梶龍雄のレビュー一覧

  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション1 龍神池の小さな死体

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    すごい、これは傑作だ!
    過去の出来事から最近の主人公の身の回りまでとにかくたくさん提示された情報や次々起こる事件が、ひとつの真相に収束していく解決パートがほんと気持ちよくて拍手したい気分です。
    パズルのピースが全部パチッと綺麗に嵌まったような読後感。これ長らく絶版だったのもったいなすぎる!

    さすがに文章が時代がかってるのと調査パートが結構長いのでぶっちゃけ序盤は少しだけダレたけど、終盤にむけて加速度的に面白くなっていったのでそこは全然個人的にマイナスポイントじゃないです!

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    2024年07月23日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション1 龍神池の小さな死体

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    トクマの特選!にて購入。名作と呼ばれているのでかなりハードルが上がった状態で読んだが、軽々と超えて華麗なポーズで着地してくれたまさに傑作ミステリ。44年前に刊行、作中では戦中から昭和40年代の日本社会が味わえるのも魅力。え、そこが繋がるの!?その要素重ねてくるの!?バレない自信よっぽどあるんだなぁ、と読んでる最中も楽しくて仕方なかった。きょうだい好きとしてはきょうだいの話なのも高ポイント。これしかないタイトルなんだけどこのタイトルの時点でどこか騙されている気もする、はじまりからおわりまで最高のミステリでした。文章もうつくしい。

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    2024年07月20日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション1 龍神池の小さな死体

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    20年以上前に疎開先で事故死した弟の真相を探るため、現地を訪れた主人公。何者かに襲撃され、新たな殺人も発生する。物語は予想もつかない方向へ大胆に飛躍するが、全ての謎が解決していく怒涛の最終章に圧倒される。おもしろかった!

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    2024年05月04日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション1 龍神池の小さな死体

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    ひぇ〜ฅ(๑⊙д⊙๑)ฅ
    久々に鳥肌たった⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝
    すげぇな伏線回収だぁー( ੭ ˙ω˙ )੭

    あらすじ

    「お前の弟は殺されたんだよ!」と言い残し
    息を引き取ったお母さん……どえらい遺言や‍‍www
    それを聞いた主人公の智一くん
    気が気じゃあなくなり
    弟くん秀二の死の真相を調べる事に
    そしてある事件に巻き込まれ絶体絶命のピンチ
    果たして事件を解決し弟くんの死の真相にたどり着けるのか!?

    今回で2作目になるカジタツ本
    「清里高原殺人別荘」も凄いおもしろかったが!
    今作もすげぇ〜面白かった〜

    弟くんの死の真相を調べている最中に
    あれよあれよと殺人事件に遭遇

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    2023年05月31日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    これはすごい!(≧∇≦)

    なんとなんと!!ただでは終わらない!
    このラストはクセになる。
    好きなタイプのやつです‎߹ㅁ‎߹)♡



    いやぁ〜、騙されたよっ(°д° )

    そうきたか!

    犯人当てのバトルをしていたので、めっちゃ悔しいです(╯‵□′)╯︵┻━┻ 笑

    でも騙されたい私としては、大満足のラスト♡(º﹃º )


    1988年の作品という事で、ゆっくり注意して読めばきっと犯人が当てられるようなミステリを予想しておりましたが…いいですねぇ…甘かったです。


    大学生5人が、清里にある別荘に忍び込みます。
    彼らの計画は順調に進んでいたのだが、別荘には見知らぬ先客が潜んでいました。

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    2023年03月26日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    初のカジタツ本
    Twitterでめっちゃ面白いと聞いていたので
    いざ読んだら……もう、もう……
    お、お、おもしろいッッッッ!!
    すげぇ〜や!!

    〜あらすじ〜

    冬、シーズンオフの別荘地・清里──〝内側から開かない窓〟を設えた奇妙な別荘に、五人の男女が忍び込んだ。彼らがある連絡を待って四日間潜むその隠れ家には、意外な先客が。密室での刺殺、毒殺、そして撲殺……相次ぐ死によって狂い始めた歯車。館に潜む殺人鬼の仕業か? 逆転に次ぐ逆転! 伏線の魔術師・カジタツが巧緻の限りを尽くした極上の「雪の山荘」ミステリ。待望の初文庫化


    ある理由で男女5人が別荘に訪れ……
    その理由もおどろかせますが……
    そこ

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    2023年03月26日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション1 龍神池の小さな死体

