伊藤遊のレビュー一覧

  • 鬼の橋
    小学生の頃に面白くて夢中で読んだ本。30代になり、来年小学校に上がる甥っ子へどんな本をプレゼントしようか迷っていた最中に思い出し、記憶が蘇った。

    登場人物の心情、動き、光景、匂い、質感、の描写が豊かで、自分もその場にいるような臨場感があった。
    痩せっぽちで薄汚い少女に自分を重ね、よい匂いのする年上...続きを読む
  • 鬼の橋
    こんなに面白いファンタジーだと、いままで気づかずにいたとは不覚。
    紹介しないと動かないと思うので、積極的にすすめていきたい。

    主人公は小野篁。
    井戸から冥界の入り口に迷い込み、そこで、冥界の番人と化している坂ノ上田村麻呂に出会う。
    このあらすじだけでもこんなに面白いのに!なぜ!気づかなかったのか!...続きを読む
  • 鬼の橋
    ぼくはこのお話の中で、坂上田村麻呂が一番好きだった。強いし、都を守ってくれているのがかっこいい。ずっと死ねないのはかわいそうだと思う。いい人ほど、こういうことになっちゃう気がする。小野篁は、かしこくて考え深くて勇気があるから、坂上田村麻呂を助けられたんだと思う。
    牛おにたちは、たいしてえらくもないの...続きを読む
  • 鬼の橋
    実在の人物でエピソードの多い人物を主人公の物語で、読み進んで冥界と現世を行き来するうちに、鬼の非天丸と阿子那との交流、田村麻呂将軍とのやり取りの中から、徐々に妹を失った失意から一人の元服した男へ成長していく様は、なかなか良い作品だと感じた。
  • 鬼の橋
    学校の図書室にある6年生の指定図書。
    以前から気にはなっていたが、なかなか手が伸びず。
    ところが読み始めたら止まらなくなってしまった。
    鬼になった人間の哀しさ、身分が高い人間の驕り、
    歴史上誰もが知っている人物も登場して・・・
    正直6年生のこの本の面白さを伝える自信はない。
    ただ、おとなにはお勧めす...続きを読む
  • えんの松原
    「鬼の橋」に続いてこちらも平安時代を舞台にした作品。

    両親を怨霊に殺されずっと憎んでいた音羽丸が、怨霊のいない世の中というのは、ほんとうにいい世の中なんだろうか、と思うようになる。
    「うまくやるやつがいて、そのあおりを食う者がいる。そのしくみが変わらない限り、この世から怨霊がいなくなるとは思えない...続きを読む
  • 鬼の橋
    実在した貴族小野篁の少年期を描いた歴史ファンタジー。
    篁は、自分のせいで井戸に落ちて亡くなったと思っている妹の事故から立ち直れないでいた。その井戸に吸い込まれ、生死を分ける鬼の橋にたどり着く。橋の番人坂上田村麻呂に、まだ死んではいけないと言われ再び生の世界へ戻る。が、井戸が生と死をつなぐルートとなっ...続きを読む
  • ユウキ
    最初はあまり入り込めなかったが、真ん中過ぎからぐっと引き込まれて一気に読み終わった。

    私が勤務している学校も、転入転出が多い。
    男子でも女子でも、高学年の子にぜひ読んでほしい。
  • 鬼の橋
    今昔物語や百人一首などに出てくる小野篁の少年期を主人公とし、少年の成長、人が悲しみや後悔を飲み込んで前に進む様子、人の情により鬼が人になる様相を書いた児童文学。

    小野篁は自分の不注意で異母妹を死なせてしまった後悔と慕情と悲しさ寂しさで生きる気力を失いかけています。
    異母妹の死んだ井戸を覗き込んでい...続きを読む
  • ユウキ
    登場人物たちがみんな魅力的でした。
    転校する側、転校される側それぞれの気持ちがよく描かれていて、きっとどちらにも感情移入できるんじゃないかなと思いました。
    主人公は男の子だけど、女の子の悩みも描かれているので男女みんながきっとどこかで共感して、考えたりできる作品だと思います。
    私も小学生の頃のことを...続きを読む
  • つくも神
    ほのかとお兄ちゃんと龍平の人間関係がとても面白いです。荒れたお兄ちゃんでもいいところを見つけられるほのかは、優しいと思いました。つくも神達も大活躍します。
  • 狛犬の佐助 迷子の巻
    明野神社というところの狛犬には、ほった人のたましいが宿っていて、その狛犬と現代の人々との感動できる話。二頭の狛犬のしゃべっているところがおもしろいです。
  • つくも神
    なんだか読んでて涙が止まらなかった。
    つくもたちがとてもいとしいです。またみんなが元に戻る日を楽しみに待ちたいです。
    お兄ちゃんの置かれた状況に、つい先日の川崎の事件を思い出しました。こんな世界は、たくさんあるのだろうな。
    ほのかが置かれた五人グループがすごいリアルで胃がキリキリしたわ。私も余る一人...続きを読む
  • 狛犬の佐助 迷子の巻
    ユーモラスで暖かい気持ちになるお話。小学校高学年くらいを対象にしたお話だけど、寡作な伊藤遊さんの作品ですもの読みますもの。
    主人公は狛犬の佐助。この佐助(うん)と親方(あ)のやりとりが良い。中に出てくる「狛犬界のお約束」みたいなものがまたいいのです。残り数ページでまた胸をじんとさせる良いお話でした。
  • 狛犬の佐助 迷子の巻
    ドキドキ、ハラハラ、ほっこり、な本でした。
    こんな狛犬いたらいいのに!

    親方と佐助はよいコンビですね。
    会話がいかにも職人気質で、お江戸の人情が感じられてステキです。
  • つくも神
    ほのかが住むマンションのゴミ置き場でボヤ騒ぎがあった。それ以来マンションの周りで不思議なことが起こるようになった。マンションの隣の家の土蔵が怪しい。そんなほのかの前に不思議な置物が現れて…。

    さよならを言わないさよならの演出にだだ泣きしてしまいました。設定や説明がしっかりとあり、淡々と進みがちだっ...続きを読む
  • ユウキ
    一気に読んでしまいました。6年生の子どもの気持ちって単純なようで複雑。でも、自分のこと友だちのことクラスのこと…一生懸命考えてる。登場人物のキャラクターも魅力的です。中学1年の息子にこの本ススメるつもり。
  • つくも神
    物にも命が宿っている。今でもワタシはそう思っている。
    この本と出会って、その気持ちをより強くさせてくれた。
  • 鬼の橋
    小学6年生でも、読書力がある子は読んでいました。中学生には、ぜひ読んで欲しい本に選びたいです。修学旅行で京都に行く前に読む…とかすると、旅路がふくよかになると思うんだけどな。
  • 鬼の橋
    平安時代、少年小野篁を主人公とした物語。妹を亡くした古井戸から冥界の入口へと迷い込んだ篁は死んだはずの坂上田村麻呂と出会う。
    はじめ篁がいけ好かないというか感情移入しにくいなと思っていたら、彼の成長と共に心安くなる巧さ。
    歴史ファンタジーの魅力を堪能した。