あらすじ
人類の不治の病と言われる戦争。そのほとんどが国家間の紛争ではなく凄惨な内戦である。本書ではシリア、イラク、アフガニスタン、南スーダンなど二十一世紀以降の内戦を例に、発生から拡大、国連や周辺国の介入の失敗、苦難の末に結ばれたはずの和平合意の破綻といった過程を分析。テレビ局の報道ディレクター、国連日本政府代表部公使参事官、そして研究者として一貫して和平調停に関わる著者が、戦争克服の処方箋を探る。
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Posted by ブクログ
勉強会で使用。
内戦に対する和平に向け、周辺国や、国連の役割をベースとなる理論に基づき、多くの事例を元にまとめたもの。
著者ならではの経験と人脈を活かし、様々な和平事例をあげながらも帰結は著者の1次情報やインタビューに基づいた話でまとめており、分かりやすく、歴史的出来事ではなく実際にあった出来事として結びつけやすい。
ただ新書だからか簡潔にまとまりすぎており、論が雑に見えてしまう部分もちらほら。
特に日本の役割として"平和国家"だからこその第三者的役割や、経済大国としての支援を掲げていた点は論が古く感じた。
経済支援に特化せざるを得ない日本の現実や、
日本が誰によっていつ、なぜ平和国家になったのかなど
支援する立場としての日本の在り方に批判的に言及する部分があってもよかったのではないか。
また、PKOの権力拡大の是非なども検討したいポイントであった。