昔ピーバップハイヒール見て気になってた本。もう9年前だがなかなか良い本だった。
以下ポイント
第1章
相続の基礎知識を得て争族の火種を消しなさい
・遺言は書面(遺言書)でのみ有効
・知識不足で損をしても、誰も救ってくれない
・相続人には順番がある
・孫による代襲相続は子供と同じ順位
・分配率は被相続人との近さで変わる
・相続トラブルのきっかけは「特別受益」「寄与分」「遺産の使い込み」
・特別受益のポイント
・特別受益について子どもに話し、証拠化しておく
・紛争に発展しないように遺言書で伝える
・子どもの方も聞き取り調査・証拠化しておく
・寄与分のポイント
・まあ、もめる
・「貢献」について感謝と尊敬がなければ泥沼の争いに
・「貢献度」についてきょうだい間で共通認識を持っておく
・「遺産の使い込み」のポイント
・驚くほど多い
・ほかの相続人の遺産の使い込みを防ぐには、自分で通帳をチェックするか成年後見制度の利用を
・相続問題の4つのタイムリミット
・相続放棄、相続税納付、遺留分減殺請求、相続回復請求
・相続問題は時間が過ぎてしまうと、解決方法が減ってしまったり、不利益を受けたりすることも
・遺留分は遺言書より強い
・遺留分は主張しないと受け取れない
・遺留分の割合は、相続人が誰かによって変わる
・遺留分が主張できるのは配偶者、直系尊属、直系卑属で、「被相続人のきょうだい」は遺留分を主張することはできない
・遺留分を請求するには1年の期限がある
・相続の話を親とするときには、子どもの立場ではなく親の立場で考える
第2章
遺言書で失敗したくなければメンテナンスをしなさい
・口頭の遺言は無効。むしろ言わないほうがいい
・愛があるなら、遺言書に
・言われた側は遺言書がないなら期待しないで
・遺言書があれば万事OKではない
・遺言書の偽造は簡単にでき、悪用例も多いので要注意
・暴力で脅したり、認知症を利用して、遺言書を書かせる不届き者もいる
・遺言の偽装、悪用は意外に簡単。対策を立てないと痛い目に合うことも
・遺言書の悪用防止は、"争族"回避の大前提。遺言書のメンテナンスを定期的に行うか、成年後見制度を利用するのが安心
・思いを伝えるなら自筆証書遺言がいい。財産分けのみを書くのであれば公正証書遺言を。筆者オススメは自筆。いつでも作成出来るし、「子供に伝える感謝とこれからのメッセージ」を伝えやすい
・エンディングノートは気軽な終活ツールで実用性も高い。しかし、遺言書の代わりになるものではないから、2つをうまく使い分けて
・遺言書には財産の事だけを書いてはいけない。あなたの思いを伝えて
第3章
相続貧乏になりたくなければ節税と贈与の落とし穴に気づきなさい
・相続税だけが相続問題ではない。問題は「遺産分けでトラブルにならないか」だ
・遺産に現金が少ない場合は「相続貧乏予備軍」
・実際には「相続」ではない生命保険金でも相続税を納めなければいけないことも
・相続税が発生するかどうかはすぐに計算しておく。今の財産のままなら相続税が発生しない場合でも、「いくら増えたら相続税が発生するか」を把握しておくこと
・「贈与」はあなたの財産のうち、特定のものだけ誰かにあげること。「相続」はあなたの財産すべてを誰かに引き継いでもらうこと
・「贈与」は節税の王様。ただし、使い方には要注意
・贈与を安易にスタートすると、「贈与」が"憎悪"になり、"争族"開始のきっかけに
・子供以外へ贈与するメリットもあり
・「上場株の贈与」は「贈与」の上級者編。節税だけでなく"争族"の目を摘むことも
・お墓や仏壇の購入は節税効果がある。今後のより良い生き方を考えるきっかけにも
・「実家」は金額の大きな遺産。対策を立てておかなければ、巨額の相続税を支払う必要が出てくるかも
・ニ相続まで含めたトラブル、節税対策を
第4章
「相続の救世主」生命保険の受取人や加入を検討しなさい
・もしもの時を考え、生命保険の使い道を考える
・生命保険を慎重に、かつ正しく利用して相続問題対策を
・生命保険では本人の目的に合わせた受取人設定を
