寺井龍哉のレビュー一覧
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Xに、「スペース」という、音声を個人で配信できる機能があるらしい。
その「スペース」を使い、歌人の初谷むいさん、寺井龍哉さん、千葉聡さんがテーマを決めて短歌を募集。選ばれた短歌を発表、御三方で講評するという、私製ラジオのような番組を書籍化。
とても楽しく、読後は短歌というものがますます好きになった。
まず、御三方(プラス、表には出ないけれど裏方の編集者の大久保さん)の、和気あいあいとした雰囲気が心地よい。
鼎談ではなく、リスナーがいる開かれた空間という場所なので、交わされる言葉も内に籠もることなく外に向けられていて、配信している人も、聴いている人も、一緒に番組を楽しんでこう、という気遣いが感 -
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歌人の初谷むいさん、寺井龍哉さん、千葉聡さんの三人が「短歌を紹介するラジオ番組があったらいいな」と思い番組を作ってしまおう!と考えXのスペース(音声配信システム)で新しい短歌を募集し、紹介することを思いついたそうです。
2024年4月から9月まで三人は月に一度90分間の「スペース短歌」を開いたそうです。
この本は、「スペース短歌」で繰り広げられたトークをまとめたものだそうです。
私は短歌の読解力がないので、この本は全部の短歌にお三人の解説(トーク)で説明があるので非常にわかりやすく面白かったです。
お三人の他にゲストで服部真里子さん、枡野浩一さんも登場されます。
番組に投稿された歌は、私 -
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ネタバレTwitterのスペース機能を使った短歌ラジオのような企画があったらしい。お題に合わせて短歌を持ち寄りいろいろ感想を言う会の文字起こしまとめみたいな本でした。
三名の歌人の読みがそれぞれ異なることもあれば同じこともあり、自分には思いもよらない考察が飛び交っていて世界が広がる感じがしました。たまにゲストもいます。
個人的によかった短歌・解説
・違う鳥を見ているのかもしれなくてうれしくなった冬の湖畔で 霧島あきら
恋人なのか、友達なのか、家族かもしれないけれど、誰かと一緒にいて、「鳥がいるね」「本当だ。かわいいね」と話している。でも、話しているうちに、もしかしたら違う鳥を見て話していたかもし -
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小中学生向けの短歌の入門書ですね。
編者は千葉聡さん(1968年生まれ)歌人。
絵と編集協力は佐藤えりさん(1973年生まれ)歌人。造本作家。
コラム・編集協力は佐藤弓生さん(1964年生まれ)歌人。
コラム・編集協力・解説は寺井龍哉さん(1992年生まれ)歌人。文芸評論家。
『万葉集から現代短歌までの名歌だけでなく、短歌定型とは何かをより深く考えていたただくために、短歌に近いジャンルである歌謡や琉歌などもとりあげました。』ということで百首紹介されています。
一頁に一首づつ次の順番で解説されています。
①歌が詠まれた時代
②短歌 詠み人(本の題名)
③歌の説明
④作者の紹介やことばの説明
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Posted by ブクログ
奈良時代から現代の歌人までの歌がズラリ。
それぞれのページの見出し部分に、時代のタグがあり分かりやすい。
昔も今も同じような恋の悩みがあったのだなあと思ったり。
以下、好きな歌のメモ。
『観覧車回れよ回れ想い出は 君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)』栗木京子「水惑星」昭和
・君は 私をただの友達と思っている。 観覧車に乗った思い出も 君にはただの一日 私には一生の思い出
『 たとへば君 ガサッと落ち葉すくふやうに 私をさらって行ってはくれぬか』 河野裕子「 森のように獣のように」 昭和
『 声持たぬ 樹ならばもっと君のこと 想うだろうか 葉を繁らせて』小島なお「 サリンジャー