秋元由紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「カーストのない世界では、男性であることまたは女性であること、肌の色が薄いことまたは濃いこと、移民であることまたはその国で生まれたことなどが、その人にどんな能力があると理解されるかに少しも影響を及ばさない。カーストのない世界では、わたしたちは皆、それが自分自身の生存のためだとしても、同じ人類の仲間の幸福を気にかけ、これまで信じるように仕向けられてきた程度以上に互いを必要としていることを認める。そして、山火事が猛威をふるい氷河が解けていくなか、世界中の先住民と力を合わせて警鐘を鳴らす。わたしたちは、他者が苦しんでいるときには、人類全体にとって種の前進が妨げられている状態であることを理解する。
カ -
Posted by ブクログ
上下二段組、400頁を超える分厚い本だが、面白さに引きずり込まれるようにして読み終えた。現代中国に生きる市井の人たちが仏教、道教、キリスト教の世界に豊かに、そして苦悩に満ちて生活している姿が生き生きと描かれている。
著者は、どうやらモントリオール生まれのカナダ人で、いまはドイツに居を構えているらしい。
で、著者がこれまで中国を訪れたときに北京、山西省、成都等で出会った人たちの宗教的生活をルポルタージュとして、やや小説風にも書いている。
1962年生まれの著者は、同年代かそれよりも年上の人が多く、毛沢東の文化大革命を子供の時、壮年期に遭遇している人が多い。したがって、現代中国の北京や上海の都市住 -
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Posted by ブクログ
アメリカもインドも行ったことがないので、両国における「カースト」も「人種差別」も肌で感じたことはなく、日常的に冷遇されたり無視されることを経験している「従属カースト」出身の筆者によって書かれた本書の内容も、真に理解できたとは思いませんが、それだけに根強いものを感じます。
「ヒエラルキーの重荷の大半を担う底辺のカーストがカースト制度を作り出したのではないのであり、底辺のカーストだけでそれを直すことはできない。昔から問題を難しくしているのは、カーストによる不公平を正すのにもっといい位置にいる支配カーストの人の多くが、それを直す気がいちばんない場合が多いことである。」
相手をごく単純に「人間」と