タイトルからは「夫の愚痴本」に思えるが、夫、妻の両方の立場や、様々なケース、問題を網羅した本。
例えば「単に自分の子どもの育児をしてるだけなのにイクメン呼ばわり」されることについて、夫、妻ともモヤモヤを抱えていることなどが紹介されている。
また、夫が積極的に育児をしていても「実はしんどい」という
...続きを読む事実、夫の育休取得率の少なさは「育児からの逃避の裏返し」という指摘、男性の育児参加のイメージすらつかない経営者・人事・上司の存在、職場での育児パパのロールモデルの有無など、問題は多岐に渡る。
男性の育児休暇取得率は本書刊行時点で7%台だか、うち半分以上は2週間以内しか育休をとっめいない。
一方で妻の半数以上は夫の育休取得を望んでいないという事実もある。
育休をとっても妻が満足できる育児ができなければ「とるだけ育休」と呼ばれ、しかも職場での居心地も悪くなる。
しかし出産や育児によりキャリア形成が影響を受けるのは、これまでの女性の体験を追っているだけもも言える。
しかしながら、未だに「稼ぎ頭」「大黒柱」としての役割も求められる。
一方で「女性は家庭」という考え方も根強いし、PTAも母親ばかりである。
母親が子どもの事情で仕事を休むのと同じようには、父親はなぜか休めない。
そういった状況のなかで、積極的に多くの時間を育児に費やす夫(父親)はレアな存在であり、ゆえに孤独なため、必要なのは「パパ友」の繋がりだ、といったところが本書のとりあえずの落としどころになっている。