米虫正巳のレビュー一覧

  • 自然の哲学史

    Posted by ブクログ

    西洋哲学史のなかで「自然」の概念がどのように論じられてきたのかということを紹介し、現代の哲学において「自然」がどのような意味で問題となっているのかを論じている本です。

    著者はフランス哲学の研究者であり、古代以来の哲学史をたどって「自然」の概念にまつわる問題を整理するさいにも、フランス現代思想の観点がはっきりと示されています。具体的には、「自然」を「人為」との対立の枠組みのなかで理解する見方や、「自然」を「一なる全体」として理解する有機体論のような見方を、脱構築的な手法によって批判するという試みがおこなわれています。

    そのうえで、シモンドンとドゥルーズの議論が参照され、前者の「前個体的存在」

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    2021年07月11日