香川知晶のレビュー一覧

  • 命は誰のものか 増補改訂版

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    透析患者のトリアージに始まり、代理母や終末医療・尊厳死、臓器移植まで幅広いトピックを取り上げ、過去から現在までの議論を整理した生命倫理の導入書。
    歳を重ねることで身近になった事象や、コロナ禍での直面した事象はあったものの、体系立てて目線を当てたことがないことが気にかかっていたため手に取った。

    これらの生命倫理の裏には常に「経済性」がなりを潜めており、表面上は倫理のことを議論しているように見えても、実態は「経済性」のゴールありきのロジックを積み立ているということが多々ある。
    特に臓器移植時の「死」の判定において、移植臓器の圧倒的不足に対するカバー策として「脳死」という概念を掲げ、コンセンサスを

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    2025年01月06日
  • 命は誰のものか 増補改訂版

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    生命倫理の入門書と言われているだけに分かりやすく書かれている。改訂版という事で、COVID19のトリアージ、優生保護法問題、「人生会議」の問題について、最後は遺伝子改変技術についてまとめられている。生命倫理の問題では自己決定権が取り沙汰されるが、何のための自己決定なのか言葉に騙されずに、しっかり学び議論をすることが大切であることがわかる。いずれにせよ、新しい技術が、この先どのようなことを社会に起こすかをしっかり想像しながら考え、専門家だけに任せずに民主的議論で進めていく事が大切である。

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    2022年03月31日
  • 命は誰のものか 増補改訂版

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    人が生まれたり、死んだりすることは、かつてコントロールできるものではなかった。

    しかしながら、現代では、生まれることも、死ぬことも、技術の進歩によってできるようになる時代となった。だが、新たなる問題として、誰を生かすべきかという優先順位の問題がでてきた。

    誰もが平等であり、生きることの優先順位があってはならない。これは正しいことだ。だが、命を救うためのICUや透析機などの機械は限られている。そうした環境下では、優先順位の問題は避けられないのだ。

    確かに、この問題を考えるべきは、専門職である医者であり、私たちが考えるには、知らないことだらけだ。
    そうして考えたところで、当たり障りのない意見

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    2021年07月14日
  • 命は誰のものか 増補改訂版

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    臓器移植や遺伝子操作等、ゾッとしたというのが正直なところ。
    生物は長い年月の中で生きているのに、天文学的な技術の進歩(?)についていけるものなのだろうか?
    自分のモヤモヤ感を大事にしながらも、色んな立場の多様なモノの見方があることを忘れずに、他人事にせずに考えたい。

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    2022年12月06日
  • 命は誰のものか 増補改訂版

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    医療技術の発展によって、希望は増えたが叶えられない眼前の希望を前にした長きも増大させ、「仕方ない」がない社会になっている

    この言葉は重い

    循環器内科医として医療の最前線にいるけれども、命を諦めざるを得ない時は科学技術よりもその人や家族の考え方のほうが遥かに大事だ。しかし一方で人の生まれる時や死ぬ時には、科学技術の進化によって今まで人間が生物として培ってきた生き方を超越してしまう方に流れることは抗えなくなっている。

    自分はどう考えればいいのだろうか。悩みは尽きない。

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    2021年11月29日
  • 命は誰のものか 増補改訂版

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    どこからが生で、どこからが死か。なんとなく、オギャーと生まれた時が生、心臓が止まった時が死と考えていたが、国民性や宗教やさまざまな理由でさまざまな見解があることを学べたことは大きかった。ただ、データや事実など丁寧に著しているぶん、とっつきにくい文で、後半になるにつれて読むことが辛くなっていった。

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    2021年06月16日