大原省吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大原省吾『首都圏パンデミック』幻冬舎文庫。
まさに今の時代だからこそ興味ひかれるタイトルだ。2016年に刊行された『計画感染』の改題作とのこと。内容からすると改題前のタイトルの方がしっくり来る。種を明かせば、本作の中では首都圏でパンデミックは発生しないのだから、誇大気味のタイトルという訳だ。
しかし、ストーリーは独創性があり、ウイルスに関する専門知識もちりばめられており、非常に面白い。
プロローグにバンコク発の羽田行きの旅客機内で乗客の発症する場面が描かれる。本編に入ると、主人公の新庄直人がタイで記憶を失った謎の男として登場する。また、長崎県の五島列島の小島で、強力な新型ウイルスにより島