アディーブ・コラームのレビュー一覧

  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アメリカのポートランドに住むダリウスはイラン人の母とアメリカ人の父を持つペルシャ系アメリカ人。高校2年生。小2の妹ラレーがいる。ペルシャ系とはいえ、ペルシャ語はあまり話せない。ラレーはその点、小さな頃から教えられていた為ペルシャ語で祖父母と会話できる。
    高校ではいじめを受けているが、親にはあまり話せずにいる。言えばガッカリさせてしまうから。
    ダリウスは13歳から鬱の薬を飲んでいる。父からの遺伝で、父も鬱病。建築事務所の共同経営者をしているが、ダリウスは数学が苦手で、跡継ぎにはなれないだろう。
    ダリウスは母や妹の事をとても大事にしている。しかし、父の事は素直に受け入れられない。父は跡継ぎにはなれ

    0
    2023年09月26日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。間違いなく2022年読んで良かった本の上位!
    登場人物の名前や、行事や料理名が最初は全然頭に入らなかったけれど、もう途中からは色とりどりのイランに行ってみたくてたまらなくなっていた。彼の今後に希望を見出せる終わり方もとても好き。続編も絶対に読みたい。

    ダリウスの抱える閉塞感、祖父の悲しみ、母の後悔、父の恐れ、親友の喪失体験…
    どれも愛だと感じた。

    特に、ダリウスのお母さんの強さに心打たれた。異国の地で、うつを患う夫と息子を支えながら、どれほどの苦労があったのだろう。19年も祖国イランに帰らずに。私は、日本とそれほど離れていないアジア圏で、日本人の夫と子どもたちと暮らし、子

    0
    2022年10月15日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    イランが舞台の話だか、出てくるのはゾロアスター教徒とバハーイー教徒。アザーンが響き渡る中で、街を眺める光景が、行ったことないけど目に浮かぶ。世界観に没入できた。

    ダリウスとお父さんとの関係。初めてできた親友ソフラーブとのやり取り。そして脳腫瘍を患い、死期の近い祖父との距離感。それらが全部、印象的だ。ソフラーブがとにかくいい奴なだけに、過酷な経験を強いられて、最後の方はかなり泣いてしまった。後半のお父さんの告白も。

    続編があるようなので、ソフラーブのその後が知りたいところ。

    0
    2022年07月01日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    高校2年のダリウスは、ポートランドにアメリカ人の父とイラン人の母と8歳の妹と暮らしていたが、ペルシア系という民族事情のために、学校ではいじめられることはあっても友だちはいなかった。7歳の時から始めたサッカーも、うつ病と薬のために12歳でやめてしまった。
    父親は建築家で、金髪碧眼の白人。ダリウスが、中学3年生のころには最適の抗うつ薬を探すためにたいへんな落ち込みを経験しなくてはならなかったし、今も薬のせいで肥満なのに対し、父親は、若いころからうつ病を患ってはいたものの、薬で完ぺきにコントロールできていた高機能超人なのだった。
    妹のラレーは、ペルシア系の顔立ちながら学校でも人気者で、ペルシア語も話

    0
    2022年02月01日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    米国人の父とイラン人の母を持つ、米国の高校生ダリウス。生まれも育ちもポートランドでイランに行ったことはないのに、学校ではイランの出自をからかわれ、「自分の国」のことを知った方がいい等々言われる。かといってペルシャ語も出来ず、イランの祖父母とスカイプで話すのはなんだか気まずい。父親には全てに失望されているように感じ、鬱の症状は薬でコントロールしている…

    文体は軽い感じで、そこまで深刻には感じられないのだが、ちょっとした一言に傷つき、過去の「ちょっとした掛け違い」の集積に段々押し潰されそうになっているダリウスの気持ちが痛いほど伝わってきて、鬱とはこんなに苦しいものなのかと感じる。幼い妹を愛し、祖

    0
    2021年02月20日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    タイトルからどんな話だろうと興味を持った。
    高校二年生のダリウスは、米国人の父とイラン人の母、可愛い妹とポートランドに住んでいるが、日常生活に生きづらさを感じている。
    脳腫瘍の祖父を見舞うためイランのヤズドを初めて訪れる。

    最初は読みづらかったが、テヘラン空港に着いたあたりから俄然面白くなり、税関官その2とのやりとりでは思わず笑ってしまった。

    行ったことのないイランに旅した心地がする。
    ヤズドの街を歩き、遺跡や建造物を眺めアザーンを聞く。祝いの行事で出されたお茶とお菓子の甘い香り、マモーが作った美味しいペルシア料理と優しいハグの温もりが、ダリウスの頑なな心を解きほぐしたのだと思う。

    ヤズ

    0
    2023年09月26日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    イラン人の母と白人の父を持つ16歳の少年ダリウスは、いじめを受けているうえに鬱病も抱え、とにかく生きづらい。
    祖父の病気を見舞うため、数か月イランに行くことになり、そこで親友ができたことをきっかけに人生の感じ方が少しずつ変わっていく。
    ダリウスの心情が丁寧に綴られている。美しいイランに行ってみたくなった。
    ウィリアム・モリス賞等受賞作。

    0
    2023年09月26日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    イラン人の母とアメリカ人の父を持つ高2のダリウスは顔つきの所為でちょっかいを出されたりするけどイランに行ったこともないしペルシャ語も喋れない。しかも遺伝で酷い鬱を持っている。しかしイランの祖父の体調不良で初めてのイラン旅に家族全員で向かうことになる。この旅が彼のアイデンティティを擽り、また無二の友達ができたり、かと思ったら酷い失意を味わったりとさまざまな体験をするのだが、読者はダリウスに共感したり共に失望したりしながらイラン旅を通して変わる彼に拍手したくなります♪
    たしかに生き辛いし息苦しい道のようですけど初めてのイラン旅が確実に少しだけダリウスを成長させ変えてくれました。
    作者も酷い鬱の体験

    0
    2022年03月01日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    とてもよかった。異文化体験が大きな核になっている、ユニークな物語。

    読んでいるあいだはずっと、鬱で薬物治療を受けているのに、母の故郷で家族と一緒だとはいえ、いきなり見ず知らずの土地にほうりこまれるのはきびしいなと思っていた。また、同じ病気を経験しているはずの父が、折に触れてずいぶん無神経なんじゃないか、とも。

    でもそれもダリウス(ダーリーウーシュ)の視点から描かれているからで、そのことが最後にちゃんと解きあかされるのがよかった。

    自分の考え方を変えてもっと前向きに、とか、周りを気にしないように、という具合に、セルフヘルプ的な解決法へ導くのじゃなく、そのまま受けとめてくれる人たちとの出会い

    0
    2021年07月27日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    鬱病との付き合い方、周りの人間との向き合い方。
    ソフラーブがいいヤツすぎて、こんな人間いるか?と思ってしまうが、主人公と彼の友情も爽やかで良かった。

    0
    2021年05月06日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    鬱で投薬治療をしており、いきづらさを感じるダリウス。アメリカで育ったダリウスが自身のルーツであるイランへはじめて行き、文化の違いなどにぶつかり、やはりいきづらさを感じながらも大切な友人を得る。

    0
    2021年11月26日
  • ダリウスは今日も生きづらい

    Posted by ブクログ

    鬱を抱えて生きる少年、父親も鬱を患っている。
    母親の古里イランへ、脳腫瘍の祖父を見舞い、友人ができて、少し微妙に変化していく。
    でも、スタートレックとか、若者文化に少し
    触れていないと、難解に感じる。

    0
    2021年03月27日