瀬川雅峰のレビュー一覧

  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    こういう小説をもっと若い時に出会いたかった。そうしたらたくさんの作家と出会えたのに。と思わずにはいられない。
    現役教師とあとがきにあったのでまたいつ出るのか?でないのかも知れない。でも本離れしていると言われている現在、こういう本、先生の授業があったならもっと読む人増える気がする。

    解説だけじゃなくストーリーもあるので読みやすかった。

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    2024年06月18日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    表紙は可愛いが中身は濃い。学校内の問題を国語教師・辰巳と秀才少女・円城が立ち向かう。2人の事件への寄り添い方が良い。最初、円城が嫌われやすいキャラかと思ったが、読んでいくうちに、どんどん好きになっていった。そして、辰巳先生の授業がとても面白い。『舞姫』『羅生門』などの文学作品を、著者の事も含めて深掘りしているので絶対読みたくなる。めちゃくちゃ良い所で終業のチャイムが鳴るという、構成のうまさ。危ういロマンスや、辰巳先生の過去も気になり、急いで下巻へ!

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    2022年10月02日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    こころにそんな解釈があったなんて…タイミングが少しでもズレていたら…なんで…どうして…でもなぜかあり得ない話に思えなかった、高校時代辰巳センセイに出会いたかった。きっと作者の瀬川先生も素敵な先生なのだろう

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    2021年10月09日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    三章竹取物語の時間
    四章山月記の時間
    終章こころの時間
    『こころ』って高校のときなんか凄く興味を惹かれるけど暗い話だと思っていました。
    『こころ』の後日譚の解釈はすごく面白かったです。
    裏切りと罪の物語に見える『こころ』を希望の物語として読み解くのは面白かったです。
    罪深い大人が若者へ希望を託す物語。
    途中、高校生と先生の恋愛物はちょっとなあと思いながら読んでいましたが、この『こころ』の新解釈がわかったのはすごくよかったです。
    なぜ、高校生と先生の恋愛だったのかも辻褄が合います。
    高校の先生をしながら小説を書いているという作者ならではの独自の視点があったと思いました。

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    2021年07月10日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    ネタバレ

    この話を上巻だけ読むと(というか逆になぜ上巻の方はあんなにラノベっぽいんだろう…?) みんなに愛されて俺困っちゃうよ系のセンセイ、という評価しかなかったんだけど、下巻を読むと評価が一変した。

    特に、「こころ」を裏切りと罪の物語ではなくて、希望の物語として読み解く、「罪深い大人が、若者へ希望を託す物語」であるのだ、という考察が非常に印象に残っている。教科書に載っている一部のみだけで判断するのではなく、全体を見て初めて理解しうるものもあると思う。

    この話は、自分自身のした行為や過ちをずっと引きずって後悔している人は、何か響くものがあるんじゃないかなと思う。やってしまったことは取り返しがつかない

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    2025年03月02日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    全国の中高図書室に置いて欲しい一冊。
    登場人物の繊細な心の動きの描写が素敵で、作者が学校の先生ということで納得。
    説得力あります。
    授業でやった記憶のある古典文学とリンクする現実の問題。
    解決のための追加講義が押し付けがましくなくて優しくてこんな先生がいたらなぁと思います。
    ラノベ系かと思ったんですが、しっかりと練られた構成で一線を画していました。

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    2023年08月23日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    本編よりも、文学パートがとても面白かった。
    こんな授業なら受けてみたい。作品の解釈も、その語り方も投げかけ方も、この授業を受けている高校生たちが本気でうらやましい、と思った。

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    2021年09月06日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    最後に「こころ」がくる時点で、先生が抱える過去がどんなものか、予想はできていた。「こころ」の解釈からラストへの導き方が素晴らしかった。

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    2021年08月12日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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     下巻では竹取物語(後半)、山月記、こころが取り上げられている。辰巳と過去と「こころ」。たびたび夢に出てくる水のイメージ。それらが、ラストに向かって収斂していく。辰巳の「こころ」を縛る鎖を解き放てるのか。そしてラストは、タイトルにこめられた「辰巳センセイ」の仕掛けがわかる。

     いやー、「こころ」を全編読みたくなった。現在、K川文庫夏のフェアが開催中で、書店で新装版として販売中だし。それにしても、「山月記」をBLにしてしまうのは笑えた。

     文学作品を作中にネタとして登場させる小説というと、「ビブリア古書堂」シリーズが思い出される。このシリーズのファンであれば、本書も気に入る人が多いのではない

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    2021年06月24日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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     第8回ネット小説大賞受賞作で、「小説家になろう」サイトに掲載されていたものをリファインしたもの。作者は現役の高校の国語教師だそうだ。

     主人公の辰巳も高校の国語教師で、授業で扱う文学作品と学校で起きた事件を絡めて謎を解く。青春恋愛ミステリーと銘打ってあるが、ミステリー色は薄く、恋愛色が濃いめだと思う。さらに謎解きよりも、事件の関係者の心を解きほぐすことに主眼が置かれていると思う。

