前野ひろみちのレビュー一覧
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面白かった!!!
タイトルの近鉄の文字と電車、そして鹿のイラストをみて
奈良〜〜と心で叫びながら、装丁買いした。
奈良、奈良出身ではないが
和歌山(紀北)出身で、小学生の頃から
学校の遠足やプライベートでも奈良に行くことが多く、
フィールドワークも奈良京都が拠点だった。
成長してからも、やはり奈良に行くことが多かった。
五条付近に在住していた期間もあり、
なんか、小説も奈良京都和歌山が題材になっていると、
読まずにはおれない。
そんなことはさておき、
短編を苦手とする私も、これは唸るおもろさ。
なんやろ、ずるいわ、やられたわ、、。
佐伯さん、かっけぇ。
愛しきアホ具合とか、
佐伯さんの形の「穴ぼこ」とか
そこに、すぽん!とか、良い!!
1993年から現在に、そして近鉄と満月。
ランボーとかもう、やばすぎる。
なんも実物の描写ないのに、奈良漬食いたくなるし(笑)
二木氏解説はラノベ並みの異世界ドラマで、
森見氏との対談まで!!
久々に自分の本出会い運に感謝した1作でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ――
きんてつ、の発音よ。
だいたい大きな駅のあたまには「近鉄」と付いているんだけれど、概ね主要な街ではその「近鉄」は発音されないで、逆にJRの方にわざわざ付いてない「JR」ってー冠詞を付けるのが習わしになっている。子供のころからそのことに疑問を感じていたオレは多分根っからの体制派なんだろう。
いやー、傑作である。ちょっと奈良について調べる機会があったのでここぞとばかりに読んでみたのだけれど、ほんとに。
モチーフの使いかたも、削り出しの方法も見せかたも抜群で、技術的なのは間違いないのだけれど…それ以上にちょっとしたワーディングとか、展開のさせかたとか言葉の飛躍がすっぽりとハマって、「やられた!」という感じ。
いちばん最初にぐっと掴まれたのは、
“ 「告白して、それでどうすんの?」と僕は言った。
「知らんけど……」
「知らんのに告白するんか?」 ”
この会話。これだけで、一瞬で片田舎の中高一貫に通っていた頃に引き戻されてしまった。びっくり。遠足のしおりを鹿に食べられたあの頃。もうほんとに、やられた! である。
しかし圧巻はなんといっても「ランボー怒りの改新」。これはすごい。こんなに好きなものばっかりを口の中に詰め込まれたのは久しぶり。確かに冒頭の一編を読んで「夜は短いのか?!」って感じがあったけれど、本格的に蓋を開けたら爆発した。なんとなく、誤解してましたすみません、と思いました。どっちに対しても済みません。
こういう、本来組み合わせられないものが渾然一体とひとつになって、わけのわからない強大なパワーを発しながら、その中心はちゃんと真っ直ぐ飛んでいる物語というのがたまらなく好きなのです。タイトル見てまさかと思うんだけれど、ランボーは90年代以前の生まれならきっと皆知っているあのランボーだし、改新は小学校で習うあの改新です。同居することになって、ランボーと改新がいちばんびっくりしてると思います。
まじで奈良に遠足とか修学旅行で行く中学生高校生は必携。奈良中の鹿がお腹いっぱいになることでしょう。
単行本のときは表題作だったというのも頷ける。今回「満月と近鉄」を表題に持ってきたのは正解だと思うけど。なんていうか、表紙とか背表紙の面構え的にねぇ?(笑
これは悔しいけど、このひとの作品は他に読めないというのも含めて☆5。つまり新作が出たら下がります。多分それも面白いからね! -
Posted by ブクログ
住んでる町の沿線がタイトルだったので購入。
作家の前野ひろみちさんのご実家は奈良の畳屋さんで
畳屋の後を継ぐより小説家を志した。
その時に書かれた作品なのだろう。
短編4作は、奈良を中心に書かれている。
男子にありがちは日常を少し風変りに描いた「佐伯さんと男子たち」
「ランボー怒りの改新」は少し難しくて途中で挫折しました。
男性には面白いかも?と思いました。
少し昔話チックで伏線が楽しい「ナラビアンナイト」
小説家を志し、実家の畳屋を出て一人暮らしをし、
そこで出会った佐伯さんと共に小説に没頭した生活を
書き綴った「近鉄と満月」
意外な展開が用意されていて、とても読みごたえがあった。
どの作品も、とても個性的で楽しかったので
この短編だけしか出てないのは少し残念が気がしました。 -
Posted by ブクログ
「佐伯さんと男子たち1993」
不思議少女、佐伯さんに恋をした男子中学生三人組が飛火野を駆け回り(シカのフンを投げ合い)、一夏の思い出を作るお話(笑)
水泳パンツの紐が固まって脱げない事件に、堪えきれず笑う。
佐伯さんは、その後妙齢の女性となって、「満月と近鉄」という作品にも登場する。
「ランボー怒りの改新」は、説明が難しい。
つまり、ランボー×大化の改新なのだ。
つまりって言っても、多分なんの説明にもなっていないのだけど。
「ナラビアン・ナイト」は、響きがいい(笑)
梅干しの種によって、鬼の怒りを買ってしまった奈良漬商人を助けるべく、三人の老人が面白い話を鬼に提供せんとするお話。
久々に、大台ヶ原という地名に触れた。
〝唯一の著作〟ちょっと掘り出し物に触れた感じ。 -
Posted by ブクログ
突如現れた奈良の鬼才。野生のベテラン作家。実は、夜は短い京都の作家!?
などなど、事前情報の真否は置いておいて、奈良を舞台に幻想と妄想となんだかよくわからない歴史や某映画が入り混じる小説4編を、なんだか分からないまま、面白おかしく読みました。
そして、解説もなんだかよく分からない。
作者の正体(?)の物議から始まり、これだけ始終うさんくさが漂う本もないもんだなあ、と思いつつ、最後までノンストップで読める物語の運びや奈良の情景が脳裏に浮かぶ描写は、読書中ずっと心地がよい、理想の”本”だな。と感じます。
誉め言葉になっていないかもしれませんが、短編4つの区切りでさっくり読める上に、後半に行くにしたがって、それらすべてが意味を成していくのが面白いです。
それにしても、2編目の怒りの改心には、意味の分からない勢いがあります(笑) -
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初対面の人と森見登美彦の話で盛り上がった後、本作のことを教えてもらいました。知らないんですけど、この作家。唯一の著作なんですか。でも巻末には森見登美彦との対談付き!?
電車の中で本を読んでいる人は稀ですから、見かけると「何読んでるんですか」と聞きたい衝動に駆られます。もしも私がもうひとりいて、この本を読んでいる私を見かけたら、そのニタニタ具合が怪しすぎて「いったい何をお読みですか」とこらえきれずに聞いてしまうと思います。第1章の『佐伯さんと男子たち1993』はそんな感じ。
その佐伯さんが再登場する第4章の表題作に再びウキウキし、第2章の『ランボー 怒りの改新』では法興寺のフットボール大会に笑い、第3章の『ナラビアン・ナイト』には魅入られる。
森見登美彦と万城目学をお好きな方にはお薦めできます。それ以外の方は、どうでしょ!?