伊藤遊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
児童文学!というお話しの形がそこにありました。
だけども時代は平安、ほんとにおもろしろい。
太田大八さんのめくるめく素晴らしい挿絵が、福音館のハードカバーとなんともしっくりくるんです。
しかしこの堅気な児童文学を今の子どもが、いやどんな子どもが手にするというのか。。
おはなしは、
怨霊に取り憑かれた東宮 憲平と、怨霊によって両親を亡くし、叔母の主から追い出され、内裏に女の童としてはたらく少年 音羽との友情物語。
東宮のなんだかジェンダーレスな雰囲気と、男の子ということを隠して女としてはたらくしかない音羽、という対比にワクワク。病気がちでおとなしい少年とやんちゃ坊主、彼らを見守り手を差し伸べる良き大人と、ほんとに児童文学のど真ん中を行くスタイルですが平安の世というところが面白くさせる。
いろんな意味で裏切られたお話でした。
怨霊がなぜこの世にはびこるのかを音羽を預かる内侍様が語るところが良いので引用しますと
_だれかが栄華を極めれば、その陰にたくさんの嘆きが生まれるものだ。
その嘆きをわすれた結果だろう。いや、忘れてはならぬといういましめのために、怨霊は現れるのかもしれない。秋になれば木にはたくさんの実がなるが、みなで取りあうとなれば多い数ではないそれをすべて己が腹へおさめ、吐き出す種らも自分の領地の内というのでは、恨みも買おうと言うものさ。烏ですら、まだ熟れぬ実くらいは残すだろうに、人は一度にぎったものをなかなか手放せぬものらしい_
まったく、人間というものは…
怨霊だなんて物騒なお話かと思えど、児童文学ゆえに怖くはなく、私にも読めました笑笑。 -
Posted by ブクログ
伊藤遊さんで作者買いでした。挿絵が岡本順さんでますます嬉しい♪
狛犬のバディものなんて、発想が奇抜すぎてさすがです。
ただ狛犬だけに、かなり動きが制限されてしまう(なにせ石なので…)のが、お話のつくりとして不利だった気がします。
作者の伊藤遊さんは『鬼の橋』や『えんの松原』でとても濃厚で面白い平安物を書いていらっしゃったので、その時のような濃いワクワクを期待していました。
本作は、それに比べるともう少し気軽に読める感じだと思います。
口が悪い親方だけど、本当はとても弟子思いで情の厚い人(狛犬?)だと伝わってくるところが好きです。生前の親方と佐助の物語も読んでみたいな。