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    ネタバレ

    いや、これは凄い。傑作だ。 
    現在の事件のからくりに驚愕した後、過去とのつながりが明かされ、物語はさらなるカタストロフへ。戦時中の気配が残る寒村の雰囲気や、伏線回収、そして読者への挑戦状を思わせる一文まで飛び出し、これはもう徳間書店に感謝せざるをえない。


    ↓以下、トリックの記録含む感想
    まず、美緒が明かす赤髪連盟的真相。これがその後の智一の推理の土台になっていく。伏線は車を使うはずの花島先生が駅にいたこと、聞こえてきた電話での言葉など。ひき逃げの犯人が花島先生で、とすれば目撃者となっていてもおかしくはない都会風の男に脅されていたというのが巧い。

    そして、現在の事件での一番の驚きは、やはり

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    2022年05月17日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    ネタバレ

    もう40年近く前の作品だが、私は知らない作家さんの知らない作品だった。

    なんだかやけに老けた大学生のグループが、雪山の山荘に閉じ込められる、いや閉じこもるクローズドサークル物だが、王道を行っているように見せかけてとんでもない変化球が飛んでくる。

    もっとも物語は冒頭から違和感を持って進み、なんだかすっきりしない展開で、「なんでそうなるの」の感が拭えないまま終盤に入っていく。

    驚愕が訪れるのは最後の1/4のいわゆる解決編に入ってから。いやー驚きました。違和感のもとであった部分も見事に回収されます。

    事件を起こしたこの大学生は、生きていればほぼ私と同世代になるのだが、もう少し当時の若者にマッ

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    2025年09月06日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    トクマ特選!で購入。龍神池がかなりおもしろかったためこちらも期待していたが、なるほどそっちか!と驚きと騙された喜びを与えてくれるミステリでした。最終的に男と女の(謎のこだわりである"年下男"と"年上女")嵐のような執着に行き着くところもおもしろかった。

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    2024年07月20日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション1 龍神池の小さな死体

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    この医者めちゃくちゃ怪しいな…というあからさまなところには気付いても、この人とあの人が繋がっていたことは予測できなかったので大分驚いた。その上、結局二人は相入れないまま終わり、肝心の母の想いもはっきり解き明かされなかったので、随分と無情な話と思わずにいられなかった。トリックは割とシンプルだからこそ動機の複雑さが際立って、なんとも言えない読後感だった。

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    2024年01月19日
  • 梶龍雄 青春迷路ミステリコレクション2 若きウェルテルの怪死

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    旧制高校もの第二作。今回は三高(仙台)が舞台。
    白樺派が大好きな文学青年が主人公だけあって、随所に武者小路実篤に佐藤春夫や萩原朔太郎の詩を引用したり、章タイトルに文学ネタを持ってくるあたり、くすぐりがきいてて良いですね。
    さらに昭和9年~10年頃舞台ということで、学生寮のバンカラな風潮(ストーム)とそれと対立するインテリゲンチア、マルクス主義、反戦同盟など、特高警察まで交えての当時の10代の若者の胸中と時局の絡みがとても私好み。
    事件の関係者それぞれの供述の食い違いや行動の違和感が見事に最後で畳まれる様も鮮やかでした。

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    2024年01月10日
  • 梶龍雄 青春迷路ミステリコレクション1 リア王密室に死す〈新装版〉

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    戦後の京都を舞台に、三高最期の学生達が経験した密室殺人と焼かれたノートの謎。
    二部仕立ての構成は、青春モノというより過ぎ去った過去へのノスタルジーに溢れた懐古モノといったテイストだが、とにかく無駄のない物語と伏線の巧みさでとても面白かった。

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    2023年10月29日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション3 葉山宝石館の惨劇

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    宝石館でおこる連続殺人。
    芳樹くんという宝石館の近くに住むクリスチャンの頭の良い子の日記が挟まるのだがそのせいもあるのか何だか余計に混乱してくる。
    頑張ってる刑事、素人名探偵、いかにも怪しい犯人など
    読みやすくて面白い。シリーズものじゃないちょっとだけシリアスな2時間サスペンスをみてる気分になった。
    驚愕ミステリシリーズのカジタツもので個人的には竜神池や清里高原より読みやすいし面白かった。。
    今回もカバーイラストが素敵。

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    2023年09月26日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    ネタバレ

    初の梶龍雄。「トクマの特選!」で話題になっていたので購入。復刊されるまで名前も知らなかったが、あらすじを読む限り面白そうな作品が多い。

    雪の別荘を訪れた5人の大学生と、たまたま居合わせた妖艶な女性。
    一人また一人と減っていく。所謂、雪の山荘ものだが、物理的ではなく心理的なクローズドサークル。出ようと思えば出ていけるのだが、どうやら大学生たちには大きな秘密があるらしく、何かを待っている様子で。。。

