カール・B・フレイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まさに「自動化」の渦中にある現代テクノロジーにおいて「人々の仕事は機械に奪われてしまうのか?」「社会経済は、人々は、どうなってしまうのか?」という大問に、真正面から対峙した重厚な一冊。
古くは先史時代から技術革新の歴史を顧みながら、特に近代以降の大変革ーーイギリス産業革命並びに第二次産業革命ーーを敷衍し、これらがいかにして起こり、特に労働者に対してどのような影響を与えたのかについて考察を重ねていく。またこれらの決定因子として、2つの労働の型ーー「労働置換型」と「労働補完型」ーーを提示し、補助線とすることで、難題を柔らかく解きほぐしていく。
著者曰く、特にブルーカラーで起きている自動化はまさに -
Posted by ブクログ
◯ 政治的支配力をすでに握っている者にとって、ほとんどの場合、創造的破壊という不安定化プロセスには何の利益もない。(48p)
◯ 短期の問題には政府が慎重に対処すべきだ。イギリスの産業革命を生きた多くの人々にとって、短期とは一生を意味した。(524p)
◯ 自動化がまだきわめて困難な対人サービス業は多岐にわたる。そうした仕事は、お金に余裕のある人が多い高スキル労働者の集まる都市で創出されると考えるのが自然だ。(543p)
★技術の進歩は万人にとって良いことであり、ラッダイト運動は誤解に基づいた間違った行為というふうに思い込んでいた。しかし、進歩の恩恵に与れない人々にとっては、当然に合理的 -
Posted by ブクログ
具体の話が少し頭に入ってきにくい感じがあったので、機会があれば再読を頑張りたい。
第一次産業革命では、ラッダイトと呼ばれる機械を壊して抵抗する労働者が現れたりして、イノベーションに対するアレルギー反応ようなものがでたりするが、最終的には全ての人に技術革新の恩恵が行き渡ることもあり、受け入れられてきた。
ただ労働置換技術によって仕事を失ってしまった人たちが、恩恵を受けずに人生を終えてしまうようなことが第二次産業革命の際にも起きており、政治経済の面からのフォローが必要である。
自分個人としては、イノベーションにいち早く適応し、自身のスキルとして使っていかなければ、ならないと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても分厚く読み応えがある
過去のイギリスとアメリカの産業革命からテクノロジーが人々の生活にどのような影響をもたらしたかを分析し、今のAIによる自動化の影響を考察している
初めて自動化してもそれによるダメージの大きさを知った。昔のイギリスでは産業革命が起こっても人々の賃金レベルは変わらず、上位の人々だけ恩恵を被ったこと、アメリカでは対して労働補完型のテクノロジーという受け入れ方のため、受け入れられ、生活レベルの向上をすぐに促したことがかかれている。しかし現在のコンピューターの出現により、高卒などの賃金は下がっており、格差がどんどん広がっていることを知った。
そのため、一概にAIによる自動 -
Posted by ブクログ
AIに代表されるテクノロジーは生産性の向上により人間を不要な労働から救う救世主なのか、それとも低付加価値の労働者の仕事を奪うことで失業率を押し上げる悪魔なのか。論争が尽きぬこの議論に対して、主に産業革命以降のテクノロジーの歴史を紐解くアプローチを取ったのが本書である。
本書では、産業革命以降、労働生産性を向上させたテクノロジーを2つに分解する。1つは”労働補完型”であり、こちらは労働者を存在とするがその労働をより簡易にできるようにし、労働者自身の安全性向上というメリットももたらす。もう1つは”労働置換型”であり、こちらは労働自体をテクノロジーが自動化することで不要としてしまうタイプであり、産