藤野裕子のレビュー一覧

  • 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代

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    近世の百姓一揆から新政府反対一揆、秩父事件、日比谷焼き討ち事件を経て関東大震災での朝鮮人虐殺まで。とくに朝鮮人虐殺については、2章を当ててその実態と論理を明らかにしており、歴史修正主義に抗する筆者の意志が伝わってくる。

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    2020年10月05日
  • 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代

    Posted by ブクログ

    近代の民衆暴力ということで、明治初期の新政反対一揆、1884年の秩父事件、1905年の日比谷焼き打ち事件、1923年の関東大震災時の朝鮮人虐殺を取り上げている。朝鮮人虐殺に関する知識を深めるために読んだこともあってかもしれないけど、何やら他の3つの事象に比べて性質が違うような気がした。紙幅の割き方も大きく、むしろ朝鮮人虐殺のことで一冊できるような気もしたけど。
    選んだからかもしれないけど、時代を追うにしたがって無秩序になっていく感じがする。序章では江戸時代の百姓一揆の流儀についても書かれているんだけど、意外と秩序だったパフォーマンス的なものだったのに。人々が権力に虐げられたり権力が強いる理不尽に抗う意識をもつようになったからか。はたまた、虐げられる人がさらに人を虐げるからだろうか。
    そして民衆暴力というけれど、実は国家による暴力コントロールみたいな面も大いにある感じがした。国家権力が自分たちへの非難をかわすために、民衆間で敵対させているのではと思うような要素も感じたり。

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    2024年10月13日
  • 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代

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    明治維新を「無血革命」とか「平和的近代化」とか言う人がいるが、とんでもない。民衆にとっては生活や文化をひっくり返されてしまうわけだから暴力をともなう抗議活動が起こるのも必至。国家の暴力装置は許されても民衆の暴力は許されない。しかもそういうのを教育の場で学ぶことは決して無い。歴史がゆがめられるのも無理はない。しかし後半朝鮮人虐殺に大量のページを費やしているのは何か恣意的なものを感じる。

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    2020年11月28日
  • 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代

    Posted by ブクログ

     著者の前著『都市と暴動の民衆史』、日露戦争の講和条件に反発して発生した日比谷焼打ち事件という程度の知識しかなかった事件について、暴動に直接加わった都市民衆の階層に着目し、その内在的論理を探究していく、そのアプローチとテーマに興味を持ったので、同じテーマを扱う本書を読むこととした。

     本書においては、民衆暴力として、新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺の、4つの事件が取り上げられる。個々の事件についてはこれまで相当の研究の蓄積があるが、通して見ることによって、単純に支配者や権力に対する反発であったり、朝鮮人に対する差別意識に由来するといった、ともすると一面的な見方に対して、新たに見えてくるものがあるのが分かった。

     現代では暴力とは忌避すべきものと考えられているが、少なくとも、歴史上の事件を見ていくときには、単純に進歩的又は反動的といった断罪ではなく、状況やその当事者の置かれた位置、誰に向けられたものであったかなどをに複層的に考えなければならないことを教えられた。

     

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    2020年08月23日