ProjectIDOLYPRIDEのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アニメの第一話を見た際には「隣の席だったから」なんて曖昧な理由で牧野がマネージャーを続ける動機が理解しきれなかったのだけど、本作を読むことで牧野がマネージャーをやる理由が納得できるようになっているね
牧野は早い段階から長瀬麻奈の歌に魅せられていた訳だ
また、麻奈の方も牧野を選んだ理由がそれなりに推測できる形になっているのは良かったな
本作を見るに麻奈はアイドルをやろうと思い始める以前から牧野に視線を向けていた事が判るのだけど、一方で牧野の存在が麻奈にアイドルをやりたいという決定的な動機を与えているんだよね
アイドルに興味は無いと言ったのにLizNoirに夢中になり、「長瀬は歌 好きだろ?」と彼女の中にあった感情を明確にした
それらは麻奈にアイドルとしてステージで歌う動機を与えるもの。だから麻奈は傍で自分を支え続ける人間として牧野を欲したんだろうね
その後から始まる物語は必然的に麻奈と牧野の二人によるアイドル道を駆け上がる物語となる
才能に秀でながらも研鑽を止めない麻奈の姿は牧野にマネージャーとしてもっと頑張らないと、との想いを抱かせる
麻奈が羽ばたけるようにと彼女にステージを与えた牧野の存在は麻奈の歌をより力強いものにする
麻奈は素晴らしい才能を持っているけど、きっと麻奈だけではあの高みに上り詰めることは出来なかったのだろうと思わせるには充分過ぎる内容
ここから麻奈がどのようにして「星降る奇跡」と呼ばれることになるのか、そして麻奈を支える存在だった牧野がどうして麻奈が居なくなった後も星見プロに残り続けることになったのか。
いずれ本編に至る物語がこれからどう展開していくのか気になってしまうね -
Posted by ブクログ
第2巻のアニメエピソード相当分がダイジェスト気味だったから、この第3巻ではどこまでやるのかと思いきや、アニメ最終回相当分までやりきったよ……。その分、ページ数も凄いことになってるけど
アニメは麻奈と牧野の物語にアイドルの卵たちが関わってくるという構図であったように感じられたのだけど、本コミカライズはさくらと琴乃の物語に他のアイドルや麻奈や牧野の物語が絡みついてくるという構図であるように感じられたかな
コミカライズはアニメのストーリーをなぞりつつ省略されている部分は確かに多い。けれど、さくらと琴乃が自分達の立つステージや歌をどう感じているのか、そして互いの存在をどう捉えているのかという点はしっかり描いていたね
さくらと琴乃を中核として再構成されつつも深く関わってくるのは長瀬麻奈の存在。さくらの歌声は麻奈の再来と呼ばれ、琴乃は麻奈の妹として見られてしまう
そういった意味ではこの第3巻で描かれたのはそれぞれが麻奈の影を振り切って、オリジナルのアイドルとして独り立ちする物語だったのかもしれない
さくらの中には麻奈の心臓が有り、その御蔭で星見プロに入り人気を博す事になった。なら、そこから離れられないかというとそうではなく、さくらが自分の歌で歌おうとすれば麻奈が消えてしまいそうになったように、さくらには自分だけの歌声で歌える可能性はあったんだよね。ただ、これまでは心臓の示すまま純粋に歌っていたからそれに気づかなかっただけで
報道に拠って、そして牧野と麻奈の言葉によって改めて自分を構成している物が何で在るかをさくらは知った。それを知れれば始まるのはさくらだけの物語に成り得るんだよね
一度は自分は麻奈ではないと麻奈の歌を歌わないと決めた。その後に琴乃の願いに拠って麻奈の歌を歌った。それは心臓が示した想いではなく、間違いなくさくらが自分の意志で決めた歌だと言えるのだろうね
