青本雪平のレビュー一覧
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主人公は、転校を繰り返す要目礼恩。
転校先で経験した「嘘」とバールについての噂とは…。
4年生の春から短期間で転校を繰り返し、『世界は自分に合わせてくれないから、自分が世界に擬態するんだ』と自分の意志で馴染むための方法を使っている。
そこで彼が見たこと、知ったこととは…。
とんでもなく頭が良くて子...続きを読むPosted by ブクログ -
色々な“思い”が詰まった素晴らしい青春ミステリ。全編にわたってずっと違和感を作って回収するラストはお見事でプロローグもう一回読み返すやつ。Posted by ブクログ
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ページがどんどん少なくなると
この物語が終わってしまうことがさびしくて
一気には読めなくなってしまった。
物事が激しく押し寄せてくる展開に
気持ちもなかなかついていけなくて…
本に対する言葉ではないのかもしれないけれど
誠実で丁寧でやさしく、ときには残酷で
それでも大事なことを
ごまかしたりしない信...続きを読むPosted by ブクログ -
例えていうと、北方謙三や大沢在昌や馳星周が雑誌に載せたとしてもおかしくない出来の短篇小説。
大藪春彦の名を冠した新人賞の受賞作にふさわしい佳品ですね。 -
父の仕事の都合で転校ばかりの小学校時代をすごしていた"礼恩"。行った小学校で『バールのようなもの』を持った何かに襲われるという噂話を聞く。そしてそれぞれの小学校でおきる問題に答えを見つけ出す。短編ながら、それぞれの物語に悲しくもあり、大切な事を語ってくれている。最後の病院からいなくなってしまった女の...続きを読むPosted by ブクログ
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まずは表紙・タイトルの印象と内容のギャップに驚きました。正統ミステリーと思いきや、小学校を舞台にした連作ミステリー。推理ものと青春ものの両側面があり、平易な会話文で読み易いです。
心底ミステリー好きな方、物語の詳細にこだわる方にはツッコミどころが多々あり、評価が分かれるかもしれません。不自然だ...続きを読むPosted by ブクログ -
【収録作品】プロローグ/狼とカメレオン/タイムマシンとカメレオン/五人とカメレオン/靴の中のカメレオン/ブルーバックとカメレオン/ライオンとカメレオン/エピローグ
父親の仕事の都合で、転校を繰り返しているため、クラスに馴染むための観察と擬態に長けている要目礼恩。「バールのようなもの」を使う怪人の噂...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルに惹かれて手に取りました!
「バールの正しい使い方」というタイトルから、本来DIYなどに使用される物が、犯罪に使用されているのでは?と推察しておりましたが、最初からその香りがぷんぷんしてました!!
おぉ!面白そう!
短編連作なのですが、ところどころにバールが出てくるし、異常なまでに引っ...続きを読むPosted by ブクログ -
要目礼恩(かなめ れおん)=カメレオン
父親の勝手な都合で転校を繰り返す小学生の男の子が主人公
特技は“擬態”
世界は自分に合わせてくれないから、自分が世界に擬態するんだ
とても頭の良い子で、クラスの空気をすぐに察知し、力関係などを見極め、馴染んでいく。
なんだか大人っぽいなぁ
そしてその観察...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトル、なんぞや?って思いますよね。
礼恩という名の少年が、転校を繰り返すなかで「世界と擬態する」カメレオンのような性格になり、学校と家庭でおこる出来事を推理する連作小説。
礼恩は、冷めた少年で、何があっても飄々と語る。
語り口としては、私が大好きな小説「向日葵の咲かない夏」のようだなと思って...続きを読むPosted by ブクログ -
転校を繰り返す小学生の目で、教室の小さな嘘を暴いていく連作ミステリー短編集。装丁のオドロオドロしさに比べ、何と内容の哀しい事か!読み易く構成も纏まっていて次の作品が待ち遠しい作家さん。Posted by ブクログ
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読書備忘録736号。
★★★★。
新人の作家さん。
紹介文は絶賛。凄まじい新人が現れたという評価です。
確かにベテランの作家さんが書いた物語と言われても全然違和感がないくらい纏まっていて心を打つ。
そして、最後に軽いビックリを持ってくるあたりバランス感覚も優れている。
何より表題のバール。本来は道...続きを読むPosted by ブクログ -
本屋さんに平積みされている本の中で、タイトルに惹かれて思わず購入。想像以上に面白かった!
自分の人生に達観している小学生が主人公の青春ミステリーの連作短編。非常に読みやすく、ひとつひとつの短編も十分に楽しめます。
「バール」という単語の響きだけで購入しましたが、作者はセンスの塊だなと思いました。次回...続きを読むPosted by ブクログ -
父の都合で幾度となく転校を繰り返す要目礼恩。
慌ただしく変わる環境に素早く溶け込み、周囲から浮かずに学校生活を送るために自然に身に付いたパワーバランスを見極める観察眼と、自分を抑え当たり障りのないキャラを演じる”擬態”で、名前から連想されるあの動物のような日々を送る。
転校する先々で出会う不可思議...続きを読むPosted by ブクログ -
読み始めたのは4月8日。
この物語は、四月八日から始まっていた。
こんな些細な偶然に心がざわついてしまう。
読みやすいし、どんどん読み進められるのだが、絶賛されている程ではないと感じてきた。
気がつけば残りは「ライオンとカメレオン」と「エピローグ」だけになっていた。
一気に読んでしまうことにした...続きを読むPosted by ブクログ -
転校しがちやけど推理力がコナンくん並みの小学生がいろんな転校先で謎を推理していく短編集!!やと思って読み出したけど一つ一つの謎はライトな感じじゃなくて濃いめで後味も良い物語ばっかりで最後の物語で全体をまとめてしっかり締めくくってくれててスッキリ読み終われる。
青本雪平さんは初めて読む作家さんやけど...続きを読むPosted by ブクログ -
主人公は父親に振り回されて転校繰り返す小4男子、加納礼恩(かのうれおん)。主だった話のなかで6年まで成長。子どもとは思えない観察眼で謎を解いていきます。6つの小編が重なった作りなのですが、考え込む程のミステリー罠かけられておらず、読みやすいです。でも、人の嫌な部分とか出てくる話あるので、ちょっと怖い...続きを読むPosted by ブクログ
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何の情報も入れずに読み始めましたが、良かったです。短い物語の中にいろいろな感情が波打ち、最後は不思議な余韻が残りました。