十川陽一のレビュー一覧

  • 日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

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    研究史を紐解きつつ、奈良・平安時代研究の現在地を論じる内容。摂関期の権力構造や、任用国史研究の現状など興味深いテーマが多かった。巻末座談会も面白い。

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    2025年10月28日
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本

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    古代日本における律令官人制について、その成立から奈良時代での確立過程、平安時代における変容までをたどり、律令官人の勤務・評価の実態を明らかにする内容。散位という地位に着目することで古代国家の特質にも迫る点があり興味深かった。

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    2025年08月27日
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本

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    律令官人制についての一般向けの書籍(新書)は野村忠夫『古代官僚の世界』以来でしょうか。基本的な制度の説明や政治動向の記述が多いのですが、官人制の構造は複雑なため、これを欠いては一般向けとは言えない難しいものになるでしょう。大変読みやすく、面白かったです。
    第1章「国家と人事のしくみ」は、ウジとカバネ、位階と官職、官位相当、考選、四等官、蔭位、出身など律令国家の支配機構について概説し、ところどころ補足的に奈良時代前中期の政治動向を説明しています。第2章「官職に就けない官人 散位の世界」は、散位という存在やその国家による管理、家政機関の帳内・資人について述べられています。帳内・資人について、一般を

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    2020年06月16日
  • 日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

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    奈良時代の律令国家の始まり。過渡期的な状況での、
    天皇や太上天皇、皇太子の地位や存在について。
    天皇家産やキサキとの関わりからの権力の確保。
    平安時代は奈良時代と異なる天皇中心の政治の再編。
    臣下の摂政・関白による天皇政務代行が成立した理由と、
    摂関政治に至る過程について。摂政は幼帝の政務代行。
    天皇の母・母后が子の天皇を後見する権能と外戚との関係。
    中央派遣の国司と地方豪族の郡司の変遷。
    郡司層は地方行政の重要な存在だったが、
    古代国家の地方支配との関係は平安時代に変化する。
    国司の受領化、院宮王臣家や諸司の地方進出と富豪の登場。
    郡司層の解体による自律的活動が始まる。
    平安時代の受領国司は

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    2025年01月05日
  • 日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

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    いくつも驚きがあって興味深い。
    古代って言うからてっきり土偶とか埴輪の世界の事かと思って買ったのだが、古墳時代以前は歴史学の対象ではないのね。全然知らなかった。これが最初の驚き。気を取り直して読み進めて行くと、教科書的な歴史の記述ではなく、自然科学で言う所のレビュー論文みたいな感じで、複数の学説の紹介で構成されている。こんなマニアックな内容にニーズあるんか?と思ったのだが、案外これが面白い。2つ目の驚き。
    学校では都の中央の出来事しか習わないから、古代日本の地方官吏の実態とか、中央との関係とか、中国との向き合い方とか知らない事がたくさん出てきて好奇心を刺激された。日本人の急激な変化を嫌う起源が

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    2024年12月27日
  • 日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

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    日本の骨組みを造ったのは奈良時代だと感じながら歴史を愛好しているが、イメージダケの決めつけが個別の事実で裏付けされていく高揚感を覚えながら読み進んだ
    実際はヤマト政権時代から有る権力者と天皇の形から律令制を移植手術して副作用や免疫反応に
    個別のルール追加により原則と裏ルールを組み合わせながら、中央の朝廷と地方が密に人的繋がりを残している・・・地方豪族は出身地と中央の両方に拠点を持ち活動をしていたのか(加藤謙吉「両貫制」)、大河ドラマ鎌倉殿の13人で初めて意識した構図が古代から有るんですよね(氏女とか)

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    2024年09月08日
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本

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    今までイマイチちゃんと理解しきれていなかった位階と官職について、それぞれの違いや相互の関わり方などが噛み砕いて解説してあって、とても分かりやすかった。日本史で習ったあれこれが、あちこちに繫がって非常に面白い。
    その他散位や地方行政にも触れられていたのも良かった。
    これの女子版も是非書いてほしい。

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    2024年06月07日
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本

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    ドラマや映画で登場するのは高級官僚が多く、人事制度の全体像は知らなかった。
    今回、この本を読んでみて、大凡の実態を知ることが出来た。

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    2021年02月20日
  • 日本の古代とは何か~最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像~

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    <目次>
    第1章  奈良時代の国家権力は誰の手にあったのか
    第2章  藤原氏は権力者だったのか
    第3章  地方支配と郡司
    第4章  変貌する国司
    第5章  「唐風文化」から「国風文化」へは成り立つのか
    座談会

    <内容>
    古代の基本的なジャンルの最新研究をまとめたもの。若い研究者の文章は読みやすい(そのように指示を受けて書いているかも)。また第3,4章など学校で授業をやっていて一番伝えにくい、10世紀前後の地方と国司の様子をまとめてくれたので、大変助かった。ただ現在の教科書や自分の頭の中の理解とずれている点があるので、そこを自分の中で消化しないと…

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    2024年10月08日
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本

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    ネタバレ

    <目次>
    プロローグ
    第1章   国家と人事のしくみ
    第2章   官職に就けない官人~散位の世界
    第3章   政争のあとさき
    第4章   平安京と官人制の転換
    エピローグ

    <内容>
    「人事」と銘打っているが、律令制全般をうまくまとめてくれている。ちょうどこのあたりの授業をしていたので、タイムリーであった。実例も多く、わかりやすい記述だったと思う。

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    2020年07月18日
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本

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    律令国家の中核を成す太政官等二官八省の組織機構や位階制度について、制度史にはこれまであまり興味が持てず断片的な知識しかなかったので、一度きちんと勉強したいとの考えから、本書を手に取った。

    日本では、官人個人にまず位階を与え、それに対応する官職に任命させる、官位相当というシステムであったが、律令制の母国である隋唐とは異なるものであったこと、出土木簡によって明らかになってきた勤務評定の具体像、前代の氏族秩序と官人制との関係、功績や処分によるキャリアへの影響、ポスト不足のため位を持っていても官職にない「散位」の意味合い、位置付け、処遇、官人の地方における実態といった多岐のトピックが取り上げられてい

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    2020年06月13日