秋元由紀のレビュー一覧

  • 信仰の現代中国:心のよりどころを求める人びとの暮らし

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    ネタバレ

    この本は宗教を禁じていた共産党中国において、今宗教はどのような状況になっているかを追っていく作品です。

    現在の中国の宗教事情を知れたのは非常に興味深いものがありました。

    ただ、本書でも述べられていたのですが、近年共産党当局が厳しい統制をかけているため今後どうなるかはわからないというのは非常に恐ろしく感じました。

    この本は私達の知らない中国を目の当たりにすることになります。著者が実際に長期の密着取材をしたからこその情報が満載です。現代中国の宗教事情を知るのにこの本は非常におすすめです。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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    2024年08月23日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    ごく単純に、相手を人間として見る、全ての人を自分と同じ人間として尊重するだけでいい。そうすることで社会、世界全体がより平和に豊かになるのだとウィルカーソンは訴える。

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    2023年11月05日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    内容はかなり重く読み進めるのは簡単ではなかったが、アメリカに渦巻く不満の根底には、カースト制度があって、そう簡単なものではないのだと改めて思い知らされる。警察官に疑いをかけられそうになった時の恐怖、レストランでの店の対応に対する友人の行動、飛行機内での出来事など、本人の感情描写も明確で印象に残る。 人が持つ根底意識についても考えさせれる。

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    2023年07月10日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    「カーストのない世界では、男性であることまたは女性であること、肌の色が薄いことまたは濃いこと、移民であることまたはその国で生まれたことなどが、その人にどんな能力があると理解されるかに少しも影響を及ばさない。カーストのない世界では、わたしたちは皆、それが自分自身の生存のためだとしても、同じ人類の仲間の幸福を気にかけ、これまで信じるように仕向けられてきた程度以上に互いを必要としていることを認める。そして、山火事が猛威をふるい氷河が解けていくなか、世界中の先住民と力を合わせて警鐘を鳴らす。わたしたちは、他者が苦しんでいるときには、人類全体にとって種の前進が妨げられている状態であることを理解する。

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    2023年06月19日
  • 信仰の現代中国:心のよりどころを求める人びとの暮らし

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    上下二段組、400頁を超える分厚い本だが、面白さに引きずり込まれるようにして読み終えた。現代中国に生きる市井の人たちが仏教、道教、キリスト教の世界に豊かに、そして苦悩に満ちて生活している姿が生き生きと描かれている。
    著者は、どうやらモントリオール生まれのカナダ人で、いまはドイツに居を構えているらしい。
    で、著者がこれまで中国を訪れたときに北京、山西省、成都等で出会った人たちの宗教的生活をルポルタージュとして、やや小説風にも書いている。
    1962年生まれの著者は、同年代かそれよりも年上の人が多く、毛沢東の文化大革命を子供の時、壮年期に遭遇している人が多い。したがって、現代中国の北京や上海の都市住

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    2023年02月27日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    カーストはインド固有の話だと思っていたのだが、ナチスドイツにおけるユダヤ人、アメリカにおける黒人差別もカーストとして捉えるという視点には目から鱗が落ちた。ニュースで見ているだけでも、自由平等とは名ばかりのアメリカだが、そこで生きてきた黒人女性作家の経験も織り交ぜて語られており、問題の根深さが感じられた。オバマ、トランプ、バイデンと続くアメリカ政治の流れにおいて、熱狂的なトランプ支持の動きが理解できなかったのだが、カーストというアメリカに渦巻く不満の根源を理解することで、腑に落ちる所があった。

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    2023年01月07日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    ホームコメディやハリウッド映画‥音楽もファッションも‥陽気で楽しく自由な米国が大好きで憧れだった時期から、アメリカの翻訳小説に熱中し始めると、これまで目を背けていた米国の負の側面も見え隠れして‥それでもさすがに「南北戦争」「奴隷解放」は過去のものと思い込んでいたのだけれど甘かった。まだまだ、それこそがアメリカ社会にいまも続く無意識な差別感情を再生産する制度だとは、根が深過ぎて暗澹たる気持ちで読み進むが最後の最後、明るい兆しが有ってホッとしたし、冒頭のアインシュタインの言葉に救いがあると信じたい。

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    2023年01月06日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    ひとつひとつは短文だが、読み進めるのが困難なほど過酷な歴史を克明に書いている。舞台はアメリカだが、インドを含めた様々な身分制度についても同時に取材を行なっている。

    日本の近現代史について、ここまで書く人は現れるだろうか。
    終盤で、アメリカはお金でなんとかなる制度は整っているが、貧困層を救済する措置が先進国の中で類例を見ないほど少ないとある。戦争地域でもないのに、市井で銃で撃たれて死ぬ人の確率も多い。それでも移民はアメリカを目指す。

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    2023年05月04日
  • カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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    アメリカもインドも行ったことがないので、両国における「カースト」も「人種差別」も肌で感じたことはなく、日常的に冷遇されたり無視されることを経験している「従属カースト」出身の筆者によって書かれた本書の内容も、真に理解できたとは思いませんが、それだけに根強いものを感じます。

    「ヒエラルキーの重荷の大半を担う底辺のカーストがカースト制度を作り出したのではないのであり、底辺のカーストだけでそれを直すことはできない。昔から問題を難しくしているのは、カーストによる不公平を正すのにもっといい位置にいる支配カーストの人の多くが、それを直す気がいちばんない場合が多いことである。」

    相手をごく単純に「人間」と

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    2023年06月24日