津島美知子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
妻・美知子さんが書く太宰のこと、生活のこと、故郷のこと。ポツリポツリと思い出し書きしている感じが目の前で話を聞いてるようで良かった。
美知子さんは太宰の才能に心底惚れていたんだなぁ。
夫を手伝うことに誇りを持っていたように思う。
逡巡した題が"惜別"と決まるところ、美知子さんが"人間失格"の四文字を初めて目にするところは痺れた。
女っぽさを持ち合わせた太宰に対して彼女はとても男性的かと思う。文の端々にバッサリと太宰を斬るような表現があって面白かった。雪の中7キロも歩いたり(当時はそんなの大したことなかったのかもしれないけれど…でも太宰は呆れてたね笑)、 -
Posted by ブクログ
太宰が死ぬ前の10年を配偶者として過ごした人の書いたものを集めた本。すごいどっしりとした感じの文章を書く人だなぁ、というのが一番の印象。夫が死のうが何だろうが、決して揺らがない盤石さと言うか冷静さというか。心中しちゃった山崎富江さんの日記もずいぶん前に読んだけれど、あの人はもっと、この先どうやって生きていこうかって悩んでる感じだったのと対照的。
太宰が実家のことを自慢に思っていたこととか、終戦前後に一家で疎開している間のことを割と楽しんでいたらしいこととか(もっと肩身の狭い思いをしてたのかと思ってた)、太宰は人を待たせるのが嫌いで原稿を落としたことがなかったとか、意外な話も色々と。