津島美知子のレビュー一覧

  • 回想の太宰治
    聡明な方による冷静な太宰分析。妻だからこそ語れる生活の風景などが詳細に語られていて、非常に面白かったです!文豪仲間からみる太宰治の姿と、妻からみた太宰治の姿はまた随分と違って見えるなと思いました。

    ─怖ろしいから与えるので、欲しがっているのがわかっているのに、与えないと仕返しが怖ろしい。これは他へ...続きを読む
  • 回想の太宰治
    妻・美知子さんが書く太宰のこと、生活のこと、故郷のこと。ポツリポツリと思い出し書きしている感じが目の前で話を聞いてるようで良かった。
    美知子さんは太宰の才能に心底惚れていたんだなぁ。
    夫を手伝うことに誇りを持っていたように思う。
    逡巡した題が"惜別"と決まるところ、美知子さんが"人間失格"の四文字を...続きを読む
  • 回想の太宰治
    端正かつ冷静な筆致で綴られる太宰の妻、美知子夫人のエッセイ。美知子夫人はお茶大を出て地理の教師をしていたくらいだし、非常に聡明な女性だと思う。太宰の盟友たちが書いた回想録はどこか太宰を甘やかしてるような印象があったのだが、さすが寝食を共にした妻。容赦がない。税金の話も細かく書いていてすごい。それでい...続きを読む
  • 回想の太宰治
    久々にめちゃくちゃ面白い本に出会いました。
    生活人としての太宰治がここに。
    本当にダメなどうしようもないへっぽこ!
    でも奥さんが本当に愛してたんだなということがよく伝わってくる。
    太宰に夢も見ず、彼よりも冷静で。
    でも、太宰を尊敬して、大切にしていた、美知子さん。

    あっぱれ素敵な女だ。

    伊藤緋沙...続きを読む
  • 回想の太宰治
    半分くらい、妻の愚痴。
    残り半分は、考証に値する分析。

    かなり主観的に書いてると思います。
    他の太宰本色々と照らし合わせると、そう思ってしまいます。

    でも、一番身近にいた妻の話ですし、こっちを信じるべきかなぁ・・・
    よくわからない。

    とかまぁでも太宰の理解のためには必須の本です。
  • 回想の太宰治
    太宰治の奥様、津島美知子さんの回想。
    10年間の短い夫婦だったけど、太宰を支え子育てをし才女だった事が伺える。
    生前の太宰の事は、詳しく記載されている。
    ただ、太宰没後の生活はどうだったのかが記されて無く残念だ。
    '13.01.25読書完了
  • 回想の太宰治
     太宰が死ぬ前の10年を配偶者として過ごした人の書いたものを集めた本。すごいどっしりとした感じの文章を書く人だなぁ、というのが一番の印象。夫が死のうが何だろうが、決して揺らがない盤石さと言うか冷静さというか。心中しちゃった山崎富江さんの日記もずいぶん前に読んだけれど、あの人はもっと、この先どうやって...続きを読む
  • 回想の太宰治
    又吉が言っていたように、「侘しい」のくだりはなんともいい。『黄金風景』『続富嶽百景』『女生徒』は夫人の口頭筆記。太宰は豆腐が好き。多分安いから。犬が嫌い。三鷹の家も空襲にあう。『お伽草子』は甲府に疎開中に書いていましたか。
  • 回想の太宰治
    太宰の奥さんが書いた回想記。太宰の様子が克明に記録されており、面白いです。太宰の作品を、理解する手助けになるでしょう。
    個人的には、死の直前の様子などがもう少し具体的に記載されていると、より興味深い感じがしました。
  • 回想の太宰治
    津島 美知子は太宰治の妻だ。破天荒な生き方をして、愛人と一緒に死んでしまった夫を妻の目で振り返った作品である。
  • 回想の太宰治
     太宰の正妻、美知子氏の回想録。破滅的であった男との十年にも満たない結婚生活。「彼は精神的近視であった」と。
     太宰の葬儀の場で、自分の実家の親戚が「お坊ちゃんはこれだからね」と小声で話していたというエピソードも。