・家族以外の「特別な人」への気持ちを示すためには、きちんとした準備が必須
・「生命保険信託」をうまく活用すれば、かなりわがままな条件の相続も可能になる
・めぼしい相続財産が実家だけの場合、代償金に充てるために生命保険の活用を
第5章
相続のやっかい物、不動産の価格と利用法を確かめなさい
・不動産神話に騙されない
・遺言書がない場合、不動産に関しては遺産分割協議と言う方法も
・相続税を計算するには時価(実勢価格)とは別の「特別な価格」が存在する
・不動産を相続で分けるときには「時価」で評価。そのために揉めることも
・収益物件の運営の対策を取っておかなければ、せっかくの親心が無意味になることも。「信託制度」というのもある。管理会社を入れるが楽ではある。相続人は事前に不動産賃貸業の勉強が必要
・会社の自社ビルの建っている土地の名義によって、相続対策が変わってくる
・中小企業の後継者を決めておきたいのなら、遺言書だけではダメ。経済産業局や家庭裁判所の手続きを
第6章
相続放棄をしたいなら親の借金を調べなさい
・相続したくなければ「相続放棄手続き」を。ただし、3ヶ月以内に手続きを行わなければならない
・相続放棄で安心してはいけない。プラスの財産に手をつけないように
・相続放棄する際には、関係者にも声をかけてあげて
・借金が後で発覚した場合にも相続放棄できる場合がある
・保証人の書き出しは親の義務
・相続放棄でマイナスの財産を消し、生命保険でプラスの財産を残すこともできる
・生命保険は相続の対象外である
第7章
「専門家」に騙されたくなければ、彼らのキャッシュポイントを見抜きなさい
・相続専門家にはそれぞれの「キャッシュポイント」があることをお忘れなく
・相続対策としての「不動産取得」は、その後の「不動産賃貸業」の大変さも考慮して慎重に
一括借り上げと言っても全ての支出をカバーできるほどの収入が保証されているわけではない。デメリットについて誠意を持って説明できる営業マンでなければ信用してはいけません
・生命保険は税法では、相続税対象となるが、民法では遺産とは認められないため、遺産分割の対象にならない
・不動産は税法では評価額で計算だが、民法では遺産分割では時価で計算
・各専門家は、他の専門分野に精通しているとは限らない
・遺言信託はお勧めできない。信託銀行に任せるときは冷静に業務内容をチェックして
・遺品の横領の犯人は外にも中にもいる。あなた自身も疑われないように要注意。「現場の作業員任せ」の遺品整理業者は選択肢から外す。管理者が立ち会うとか、監視がある所が良い
・あなたの重要な相続問題は「チーム対応」できる相談先に。「相続問題専門チーム」を探すのがオススメ(税理士、弁護士、FP)
税理士に協力してくれる弁護士やFPを聞くのもあり
・相続について解決しなければならないのは
1. 紛争にならない分割方法の策定
2. 残される家族ができるだけ安心して生活できる将来設計
3. 1.2.を正確に残すための対策
4. 節税対策
5. 二次相続対策(父親が亡くなって相続が発生したあと〈一次相続〉、母親も亡くなってさらに相続が発生するケース)
第8章
相続で揉めたくなければ、妻、夫、孫、影の薄い人に注意しなさい
・相続問題は、結局「人間関係の問題」
・相続問題は子供の妻や夫、孫抜きには考えられない
・相続でトラブルを起こすのは相続人以外。妻・夫、周囲の友達が抱きつける
・いつもおとなしく従ってきた人が、相続の時も黙って従うと本当に思いますか
・遺産を相続させたくない人がいる場合には、推定相続人排除の手続き用意を。ただしその人に子供がいれば代襲相続になる
・「仲が良いから大丈夫」は離れて暮らすきょうだいの間では幻想かも
・「自分の知らないきょうだいはいない」と本当に断言できますか?
・あなたはきょうだいと連絡が取れますか?あなたの知っている電話番号に今すぐ連絡してみてください。
・子供がいない夫婦は、必ず2人とも遺言書を作成しておくべき。遺言書はそれぞれ別々に作成。
・介護1人に任せるのは"争族"問題発生の危険性大