レイチェル・クシュナーのレビュー一覧

  • 終身刑の女
    つらい。つらかった。
    貧困、暴力、格差、虐待、犯罪に取り囲まれ、努力しても報われないどころか、その努力すらしようのない環境。環境や運のせいだけにするわけにはいかないが、どうやってここから出ろというのか。出口のない絶望。

    刑務所に閉じ込められている以前に、既に、社会によって閉じ込められている。
  • 終身刑の女
    にっちもさっちもいかない境遇の中でも、彼女なりのしあわせはあったのに、それを脅かす存在を手にかけてしまったことで、そのしあわせから遠く隔たった場所に身を置くことになったロミー。どこかに救いがあるのかと祈るように読んでいって、最後、これは救いなのだろうか。諦念なのだろうか。彼女のこの先の空虚な何十年も...続きを読む