中村あきのレビュー一覧
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インターネット番組『クローズド・カップル』という恋愛リアリティーショーに参加した小口栞は高校在学中に小説家デビューしたものの、それ以降は鳴かず飛ばずの大学生の小説家。彼はモデルや俳優などの芸能人とともに孤島で行われる番組の撮影に参加した。名物プロデューサーが仕掛けるその番組は恋愛リアリティーショーとは別に出演者にも伏せられたある何かが起こるそうなのだが。そしてはじまる虚構の中の『推理劇』がはじまるのだが、実際の殺人が起こってしまい……。
ということで本書は孤島での恋愛リアリティショーという特殊なクローズドサークルの中で起きた虚実曖昧な殺人事件を描きつつ、外野から本来見えないショーの内幕に隠された歪な人間関係な関係が浮かび上がっていくという作品になっています。あまり本格ミステリの世界に馴染みのない舞台を扱いながらも、舞台のインパクトにだけ頼ったような印象はなく、丁寧な謎解きとその特殊な状況だからこそ成立する真相が魅力的な作品でした。 -
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今をときめく恋愛リアリティショーとミステリー
なんて面白い設定だ
目を引くタイトル、さっと目を通したあらすじだけで、読むのには十分だった
私たちは(私の世代ひっくるめて)
恋愛リアリティショー黄金期を駆け抜けてきた
といっても過言では無い、(と思う)
特に、学生の、ティーン世代の
今はもうインフルエンサーやTiktoker
YouTuber、モデル、タレント、俳優、女優
の経歴をたどれば、すぐ目に留まる
今日好き、こと、今日、好きになりました
や
当時はこれに出て注目されることが
これから売れる、登竜門にすらなり得る
オオカミくん
これらが出始めの時に
私は、絶賛高校生だった
個人的には、恋だの愛だの、恋愛リアリティショーだの、とはかなり遠いところにいた自分だったので
エンタメとしてみていたが
もちろん設定やエンタメやストーリーは
あったとしても、
"リアリティショー"とはなんなのか
というところが結局事の発端になりえるってことだと思ったり思わなかったり
もちろんこれらより前にも
恋愛リアリティショーとやらはポツポツとあったが
その若年化が進んだ時期がその辺じゃないかと思う
かく言う私は
恋だの愛だのから遠いところにいたと言ったものの
当時、恋愛リアリティショーが好きだった
今日好き、オオカミくん、は配信中にリアルタイムに追いかけ、新作を楽しみに待ったし、昔のテラスハウスを一気に見漁ったりもした
当時、配信中にリアルタイムで追っていたテラスハウスは悲しい事件によって途中で中止になる
ただの、視聴者であった私だけれど、どうして、、と涙を流したことを鮮明に思い出す
あれから、恋愛リアリティショーの流れも変わったと思いたいが、少ししたらまた恋愛リアリティショーは、あの事がなにもなかったように、今日この日までたくさん配信されている
と、前置きが長くなってしまったけれど
だからこそ
後半からは、ただのミステリーとしては読めなくなった
解説にも書いてあったが
単なる、恋愛リアリティショーと孤島ミステリー推理劇の、ハイブリッドミステリーの類、のみではない
今を生きる私たちの
この、四角い物体だけで
ある事ないこと書き込めて、それが誰かの心を深く傷つける、致命傷を与えるナイフ、いや、ここでは斧と言おうか?