     上巻では舞姫、羅生門、竹取物語(前半)が取り上げられている。いずれも教科書等で読んだことがあり、特に舞姫は高校の現国教科書に掲載されていた。当時の担当教員はクラスの担任でもあり、授業の内容が思い出された。

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    2021年06月24日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    ネタバレ

    上巻で辰巳先生がうっかりやらかした件が思いの外あっさり解決してよかったと思ったのも束の間、先生自体の重い過去が。
    どうにも先生に関わる女性たちは暴走しがちな気が。

    先生が結婚はおろか恋することも禁じていた件。
    この話での授業の題材が夏目漱石の『こころ』
    つまり、この『こころ』の読み解きが先生の過去の呪縛の読み解きにも繋がる訳で、薄々想像はしていたけれど、いざその真実が明るみになった時は重かった。
    決して法的に触れる罪を犯した訳ではないけれど、でもこれは引きずるだろうという。
    ここで初めて作中に西暦が描かれていた訳にも気付くという。
    あの国としても一大事だった件を絡めてくるとは思わなかった。

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    2021年06月13日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    ネタバレ

    『舞姫』は授業で習った覚えもなく完全に未読状態だったので、まさか海外が舞台の話とは思いもせず。
    生徒たちと一緒に辰巳先生の授業を楽しく受けた感じ。
    そんな話だったのか!
    学校で起きるトラブルを解決していく話ではあるが、途中に辰巳先生の現国の授業が挟まり、その授業自体が面白いという。
    現役時代にこんな授業をしてもらえたなら、もっと現国を好きになれただろうに。

    先生の授業内容自体が、そのときのトラブル解決のヒントになるという二重に美味しい構造。
    楽しく現国の授業を受けられて、かつトラブルも解決できちゃうお得感。
    素晴らしい。

    ただ先生がいい人すぎるのか、無自覚のまま関係する女子を先生・生徒関係

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    2021年06月13日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    上巻で繰り広げていた辰巳先生の転勤騒動の完結編に加え、辰巳先生の苦々しい過去や生徒たちの様々なことに対する心の揺れ動きが描かれています。


    下巻での名作では、「山月記」と「こころ」が紹介されています。
    「山月記」は、あれ?内容なんだっけ?と思いましたが、あらすじを聞き、確かに習った記憶はあるなと思いました。
    「こころ」は、新たな解釈が紹介されていて、目から鱗でした。

    まずは、「竹取物語」の章の続きですが、ドタバタラブコメのような展開でした。咲耶の帰国や教師の嫉妬といったありえない展開で思わず笑ってしまいましたので、その後もそんな傾向なのかなと思っていました。

    ところが、その後の展開が全然

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    2021年05月25日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    ネタバレ

    同業者なので、文学作品の解説など言い回し等は、とても納得させられることが多かった。けれどやはり、生徒と先生が恋愛関係を持つことをやんわりと肯定してしまっているのがよくないと思う。異動の件も次の展開のために都合よく設定された感じがあるし、ややモヤっとした気持ちが残る。

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    2025年03月02日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    読み始め、ヒロインの咲耶って名前、木花咲耶姫からとったのかなぁ。。と昔に古事記を読んでいたので
    ふんわりと思っていたら、オススメしてくれた子に、そうだよと教えてもらいました。
    後で聞いたら作者の方も、そうTwitterで話していたことがあるようです。

    作中に出てくる読んだことのない文学本を、照らし合わせて読んでみたくなった。

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    2023年04月14日
  • 辰巳センセイの文学教室 下 「こころ」を縛る鎖

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    下巻を最後まで読んで、やっと何を書きたかったのかわかる。そうなると妄想話のアクが薄れるので、そこまで読めれば。妄想話は無い方がいいとは思うが、文学だけでは弱いのかもしれない。ナイストライ。

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    2022年11月21日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    高校の学校生活と日本文学がつながっていきながら物語が進んでいっているので、読みやすかったし、今まで堅いイメージを持っていた日本文学をやわらかい感じの印象にしてくれて、良い意味で印象操作をしてくれた。日本文学、読んでみたいなと思えた。ただ、個人的に意味深な部分が多数あり、今でもモヤモヤする。後日また読み返そうと思う。

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    2022年03月27日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    ネタバレ

    文学作品の解説はとてもおもしろかった。生徒たちへの言葉かけもとても好き。後半ゴタゴタしてきてうんざり。

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    2021年07月22日
  • 辰巳センセイの文学教室 上 「羅生門」と炎上姫

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    ネタバレ

    国語の先生・辰巳と先生に恋をしてしまった生徒・咲耶が、様々な困難に遭うのだが、それはある文学作品とどこか似ている。「舞姫」「羅生門」「竹取物語」といった教科書で習った作品とリンクしながら、ミステリーや青春、恋愛の要素も取り入れていく。


    第8回ネット小説大賞を受賞した作品の上巻です。

    3作品は学校の授業で習った記憶はあります。なんとなく憶えていませんでしたが、授業形式でその作品の内容と解説をしてくれるので、学生と一緒に習っている感覚がありました。

    先生とのやや強引?な恋愛だけでなく、階段の転落事件といったミステリー、高校生達や先生達とのビターながらも会話が青春さを演出していて、色んな要素

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    2021年05月22日