できる仕組みを作りながら成長する中でそのウネリを拡散させていくというもの。
個や一社ではなく、グループで絶妙な関わり合い、助け合いと経営ノウハウの共有等により共に支え合って高め合っていきていく。
高い志と覚悟がなければ、成立しないビジネスモデル。
本気の集団の取り組みに触れ、その熱量から多くの言葉では伊逸着せない何かを学ぶことが出来る。 -
Posted by ブクログ
資本主義や功利主義によって生まれた歪みに違和感を感じている人は少しずつ増えていっていると私は思う。
でもそれらを解決するために具体的になにをしたらいいのかわからない。
と感じてる人が読むべき1冊。
従来のマーケットを前提としたビジネスではなく、社会問題の解決のためにどのビジネスを選択するかという逆の発想を行い、社会起業家を排出しているボーダーレスグループ。
会社のユニークな仕組みやこれまでの軌跡にも学びがあったのだが、ビジネスプランの作り方が最も大きな学びになった。
人がどの社会問題に対して関心を持てるかなんて全然変わってくる。
だからこそ社会起業家が増えれば、より良い世界になるのだろうと私も思う。
一度自分が高い関心を持てる社会問題を深掘りしようと思う。