徳井直生のレビュー一覧
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創るという作業は、過去の作品の影響を大なり小なり受けている。沢山の学びの中から人それぞれの思考、個性が加えられ、オリジナルな作品が生まれる。良作をまねただけの作品は模造品のように映り、本物には敵わない。モノマネ芸とAI美空ひばりの対比はとてもわかりやすい例。
これに対し、生成AIは人の理解を超える量・速度ではあるものの、同様のプロセスを経て何かを創る。その上で、模造品とならないオリジナルな要素を含めることができるかどうかが、価値のある作品になるかの境目になる。
生成AIの技術が実用化されはじめた昨今、AIに関する賛否が議論されているが、効率化のみならず、価値があると誰もが判別するようなオ -
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ネタバレ世界初のプログラマが「詞」を理解するアーティストであったように、AIを使った創造に関する研究者がDJなどを自分で行うアーティストというところが本書を象徴している。
①AI(人工知能)に対する世間の誤解、②クラブ音楽やその周辺に関するテクノロジーから見た視座、③絵を描く等のヒトの創造と機械によるものの対比が分かる。
とても乱暴に総括すると、AI技術が発展し人の能力を超える点「シンギュラリティ」により仕事が奪われるということが言われておりコンピュータには「創造性」がないのだから「アート思考」が大事だという風潮があるように思われる。個人的には全く逆だと思っている。創造と言われる活動の多くがディ -
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AIと創作の関係性を考えた本。
マーガレット・ボーデンの創造の種類が紹介。結合的創造性(例:カレーうどん)、探索的創造性(組み合わせの総体から作り出す)、変革的創造性(例:ピカソの絵みたいな概念的な変化)。このうち変革的創造性はAIには難しい。
人類初のプログラマーであるエイダ・ラブレス、画家にしてプログラムに興味を持って新しい道を切り開いたハロルド・コーエン、boomyという音楽生成サービスで100曲作っているアーティスト、AIとコラボしたフラメンコダンサーイスラエル・ガルバンなど面白い人物達が印象的だった。
AIに模倣させる、AIの間違いや予測不可能性を大切にする、AIの園芸家になる(育て