レイチェル・クシュナーのレビュー一覧

  • 終身刑の女

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    『わたしが自分の道を歩んでいるように、あの子は自分の道を歩んでいる。世界はもう、ずっとわたしなしで進んできた。わたしはあの子に命を与えた。それは大きな贈り物だ。それは無の反対だ。そして無の反対は、"何か"ではない。すべてだ』―『第五部』

    原題は「Mars Room/火星部屋」。サンフランシスコのストリップ小屋の名前。直訳あるいはカナ起こしでは余り人の目を引き付けないと誰かが考えたのだろう。ただ、読み通してみるとそれだけでは何の感情も惹起しない固有名詞が持ち得る意味が染みて来る。それはただの場末の店の名前。店の従業員も客も世間の枠組みからこぼれ落ちている人々。そこへ集まる目

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    2026年01月07日
  • 終身刑の女

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    ネタバレ

    つらい。つらかった。
    貧困、暴力、格差、虐待、犯罪に取り囲まれ、努力しても報われないどころか、その努力すらしようのない環境。環境や運のせいだけにするわけにはいかないが、どうやってここから出ろというのか。出口のない絶望。

    刑務所に閉じ込められている以前に、既に、社会によって閉じ込められている。

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    2021年04月21日
  • 終身刑の女

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    にっちもさっちもいかない境遇の中でも、彼女なりのしあわせはあったのに、それを脅かす存在を手にかけてしまったことで、そのしあわせから遠く隔たった場所に身を置くことになったロミー。どこかに救いがあるのかと祈るように読んでいって、最後、これは救いなのだろうか。諦念なのだろうか。彼女のこの先の空虚な何十年もの時間を考えてしまった。

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    2021年05月08日