2020年1月23日から4月8日まで封鎖された武漢で暮らしていた女性が書いた日記です。
3月1日までで、突然(未完)の文字とともに終了してしまったので、何かあったのかとびっくりしましたが、現在も彼女は元気です。
ある日突然町が封鎖されます。
ロックダウンを行わなかった日本ですら、外出自粛で家の中に
...続きを読む閉じ込められてしまったわけですから、町が封鎖ってどういう事だろうと思ったら、「なるべく外出を控えるように」とは言われますが、最初の頃は自由に外出できたようです。
家に閉じこもっていても気が滅入るだけなので、著者はなるべく外に出るようにします。
社会とつながること。
自分ができることは何かと考えること。
そのために彼女は外に出て何人もの清掃作業員の人たちに、生活の様子や仕事について(社会保険の有無や、マスクなどの支給について)を尋ねます。
そして、知りえたこと、考えたことを日記に書いてネットにアップします。
”ロックダウンによって時間と空間が静止したが、情感と情緒は拡大した。”
いつまで閉じこもっていなければならないのか。
食べ物や日用品が足りなくなったらどうしたらいいのか。
”このウイルスが蔓延する中では、心を寄せなければならない人はとりわけ多く、多くの人が具体的な説明を必要とし、治療を受けられずに亡くなった人も数多くいます。私は生きている、そう思うだけで強い後ろめたさを感じます。”
人間は社会的な動物だから、一人で孤立するのはとてもつらいことです。
彼女は毎日友人たちとビデオチャットで話をしました。
また、日記に寄せられるメッセージにも心を支えられたようです。
同じ時代、同じ災害を、違う国ではどう対処していたのか。
もちろん彼女が武漢の代表者ではありませんし、平均値でもありませんが、それでも読んでみることに価値はあったと思います。