    意外な真相でかなりびっくり。ある一点にかけた、たまーに見かける大掛かりな仕掛け。しかし似たような作品はあれど、ここまで綺麗に、どんでん返す作品は初めて。

    文体というか、表現などがかなり時代を感じ

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    2023年08月19日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    いろいろと想定外の決着だったので、大分びっくりした。銀行強盗がそんな急カーブを決めるのか!?とも驚いたし、最終的な死体の数もなかなか容赦が無くて、すごくいいミステリだと感心せずにはいられなかった。あれこれ引っ掻き回したものの、それも含めて秋江嬢のキャラクター性が面白かったので、余韻の残る最後の締めも良かったと思う。

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    2023年08月14日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    ネタバレ

    正直途中までは、少し設定というか古い感じで少し違和感があり読みにくいな、という印象だったが、途中からは一気読み。展開がとても良かった。だからこそ、最後の選択が……そっちかァ……っていう。でもここまでの経緯とかがきちんと描かれているから、その選択を選んでも不思議では無いことも分かる。
    良作だが、やはり主人公にはその道を選んで欲しくなかったかなぁと言うのと、呉は死ななければならなかったのか……?ということも込めて☆4で。

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    2023年06月04日
  • 梶龍雄 青春迷路ミステリコレクション1 リア王密室に死す〈新装版〉

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    戦後直後、旧制三高生の木津武志は、同居する伊場富三(リア王)の怪死に直面する。アリバイが弱く鍵を持つ武志は疑われるが、三高の仲間達と真相を目指す。
    龍神池〜で期待していたカジタツはやはりすごかった。後半の想定外の展開に心地よく翻弄されました。

    カラバンやバールトなど癖が強いあだ名に辟易しつつ、郷愁を強く感じるラストは自分がアラフィフだから?
    三高生達を活き活きと描きつつ、それらが事件の主要要素として無理なく無駄なく配置されているのはさすが。青春小説でもあります。

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    2023年05月05日
  • 梶龍雄 青春迷路ミステリコレクション2 若きウェルテルの怪死

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    ネタバレ

    ● 感想
     解説に「外連味はないものの」とあったのもプラスで、真相にそこまで意外性はなかったものの、よいミステリだった。意外な犯人への期待値が低かったので、大平の妻が真犯人という、それほど意外性のない犯人でも期待外れ感はなく、むしろ伏線の多さなどを冷静に判断することができた。
     堀分の死が自殺とは思えない。その死の真相は?という謎から始まるが、この真相そのものは、特異体質が原因で、眠らせようとしたというもの。
     このミステリの構成として、大平の妻が研究所設立に大平が費やした財産を取り戻そうとする犯罪と、大平がTHDのメンバーであり、また北原郁子の父であったことから、THDと北原親子にも財産を残

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    2024年09月08日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    ネタバレ

     プロローグは三沢義信の視点から始まり、物語の舞台となる別荘の建物が、かつて思いを寄せていた叔母からもらったクリスマスカードに似ていることに気付くシーンが描かれている。この部分は物語のラストで義信と秋江が結びつき逃走するシーンにつながる伏線となっており、こうした伏線の多さが梶龍雄のミステリの特徴である。
     物語の冒頭部分では状況の説明がなく、読者を置いてけぼりにする。義信のほか、勝浦、瀬戸、高森、呉、沢木、川光といった人物が登場するが、彼らの関係性や清里の別荘に来ている理由が不明である。
     詳細な説明はないが、勝浦、瀬戸、高森、呉、義信の5人が沢木というリーダーの指示のもと、何らかの犯罪を犯し

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    2023年04月09日
  • 梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘

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    ネタバレ

    閉ざされた別荘内で不可解な死が続くというのが基本のプロットだが、解説にもあるとおり、今で言うクローズドサークルと言うより、昔のアクション映画によくあった籠城物のイメージに近い。メインの大ネタが、同工異曲の作品が後に多く書かれたせいで、今の読者をあまり驚かせはしないだろうことが残念ですね。正直見え見えかも知れない。帯にまで真相を暗示する惹句が書かれてるくらいで、あまりフーダニットの感じはしない。ひねくれた読み方だが、この人物にどうやって犯行が可能だったかという、ハウダニットとして読めばいいのかも知れません。

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    2023年02月17日