朝日新聞「父親のモヤモヤ」取材班のレビュー一覧
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タイトルからは「夫の愚痴本」に思えるが、夫、妻の両方の立場や、様々なケース、問題を網羅した本。
例えば「単に自分の子どもの育児をしてるだけなのにイクメン呼ばわり」されることについて、夫、妻ともモヤモヤを抱えていることなどが紹介されている。
また、夫が積極的に育児をしていても「実はしんどい」という事実、夫の育休取得率の少なさは「育児からの逃避の裏返し」という指摘、男性の育児参加のイメージすらつかない経営者・人事・上司の存在、職場での育児パパのロールモデルの有無など、問題は多岐に渡る。
男性の育児休暇取得率は本書刊行時点で7%台だか、うち半分以上は2週間以内しか育休をとっめいない。
一方で妻 -
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幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである。
というのはアンナカレーニナの書き出しだが、子育てもまさに同じ、ということを教えてくれる本。
幸いなことに自分の会社では、本書に書かれていたように育休を取ったら会社にチクリと言われたということは無かったものな、逆に育休さえ取らせれば会社的には問題ないという雰囲気も否めず、やはりこなあたりはまだまだ途上なのだと思う。
(結局は会社の生産性向上であったり不要な業務の見直しといった論点とセットで議論しなければならない問題なのかもしれない)
本書では様々な家庭のケースが紹介されており、まさ -
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仕事と子育ての両立にあたって、そもそも悩みを相談しにくい、悩みであると自認しづらい、という抑圧状況を上手く描写した良書。すごく共感した。
こういった類の本はえてして、妻が理不尽なことばかり言う、とか、夫は育児や家事を何ひとつ理解していない、とか、悪口大会になりやすい印象だが、この本は違う。まず、男性としてこんな風に悩んでいることを表出していいのか、という戸惑いから始まっており、男性の内省的な視点をきちんと描いているのが好印象であった。また、女性の視点も随所で取り上げられており、バランスが良い。「こういう辛さ、わかるわあ」と思わせてくれる一方で、男社会が女性を抑圧してきた事実も提示するのを忘 -
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「イクメン」ブームから10年が経ち、父親が抱える子育てに関わる「モヤモヤ」を見える化した点で、この本には大きな価値があります。そこにはその「モヤモヤ」を解決してくれるような、スッキリとした話は出てきません。さまざまな立場の父親の「モヤモヤ」=子育ての本音が素直に綴られており、それらに対して識者の見解や提言がまとめられています。それらを読んで心から共感する人もいれば、逆に「モヤモヤ」する人もいるでしょう。どのような感想を持つにしても、今の社会、特に仕事の在り方やジェンダーと子育ての現実とが不調和であり、それを何とかしないと子育てがしやすい理想的な社会はやってこないことは明白でしょう。「モヤモヤ」
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【293冊目】実感に根ざした、という意味では今年イチの本かもしれない。
結論を出すと言うよりは、まずモヤモヤがあることを認めて、その中身を言語化しようよという本。
じゃあモヤモヤって何かというと、以下のような感じだろうか。
◯育休は制度としてあるのに、会社の風土が取得を許さない。
◯社会が子育てする父親を奇異なものとしてとらえ、時に子連れで歩く父親を誘拐犯として通報したりする。
◯家事・育児をしても妻に感謝されない。
◯子育てが大事だとは理解しているが、正直仕事をしている方が楽なので育児参加したくない。
◯母親のコミュニティと比べ、父親のコミュニティが圧倒的に少ない。
◯子育て参加すると父 -
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子育てに関わる父親のモヤモヤに関する本です。
子育てに関わるお父さん方は、まじめな人ほど、苦労しているのだろうな、と思いました。
たとえば、育休の取得を検討する際には、仕事も育児もとても大切に考えているようですし。
自分自身は、下の子が産まれたときに育休を取りました。
勤めている会社に制度として存在していたことも、取得した理由として大きいのですが、何より育休に興味があったのが最大の理由で、そういう意味では、まったくもってダメリーマンです。
ちなみに、育休を取得するタイミングと、昇格試験を受けるタイミングがかなり近かったこともあってか、当時の担当者には、「育休の取得は、昇格に不利になる可能性