松永伸司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「遊び心を大切」とはよく聞く言葉だが、果たして遊び心とは?そもそも遊びとは何なのか?
コンパクトで、それこそ「遊び心」に溢れた装丁の本書はその可愛らしい佇まいに反し幅広い知識と深い洞察を行き来するわりかしハードコアな哲学の旅を提供している。
本書で幾度となく現れる「流用」という概念は、遊び心というものの本質を捉えている。
遊びなどないコンテクストをハックし遊びのように仕立て上げること、それが流用であり遊び心。
特に近年はやたらと遊び心が重宝されている向きがあるが、それは何故なのか。
ハックして遊びを注入せねばならぬほど、遊びに乏しい時代なんだろうか。本書を読みながらそんなことを考えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【遊びと現実社会とのつながり】、
コペンハーゲンでコンピューターゲーム研究センター准教授をされている著者が、
遊びとは何か、みたいな、哲学的に論じられている本。
遊びは文脈に依存する。
遊びの基本構造が検討されていました。
物、人、場所のネットワークがあって成り立つもの、
何らかの意味でルールを含んでいて、
そのルールは変化する。
想像と破壊の緊張関係の中で、バランスを維持する活動、らしい。
いろいろな遊びの場やゲームなど具体例にも触れられていつつ、
私が気になっていたのは、
「遊び心」だったということが分かりました。
著者によると、遊び頃子は、遊ぶという態度、モード、とのことです。
現実社会、
ゲームの考え方を持ってみることで
退屈な日々も少し楽しくなったりする、
そんな風に生きている人の話を聞いたりすることがありますが、
場やモノ、ヒトといったゲームの文脈を自ら見出して、
自分がプレイすることで有益になるルール、ミッションを設定する。
そのためには、
現実で自分と他者の立ち場をわきまえる視点や、
その場のしくみを理解するセンスが必要だなーと思ったりしました。
そして、
ゲーム感覚、ともいうけれど、
遊びにある心の余裕こそ、
至上主義にならずに、
倫理規範や社会性を保って楽しむために大事なのではないかなーと思いました。
遊びを通して社会を学んでいく、というようなお話もありました。
私はゲームをする人ではまったくないのですが、
今日溢れるたくさんのゲーム、ルールもかなり複雑化していて、
ゲームの世界観もとても緻密だったりして、
ゲーム好きな人とそうでない人の違いや、現実社会とのかかわり方の違いはあるのかなどが、
さらに気になりました。 -
Posted by ブクログ
主にデジタルの世界(ゲーム)と人の遊び心の関係を考察する本。
若干難解?抽象的に感じた。
この本自体は2014年の作で、今からほぼ10年くらい前の本だけど、挙げられているゲームがどれも非常に楽しそう。
"本書では遊びを、流用とそれに対する抵抗のダンスとして、あるいは想像と秩序の破壊のダンスとして考えてきた"
既存の文脈から絶えず離れながら文脈に引き戻されていくところに著者のいうゲーム(というよりもICCとかで展示されてるインタラクションみたいな感じ)の自由さや面白さみたいなものがあって、
そうした異化の過程が人にとって必要なものなのかなあと感じる
ただ、身体的なものをどう考えるのかまだ、ここではわからない感じもする。
いまのマイクラなんかは、まさに著者の言うゲームの王道なのかも。 -
Posted by ブクログ
「遊び」って何だろう。「遊び心がある」ってどんな状態だろう。
誰もが小さい頃から遊んでいるけれども、それはどういうことなんだろう。
「遊び」の持つ要素や、「遊び」が人、社会にもたらす影響を、屋外、屋内の遊びにとどまらず、政治、建築、デザインにまで考察を広げた「遊び」に関わる全ての論文を集約したような一冊。
まず、著者がヨーロッパの人なので、欧米の事例がとても多かったけれども、これだけ世の中にはいろんな遊びがあるのか、ということに驚いた。面白いと思った観点として、遊びには創造的な側面と、破壊的な側面があること。遊びを通じて人は世界と接点を持ち、遊びを通じて世界と繋がる、という話はたしかに遊具や最近流行りの遊びを見ても納得した。
何歳になっても、何にでも「遊び」は作れる。「遊び」があることで、今までなかったものが生まれるかもしれない。