琴乃がアイドルになったのは酷いことを言ったまま今生の別れになってしまった姉の歌を歌うためだった。琴乃も琴乃でもう存在しない麻奈の影を追い続けていた。いわば麻奈が出来なかった事を代わりにやって罪滅ぼしをしたいとの想いか
そんな琴乃を変えたのは麻奈の歌声を持つさくらと琴乃とは別の方法で麻奈を追い続けた莉央の存在が有ったからだろうね
自分が歌わなければと考えていた麻奈の歌はさくらが歌ってくれた。また、莉央は麻奈に成り代わることだけが麻奈の存在を埋めることになるわけではないと教えてくれた
さくらと違って琴乃は麻奈と話せたわけではない。けれど、以前は言えなかった事を全部言えた上でステージに立てた。それは別の方法での「ごめんなさい」と言えるものだろうね
さくらと琴乃、それぞれの方法で行われる麻奈とのさよなら。その裏で行われる牧野と麻奈のさよなら
これはアニメほどに哀しい描写とされなかったけど、代わりに強調されていたのはさくらと琴乃という新しい世代のアイドルの登場かな。麻奈が去るのと並行して描かれるサニーピースと月のテンペストの優勝
麻奈は果たせなかった牧野をトップアイドルのマネージャーにするという夢。それを麻奈に強い因縁を持ちつつも麻奈にさよならしたさくらと琴乃が成し遂げるというのは、一つの物語の終わりとしてとても清々しいものだったね -
Posted by ブクログ
アニメの第一話で描かれた要素を2巻掛けてじっくり描いた本作。どういうオチになるのか判った上で読む事になっただけに、そのオチに辿り着くまでの物語をどう描くのかという点に焦点が当てられていたように思う
IDOLY PRIDEコンテンツの根底をなす物語となるだけに長瀬麻奈という少女が起こした奇跡がどのようなものになるのか注目して読んでいたのだけど、納得できる作品となっていたかな
星見まつりの伝説から始まるこの巻、あの伝説自体は偶然が重なったものだけど、一方でその偶然は麻奈がステージに立つ決断をしなければ導き出せなかったもの
いわば麻奈のステージへの執念が伝説の土台となった
土砂降りの雨の中だろうとファンを大事にして奇跡を起こした麻奈だから、自分の身体よりもステージを優先してしまう
そして彼女の傍にいる牧野も麻奈によって光の下に連れ出された存在だからアイドルとしての活動を支えることを優先してしまう
そういう背景を持つ二人はその心の内にどのような想いを抱いていようとアイドルとそのマネージャー以外にはなれないんだよね……
どれだけ我儘を言っても手を繋ぐことは出来ず、服の裾を握るしか出来なかった二人の姿からは何か大切な道を間違えてしまったのではないかと思えてしまったよ
そうして他の道を選べずアイドルとマネージャーにしかなれない二人だから、麻奈が過労で倒れたとしても結局は麻奈のアイドルとしてファンに会いに行きたい、一期一会の場を大切にしたいという想いが強くなり過ぎているから、それを阻むなんて出来ない。
長瀬麻奈はひたすらにアイドルの頂点に向かって邁進し続ける
そして遂に……
約束だけ残して今生の別れになってしまった牧野と麻奈
それが麻奈が幽霊として復活する事で再び動き出すのは以外な展開。
そうして再びアイドルの頂点を目指す道も始まるのだけど、麻奈は既に死んでいるからアイドルの頂点を目指す行為は牧野に託される。そして牧野は新たなアイドル達を決勝のステージに導くことになると……
牧野と麻奈の物語、本編へ繋がる物語
バッドエンドに近い形で終わりを迎えた本作だけど、IDOLY PRIDEの根底をなす物語としては充分過ぎるものだったのではないだろうか
本作の発売からそれほど日を置かずしてアプリゲームの配信もスタートする事から、アニメ放送から日をおいて再スタートを切ることになるIDOLY PRIDEコンテンツに火を付ける存在として申し分ない作品だったかな