神谷悠一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現時点で語れる法的根拠やよくある「勘違い」パターンをぎゅっと濃縮し、かつ分かりやすくまとめた良書。当事者視点から見ても丁寧で大袈裟ではなく、きっちりまとめ上げられていることに好感が持てる。
LGBTがテーマになっている本がたまに陥るモヤりポイントとして「LGBTのことしかテーマに挙げない」というのがあるけれど、この本ではそこだけではなく、もっと他に困る人もいますよね、おんなじですよ、とちゃんと書いているのが良いと思った。
LGBTがそれぞれどういうものかとか、どういったことに気をつければいいかとかももちろん大事だけれど、「こういう発言をしたら/行動をしたら相手はどう思うか」という代入行為が -
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Posted by ブクログ
全体的に読みやすさ、わかりやすさが素晴らしいです。
実際の誤解を解いてくスタイルは、こうした姿勢をとってきたひとびとへ気づきを与えることは間違いないし、他人事ではないのだと説得する威力もあると思います。
ただ全体的に優しい表現が多く、もう強調してもよさそうだなと感じる部分もありました。
(トーンポリシングといった問題もあるのでしょうが……)
>どんな言葉を使うかで悩むよりも、相手を尊重し、もし間違った言葉を使ってしまったら指摘してもらい、謝ることができる。そういった関係であれば、問題にはなりにくいはずです。
>セクシャリティマイノリティを「特別」なものや「腫れ物」として捉えるので -
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Posted by ブクログ
人権研修の感想などで、差別について「思いやりが大事」という心の問題として捉えられることが多いということについて問題だと提起し、女性差別に係るジェンダー課題と性的少数者差別に係るLGBTQ課題を取り上げ、差別の構造を解き明かすとともに必要な制度的対応について考察。
差別には構造的な課題があり、その解消に向けては制度的対応が必要という主張はそのとおりだとは思うし、ジェンダー課題やLGBTQ課題についての本書の整理は非常に参考になるものだった。
ただ、「思いやり」という言葉が適切かは別として、著者は差別の解消に当たっての「個々人の意識」の重要性を軽視しすぎているように感じた。
著者は制度を変えるため -
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Posted by ブクログ
ネタバレLGBTという言葉を仕事上も耳にするようになってきて、一度勉強しておこうと手に取りました。
マイノリティに対する配慮は善意のつもりでも理解できていなければ裏目に出ることもある、制度があっても利用にはカミングアウトがつきまとうなど。
多様性を考えるにあたり前提となる知識。これは全員が知っておくべきだと感じました。
以下引用
LGBTではない=普通の人?
女性の医師のことは女医というのに男性医師は男医とは呼ばないように、マイノリティには名前がつけられる一方、マジョリティには名前がなかったり知られていなかったりする。
セクシャルマイノリティではない人、つまりセクシャルマジョリティの人たちにも -