田原健太朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
疫学的観点から新型コロナウイルスの特性、この拡大がもたらす困難性を整理し、収束シナリオ、及びそれに紐づく複数の打ち手を提唱した一冊。疫学的観点から収束にかかる年数などを論理的に算出しているため、机上の空論にならず、極めてクリアにシナリオが提示されている。
もちろん、実態はより複雑性が高く、複数シナリオの間をつく形で表出する可能性が高いと言えるが、(少なくとも国民に提示する)基本的な方針としては十分かつ適切ではないかと感じた。どの数字を根拠にしているのか、何を目的に緊急事態宣言を繰り返しているのか、など、不透明な部分が多い我が国の方針を受け入れるだけでなく、自身で収束シナリオ、構造を捉え、それに -
Posted by ブクログ
筆者2人は、アーサー・ディ・リトル(ADL)のコンサルタント。いずれも技術系の学部出身。
本書の発行は、2020年11月9日。本書の中で用いられている事実データは、おおよそ、今年の8月頃までのものであり、少し古いことに留意は必要であるが、私がこれまで読んだ新型コロナ感染症関連の本の中では、最も網羅的・科学的。
いくつかの論点から議論がなされているが、重要な論点として取り上げられているのは、1)感染症の収束がいつ頃どのような形で達成され得るのか、というものと、2)感染症の経済への影響。
私自身は、ここで論じられていることへの納得感が強かった。
1) 感染症収束
感染症の収束に関しては、本書が