東大作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウクライナ戦争をいかに終わらせるか、破滅的な核の応酬や経済圏の分離も見据えつつ、プーチンがいても失脚してもなんとか外交的解決策を模索することの重要性を説いている。
ベトナムやソ連のアフガン侵攻など過去の戦争終結を振り返り、大国の撤退こそ終結の道とする。和平調停は国連よりも大国や周辺国の力の方が有用で、レバレッジを有する国が仲介に乗り出す必要がある。経済制裁はやたらめったらやればいいというものではない。
ブチャでの虐殺が明らかになる前には、和平交渉が形になりかけていたと初めて知った。日本の支援や、中村哲さんのアフガニスタンでの功績はこの本を読むまでなんとなくしか知らなかった。タリバンに政権が移っ -
Posted by ブクログ
現在、非常に大きな問題となっているウクライナでの戦争を入口にしながら、軍事紛争に苦しんでいた状況の解決と事後の様々な事柄、そうした関係地域での日本の国際協力の経過というような幅広い話題を取上げ、ウクライナでの危険な状態を脱することを期したいとする内容で、読み応えが在る一冊になっていると思う。
「戦争の終わらせ方?」というようなことは、辞書や百科事典に載っているようなことでもないのかもしれない。が、「戦争が終わる」というのは、「何れかの陣営が軍事的に勝利」というような第2次大戦のような状態でもなければ「交渉による和平合意」ということにしかなり得ない。ロシア側が<特定軍事行動>と称する「侵攻」に端 -
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題名通り、ウクライナ戦争をどう終わらせるか、その困難さ、そして日本に何ができるのかが書かれている。
戦争を終わらせるには、「軍事的勝利」か「交渉による和平」しかない。ロシアに対して軍事的勝利をするのはあまり現実的ではない。したがって、交渉するしかない。一度は和平案が出されたものの、頓挫してしまった。今のままでは戦争は長引きそう。
日本に何ができるのか、軍事支援はできないので、難民支援がメインになる。難民の「自立と安定」を支援する。アフガニスタンで中村哲氏が行ってきたようなことをする。
目新しさはあまりないが、これまで侵略の被害にあった国々を取材してきた著者の言葉はとてもわかりやすかった。 -
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始まった喧嘩を終わらせるのは困難な事だ。2022年2月電撃的に開始されたロシア側に言わせると特別軍事作戦。有識者は西側に近づくウクライナの姿勢に早くから警鐘を鳴らし早晩このような事態になる事は予想されていた。プーチンから見れば東西干渉地帯に踏み込む行為に取れるし、お互いに経済的な利益目的の側面もあったであろう。そこに各国の立場なども複雑に絡み合い、最早いつどの様な形で収束するのか平和を望む誰もが見守っている状況だ。開始直後の対話も公には中断されているようだが早期再開は必要だ。結局、お互いの妥協点(国境線だけでなく戦後の補償含め)の模索は必ず必要になる。古代の戦争のような民族の殲滅戦があり得ない
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ロシアのウクライナ侵攻から、ついに3年が経過。
この本は侵攻1年後の2023年に書かれたものだが、残念ながら停戦を迎えず、3年が経過している。1年後の時点では、ロシアと交渉パイプを持つ中国やトルコへの期待が記載されていた。2022/2/24時点の勢力ラインに戻すという停戦案も提示されている。ただし、2023年以降、ロシアが占領地域をじわじわと拡大させている事実からすれば、この停戦ラインでの合意は難しい。情けないが、現状は手詰まり感があり、もはや何のために戦争を続けているのか分からず、未知数であるトランプ大統領の「ディール」に淡い期待を寄せてしまう。第二次大戦前にナチスに対して英国がやむなく取っ -
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戦争の終わらせ方
軍事的勝利 か 交渉による和平合意
大国の侵攻と国連の濫用
仲介を表明しつつ、軍事的に支援を続ける シリア内戦
レバッジ 説得する力 米国と中国
ファシリテーター 対話の促進 トルコ
3/29交渉
①2/24ラインに戻す、②NATO非加盟、③クリミアと東部は別途協議
→ブチャ殺害で和平交渉終わり
穀物輸出合意 中東アフリカからの批判
経済制裁 国家の体制転換例は少ない
解除条件明示 ロシア撤退と停戦
戦争犯罪責任
処罰を要求しないことが終結合意に
→アメリカのベトナム、イラク、アフガン
ICC判決 アフリカのみ
ホスト国支援 モルドバへ日本から -
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ネタバレ本書は、ウクライナ戦争の想定される終結シナリオとして、次の5つを紹介しています。
①破滅的なシナリオ
ウクライナに傀儡政権を樹立することのできない追い詰められたプーチン大統領が、何をするかわからない行動にでる「戦慄すべき」シナリオです。
核兵器を伴う世界大戦を示唆しています。21世紀の現在に、そんなことがありうるのでしょうか。
非常に怖い話ですが、死者の数も数桁上がるでしょうし、世界が破滅とまではいかなくとも、それに近い惨状が予想されます。
どちらの政治家も、それを回避してくれなければ困ります。
②汚い妥協
停戦およびロシア軍の撤退と引き換えに、ウクライナがNATOに加盟しないことを約束。さら -
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勉強会で使用。
内戦に対する和平に向け、周辺国や、国連の役割をベースとなる理論に基づき、多くの事例を元にまとめたもの。
著者ならではの経験と人脈を活かし、様々な和平事例をあげながらも帰結は著者の1次情報やインタビューに基づいた話でまとめており、分かりやすく、歴史的出来事ではなく実際にあった出来事として結びつけやすい。
ただ新書だからか簡潔にまとまりすぎており、論が雑に見えてしまう部分もちらほら。
特に日本の役割として"平和国家"だからこその第三者的役割や、経済大国としての支援を掲げていた点は論が古く感じた。
経済支援に特化せざるを得ない日本の現実や、
日本が誰によって