村本大志のレビュー一覧

  • 透明な耳。
    思えば、今まで聞こえていたものが何も聞こえなくなるというもはや、心底恐ろしいのとだと感じた。
    作中でも、それは描かれており、主人公の感じた、恐怖や絶望を読者も深く感じることができた。
    自分が一番好きなシーンは、それこそ一番最後のシーンで、主人公と彼氏の会話が、「」表記になっていたことだ。それまでは、...続きを読む
  • 透明な耳。
    設定が下北沢で、えっ、そこで事故!あぁ~、起きそう、スケボー…いるいるスケボー少年。住まいが近いだけに、リアルに目に浮かぶ。
    前半は泣きっぱなし、後半は前向きな気持ちになれる、読んだあとのスッキリ感が良かったです。
  • 透明な耳。
    中途失聴になった主人公と、その子を取り巻く家族、彼氏、友達、周りの大人たちの物語。
    自分が置かれた現実を受け入れる強さ、そのためには自分自身だけではなくて、周りの人の支えも大切なんだと思った。
    手話は世界が広がる言語だと改めて感じた。
  • 透明な耳。
    1日で読み終えた。読んでいて涙がでた。
    今まで考えたことなかったけど、いつも通りの日常がかけがえのないものだと改めて気付かされた。
    由香の強くなっていく姿と周りの温かさに涙がとまらんかった。
  • 透明な耳。
    世界に確かなものなど何もなくて、
    それでもそばに信じられる人がいること。
    何が本当で、本当じゃないかなんて、
    自分で決めればいいこと。
    今、生きていること。
    そして、これからも生きていくこと。
    あなたは独りではないということ。
  • 透明な耳。
    ダンスが好きな女子高生が、ちょっとした事故によって両耳がほぼ聞こえなくなってしまう。それでも諦めない母や彼氏、友人達、そして新たな出会いにより、前向きに歩め始めていくストーリー。
    後天的に難聴になる人の気持ちや当事者が感じる世界の変化が分かりやすく、よく調べられたのだなと感じた。
    またストーリーのテ...続きを読む
  • 透明な耳。
    聴覚を失った少女とその周囲の人々の物語。文章はとても柔らかくて、心に沁み入ってくる。難聴者になったユカが、変に物分かりが良い若者ではなく、ちゃんと現実にたいして反発して、争い、思春期の感情を爆発させていたのがよかった。最初は娘と母の話なのかなと思っていたけど、最後は彼氏に誘われてあたらしい世界に踏み...続きを読む