濵田研吾のレビュー一覧

  • 俳優と戦争と活字と

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    あまり顧みられない歴史の片鱗にスポットあてた、興味深い書である。戦争体験を持つ「昭和の名優」たちがどのように戦争を語り、向き合ったのか。入手困難な雑誌や絶版本を資料として編まれた本書は、ある種のオーラル・ヒストリーといえる。

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    2024年01月08日
  • 俳優たちのテレビドラマ創世記

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    「俳優たちのテレビドラマ創世記」という題名ですがこの記録の幹になるのは嶋田親一という出来たばかりのフジテレビの局員でありディレクター、その後プロデューサーになり、のちに制作会社の社長にもなったザ・テレビマンの人生です。彼のドラマに出演した俳優たちが生い茂る葉として次々現れるので「俳優たちの…」という題名になったものと思われます。去年亡くなった山田太一、また倉本聰のような誰もが知る脚本家や、また後に作家になる久世光彦、テレビマンユニオンを作った今野勉のような知る人ぞ知る人でもなく、本書で初めて知った人物ですが、その仕事人生は生まれたてのテレビドラマの記録として貴重なものでした。「私は貝になりたい

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    2024年11月23日
  • 俳優と戦争と活字と

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    あの俳優たちの戦争とは?鶴田浩二、伊藤雄之助、加東大介、佐野周二、片岡千恵蔵、芦田伸介、西村晃、山田五十鈴…。昭和の映画・舞台・テレビで活躍したスター、名優たち。その華やかな姿の裏に隠された戦争体験とは?中国大陸での戦闘、特攻隊、慰問団、疎開、引揚げ、シベリア抑留などを、書籍や雑誌インタビュー記事など活字で残された資料をもとに描きだす。

    脇役本も楽しめたが、昭和の俳優たちの戦争体験をこの一冊で知ることができた。抑制が効いた引用がよかった。

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    2020年10月08日
  • 俳優と戦争と活字と

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     スクリーンやテレビで活躍を見ていた俳優たち、彼ら彼女たちは、あの戦争を経験していた。戦禍に倒れた人たちもいたが、くぐり抜けた人たちの文章や肉声が書籍、雑誌、インタビュー記事などに残されていた。本書は、そんな俳優たちの戦争体験を、正に資料をもって語らせたものである。

     比較的良く知っている俳優から、名前も知らなかった人まで様々だが、著者のペンを通して、印象が少しずつ出来上がっていく。

     広島の原爆に倒れた桜隊、丸山定夫の章は、舞台やノンフィクション作品に取り上げられているので予備知識はあったが、録画等されない限り舞台は人の記憶にしか残らないので、本当に痛ましい。

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    2020年11月30日