モーリス・ドリュオンのレビュー一覧
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吉祥寺にある「みどりのゆび」という、そのままの名前の本屋さんでイチオシの本とし書棚に置かれていた本。購入して一読し、店主の気持ちを思うと胸が熱くなった。確かに訳が古く、子ども諸君に語りかけるような口ぶりはところどころある。しかし、この本のメッセージ、シンプルな「反戦」の思いは、それを超えて読者に語り継がれるかけがえのない思いだ。優れた子どもの本は大人の本より長く読み継がれるというが、いかに人生の真髄を掴んでいるかの証拠だろう。そういう意味で、訳者が最後に例として挙げていたように『星の王子さま』と同じようにこの本も読み継がれていくに違いない。挿絵も素晴らしく、たくさんの花を早速色鉛筆で塗って遊びたくなった。そして大砲から砲弾の代わりに薔薇の花が飛び出てきたら良いのにと、真剣に思った。
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ミルポワルという町に、みんなからチトと呼ばれる小さな男の子がいました。金色の髪はカールして、目は大きく青く、頬はつやつやとばら色でした。おとうさんもおかあさんも美しい人で、家は大きくピカピカです。おとうさん氏は大きな工場を持っていました。その工場で作る鉄砲や大砲を世界中に売っていたのです。
チトは、料理担当のアメリー、召使いのカルロス、庭師のムスターシュおじさん、工場監督のかみなりおじさんたちから色々なことを教わります。なかでもムスターシュさんとは特別な秘密を共有しています。
チトは、隠されていた種に触れたら芽を出させる「みどりのゆび」を持っていたのです。
ミルポワルの町を見て回ったチトは不思議に思います。どうして刑務所はこんなに寂しいの?どうして貧しい人たちはボロボロの家に住んでいるの?どうして病気の人は天井だけを見ているの?
生きるには「望み」が大切だとチトはおもいました。その人達を愛すれば希望を持てる?お花を咲かせたら?きれいになってきっといい気持ちになるよ。
チトが咲かせた花は、ミルポワルの人々の気持ちを変えていきます。
そのころおとうさんの工場は大忙しでした。
2つの国が戦争を始めたのです。
どうして戦争なんかするの?弾の代わりにお花を咲かせればいいのに。
チトは「みどりのゆび」を使って戦争をやめさせようとします。
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とても幸せな生まれの男の子が、みんなを幸せにします。ラストは少し切ないような。
言葉もお話も優しいのですが、名前やたとえに皮肉さが感じられます、さすがフランス人 笑。
この世は一つの面だけでは有りません。紳士のおとうさん氏は死の商人、厳しいかみなりさんはチトが困ったときは愛情で決断する、争いが起きた時好きな相手と味方をする相手は違う、規律とは人を縛るのではなく人を幸せにするもの…。
チト少年は、誰だったのでしょう? -
Posted by ブクログ
ネタバレ両親は美しく着飾り、武器を売ってピカピカの家に住む。戦争は嫌だけど、武器を売って儲けるから実際は否定しない。
子ども向けの作品だが、戦争が無くならない理由の一つがはっきり書かれている。しかも石油が欲しくて戦争を始めたなんて、1968年に原作が書かれた時から今の今まで何も変わらない。
武器に花が咲いて、本当に戦争が無くなればいいのに。
チトの正体は美しいけれど、私は母親なので、チトがいなくなってしまったことを思うと、とても切なくなる。子どもの時に読んだなら感想も変わるかもしれない。
Jacqueline Duhemeさんの描く挿絵が素敵。 -
Posted by ブクログ
よみうり子ども新聞の『本屋さんのお勧め100冊』に紹介してあったので読んでみました。
以前から、いくつかの小説の中に『緑の指』という表現があったので、気になっていたのもあります。
フランスの童話だそうです。読み始めると、古き良き童話の世界が広がります。今の小学生はどう感じるのかな?今どきの絵本にはない、哲学の香りのする、夢想的なストーリーというか。国は違うし雰囲気も違うけれど、ムーミンも同じように哲学の香りを漂わせた小学生向けの童話でしたよね。
無駄な大人的視点から言うと、チトはおそらく自閉症で文字を文字として認識しづらいのでしょう。『この子は他の子とは違うから、うちの学校では見れません』と町の有力者にはっきり物言う学校もすごいけど、そこで家庭教師つけて勉強させよう、とはならずに『仕事のできる大人になれればいいのだから、自然のことや社会のことを実地で学ばせよう』と即決したお父さんはとてつもなく男前。花のようにきれいでおとなしいお母さんは、なんだかふわふわして現実味がない。作者の生きた時代の貴族の女性の理想ってこんなんだったのかな。
最後は、ちょっと予想してたんと違う…って思ったけれど、それもフランスの童話ならでは、でしょうね。フランス映画のエンディングって、いまいちよくわからないもの。