苗川采のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本作において、人でなしや妖怪は常に日名子を捕食対象として見てきた。それは表面上、比名子を守る汐莉も同様。その中で美胡だけは全く異なる目で比名子を見守り続けてきたのか……。
自分を純粋な土地神だと思っていないし、その役目も無理やり押し付けられたもの。それでも土地に住む者を守ると決めている
妖怪にとってご馳走となる比名子に何の影響も受けないわけじゃない。体調だって頻繁に崩す。でも、何があっても比名子だけは守ろうとする
明かされる美胡の覚悟。その深度は凄まじいものだね。汐莉がいずれ来るご馳走の為に今を我慢しているのとは全く違う。比名子のご馳走としての部分を理解してなお、傍に居る比名子を純粋に守ろう -
Posted by ブクログ
比名子の死にたがっているという欲求を指摘した汐莉の瞳は「海みたい」と形容されているけど、日名子にとっての海とは自身を他者と隔絶する空虚な檻のようなもの
だから、海みたいな瞳を持つ汐莉の指摘は日名子を改めて普通の人間とは全く異なると突きつけるものとなるのかな?だから日名子もあまり愉快な思い出ではない過去を話したのかもしれない
死にたいくらい哀しい出来事なのに、その時に聞いてしまった「生きて」の言葉が日名子に自発的な死を選ばせない。だから他者から与えられる死を欲してしまう
それはとんでもない矛盾だね。死にたいのに生きなければならない。その矛盾が日名子を生かし苦しめている
でも、気まぐれに人を殺す -
ネタバレ 無料版購入済み
生きていることが辛い主人公とその主人公を食べたい妖怪人魚の物語。
汐莉さんはタイトル通り、正に人ではない存在です。
後書きによると瀬戸内の田舎の港町が舞台で独特の雰囲気があります。
作者さんが描きたいものがまだ見えてこないのでとりあえず☆3つです。
主人公の友人の美胡さんが良い味を出してます。
感情タグを選ぶのが難しい。 -
Posted by ブクログ
わたしの六月はゾンビ月間・・・で、ゾンビ作品ばかり観ている。
・・・そんな折に、このタイトルを見かけて「ゾンビ」?と思って購入した一冊。
まぁ人を喰らうのはゾンビだけじゃないよね。
・・・って事で、2冊前に登録した「八月九日 僕は君に喰われる。」と同時に購入した一冊。
タイトルも似た雰囲気であるが、内容もほぼほぼな印象。
別にまねしたわけじゃないんだろうけどね、ありがちな設定でもあるし。
怪異にとって特別おいしそうな主人公を、よりおいしくいただくために、他の怪異から護ってくれる怪異との話。
一番おいしい時期に食べるため、メンタル的にもフィジカル的にもヒロインを育てるというの -
Posted by ブクログ
随分と血の匂いの濃い少女達が繰り広げる物語ですね
過去の事故以来空虚さを抱え続けている比名子。その空虚さを「深い海の底に沈んだまま」と表現しているのは独特だね
海の近くに住んでいる事も合わせて海の匂いを強く感じさせる少女なのかもしれない
そんな比名子に近づいてきたのが人魚の汐莉というのはどこか運命めいている
海に曰くを持つ比名子と海からやってきた汐莉。比名子の過去含め、どこまでも海が関わってくる
一方で海からやってきた汐莉は海の匂いだけでなく血の匂いも漂わせているというのはどこか恐ろしい
対立する妖怪は惨殺し、比名子に対しても「私は君を喰べに来ました」なんて言ってしまうどう考えても安全で