伊佐敷隆弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東洋と西洋の宗教観をなぞっての「人が死ぬとどうなると考えられているのか」を解説する一章を経た後、二章で語られるのは「魂とはどのようなもので、どこからどこへ向かうのか」という哲学的な問いかけ。
結局のところ、「いまこの瞬間にここに生きている自分」だけが確かな事実であり、それ以外のことはわからない。人と人との結びつきの中にその人の生きた証、魂が残るのだと言うこと以外は。
「わからないのはなぜか」問い続けることを楽しむ哲学という分野の面白さを堪能させてくれる。
大学の先生と生徒が対話を重ねていく、という会話形式に則って進み、極力専門的な難解な用語を避けられているため、内容は難しくともとっつきやすくスラスラ読める工夫がされているのが見もの。
個人的には「なるほど、攻殻機動隊ってそういうことなのか!」と膝を打ちたい気分になる箇所が多々あり、とても興味深かった。 -
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死生観というのは、いろいろなものをベースに多層的に考えているものなんだなぁと感心した。哲学の部分は理解しにくいところもあったが、面白かった。
死ぬことに対して、6つのパターンの考え方が存在する。
1. 他の人間や動物に生まれ変わる
2. 別の世界で永遠に生き続ける
3. すぐそばで子孫を見守る
4. 子孫の命の中に生き続ける
5. 自然に還る
6. 完全に消滅する
キリスト教の天国や地獄は永遠だが、仏教の地獄は1兆6千億年くらいでそのあと生まれ変わる。
お盆は仏教行事ではない。一回忌とか三回忌とかは儒教の影響。位牌も儒教の影響。儒教では子孫を残すのが大事なので、必ず結婚する。
一度きりの人生というのはキリスト教の影響。キリストの誕生日は伝わっていない。クリスマスは元は太陽神ミトラスの再生を祝う祭りがローマの時代に転用された。
良寛「形見とて何か残さん 春は花 夏ホトトギス 秋はもみじ葉」
高見順
この旅は
自然に帰る旅である
帰るところのある旅だから
楽しくなくてはならないのだ
もうじき土に戻れるのだ
お土産を買わなくていいか
埴輪や明器のような副葬品を -
Posted by ブクログ
著者は哲学の研究者で、大学教授。
ラサールから東大へ進んだ受験エリートですが、現職に至るまで、色々と苦労したことが本の中に出てきました。
15年ほど予備校講師などで生計を立てながらチャレンジし続け、最後には教授職に就くチャンスをつかみ取ったとのこと。
著者のキャラクターといいますか、人柄のようなものを感じながら、興味深く読みました。
あたたかいような、元気が出るような本です。
学者の肩肘張ったような、難しい本ではなく、いろいろと共感しながらページをめくりました。
特に印象に残ったこととしては、鎌倉時代に曹洞宗をひらいた道元の、いくつかの言葉。
正法眼蔵随聞記の現代語訳を読んでみようと思いました。 -
Posted by ブクログ
哲学の中でまだ結論の出ていない(というか、今後結論が出るかどうかも分かりませんが…)「心身問題」についても取り扱った本です。
教授と学生の対話形式で哲学(死とは何か)が語られており、全体としてみれば「読みやすい」本といえると思います。
特に前半部分のT教授とSくんの対話で分析される
①ほかの人間や動物に生まれ変わる
②別の世界で永遠に生き続ける
③すぐそばで子孫を見守る
④子孫の命の中に生き続ける
という4つの「死後」のあり方についての考え方は、その考え方が生まれた経緯も含めて理解できたように思います。
一方で、
⑤自然の中に還る
⑥完全に消滅する
という2つの考えについては、「心」とはどういうものなのかという議論が複雑になるほか、Qさんという学生も加わって抽象的な議論が増えたこともあり、少し読みにくく理解しにくい部分があったように感じました。
ただ、「心」を”脳の機能”としてとらえたり、他者や周囲の環境も含めた”上位システム”と考えてみたりするという視点は新鮮に感じましたし、興味深いと思いました。
クリスマスやハロウィンについての雑学的な知識もあわせて知ることができましたし、少し難しく感じる部分もあるとは思いますが、中学生でも読める本だと思います。