になり得るということを
改めて心に止めなければならないということ
をここで、今一度、ハッとさせてくれる
そんな話に終結した1冊
だという感想にいたる
愛憎劇、とはよく言ったもので
愛も憎しみも、好きも嫌いも
感情のカテゴライズは違ったとしても
その抱え得る気持ちの、想いの大きさは
そのエネルギーの大きさは同じようなものなのじゃないかと思う
だって、嫌いになるのも、エネルギーがいる
好きの反対は嫌いなんかじゃなく
無関心だと言う言葉もある
だから、ここから先は少し
ネタバレになるけど
ここでの主人公、栞はこう言う
…だからって、自分の非道な行為をなにか正当で誠実なものだと思うのは、相手のことを考えず、独りよがりに燃え上がって消える恋の幻想のように、滑稽な勘違いだ
まさにその通り、なのかと思う
これが全て
タイトル
好きです、死んでください
に集約される
ってことなのかと思う
私自身、
(って自分の話ばっかりになってしまうけれど)
人よりも、なにか好きなものに対しての
その、"好き"の気持ちの大きさが
大きくなりがちな人間であるということを理解している
だからって、そんな、人をどうにかしようなんて思わないけれど、やっぱり愛も憎しみも紙一重
だから気をつけようね、
なんて独りごちた
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Posted by ブクログ
ありがとうございます、新たなクローズドサークル。恋愛リアリティショー?面白いです。クローズドサークルに推理劇?最高です。決して見たことのない化学反応を見届けましょう。
それぞれの思惑をもってリアリティショーに参加したモデル、アイドル、俳優、バンドマン、ミステリー作家(!?)。
ネタバレが怖くてあまり書けないのですが、リアリティショーと並行してなにやら別の物語が差し込まれます。【よく読んでください】。最後の伏線回収はなるほど、キャラクターの深掘りもあって良かったです。
ただ、ただひと言…
なんで人が死んでいるのに、軽い会話ができるのか?あとミステリー作家といっても死体は見慣れてないのでは?と気になる点があるのは御愛嬌。他の著書も読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
「チェス喫茶フィアンケットの迷局集」
著者 中村あき
アニメ化されそうな分かりやすいキャラ設定の高校生青春ミステリですね。
“好奇心旺盛で明るい行動派“の柚子子(ゆずこ)の周りで起こる謎を、“洞察力に長けたクールなイケメン“、チェス喫茶フィアンケットの臨時マスターでもある世野くんが鮮やかに解き明かしていきます。
同じクラスで学年トップ、ツンケンしていて一見キツめな世野くん。互いの入学式での第一印象は最悪でした。その後、柚子子は訳あって訪れたチェス喫茶フィアンケットの世野くんの下で働くことになります。
子どもの頃に一度お店で会っていて再会となった二人。終盤にその時の謎も解き明かされます。
キャラの感じから、軽いタッチのコミカルなストーリーかと思ったら、、、いやいや、
話が進むに連れ、二重の仕掛けがあったり、一癖では終わらない、しっかりと謎解きミステリになっていて、ちょっと驚きでした。
こちらの本も、ひだまりトマトさんの本棚で気になって手に取りました。チェスのことはわかりませんが笑、ストーリーは楽しめました!
ありがとうございました〜(*´︶`*)
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Posted by ブクログ
子どもの頃に訪れたことがある喫茶に
どうしても行かねばならない理由があった。
子供だから、という最初の始まりから
子供だし、で語られた、あの日の、もしかして。
これはこれでほんわかするものがありますが
作中は…頑張れ、としかいいようがない使われっぷり。
連続短編で、チェスが絡んだミステリー。
最初の話はありそうな感じです。
が、店自体に傷を入れるのはいかがなものかと。
話自体も、ちょっとどうかな、な現実が
ひょっこり見えてみたり。
2話目なんかは、本人の口から理由が語られましたが
それがなければ、残り学校生活どうするのか。
3話目は、結局行政が…になるかも、ですし
4話目に至っては、2話目よりも無理難題通そうと。
気持ちとしてはいい事なのですが、関係部署各位は
なかなかに難しいのではないでしょうか。
ちょっと主人公の思考回路に、共感できない部分が
多々ある話でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ柚子子に容赦なく、チェスも謎解きもさらっとこなす完全無欠の終くんだが、そんな彼も高校生。
最後の最後に彼の弱みと、そんな彼でも越えられない存在が出てきた点がよかったと思う。
完璧すぎるヒーローではなく、少し人間味を感じることができたので。
学園ものの日常ミステリ系だが、扱っている謎が色々な意味で重いので(友人の死、待機児童に関わるもの、親友の停学レベルのやらかしなど)事件の面だけで見ると欝々しそうだが、柚子子が明るいキャラで、終くんとああだこうだと言い争いをしているので、そんな空気を吹き飛ばしてくれる。
だから欝々しすぎず読めた。
柚子子の真っ直ぐな性格は、謎解きの面でも友人を救う面でも助けになっていた。
いい主人公だ。
個人的には絵の謎の話が印象的だった。
絵の美しさも真相の哀しさも、それでいてあっけらかんとしているこの回のゲストキャラも。
このキャラが後半に柚子子の背中を押してくれる展開も胸にグッとくるものがあった。
彼女は色々なものを乗り越えて、そのキャラのまま生きていって欲しいなと思う。