一ノ瀬月美は、自殺しようと駅のホームにいた。しかし、ある男によって邪魔される。それも何回も。まるで予め知っているかのように色んな自殺をしようとする場所に必ずいる。男の名は、相葉純。死神から寿命と引き換えに時を戻せる時計を手に入れる。余命は3年。時間を巻き戻しながら、月美を助け続ける。そんなことを繰り
...続きを読む返しているうちに二人の関係は徐々に狭まっていく。
死神を現れるところから、ラノベっぽい設定や雰囲気がありました。自殺しては時を戻し、助けるといったことを繰り返していくのですが、助けては二人の楽しい時間を過ごしてホッとしたのも束の間、しばらくすると自殺するので、なんで?と思うことばかりでした。
そんなことを繰り返すうちに二人は惹かれるのですが、その描写がまぁ純愛で、読んでいるこっちが恥ずかしいと思うくらいでした。
純は元々死んでもいいと思って、死神に寿命をあげたのにいつしか後悔の念が生じます。月美とどうやったら別れられるか、惹かれあったのに今度は別れる過程が何とも痛々しかったです。月美の方は一途に純のことが好きになっていくけど、純の行動や雰囲気になかなか結ばれず切ないなと思ってしまいました。
そんなこんなで二人の行く末はどうなっていくのか、気になりながら読んでましたが、意外な展開に感動した反面、「んなアホな」とか「それってアリ?」とツッコミたくもなりました。それほど意外な展開であり、ちょっとご都合主義っぽくない?とも思ってしまいました。
なかなか現実では時を戻せませんが、進める道は多くあります。どうせ死ぬなら何かを成し遂げよう・何か始めようという気持ちで望むと、世界は変わるかもしれません。
久しぶりにムズムズした気持ちになった作品でした。