小山俊樹のレビュー一覧

  • 五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」

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    5.15事件と2.26事件の区別がついてないこともあり、違いを把握するために本書を読んでみることにしました。
    5.15事件から読んだのは、こちらの方が先に起こった出来事だから。

    5.15事件(1932)が起こった背景として、ロンドン海軍軍縮条約の調印(1930)や、格差社会の悪化などがあったのですね(格差社会は、世界恐慌の影響も大きいようですが)。
    また、ロンドン海軍軍縮条約が背景にある、ということもあり、事件のリーダーは海軍(の若い人たち)。
    とはいえ、協力者には、陸軍の若い人たちもいましたが。
    本書を読むまで、こんな基本的なことすら、恥ずかしながら知りませんでした(聞いたことがあったのかもしれませんが、記憶に残っていませんでした…)。

    5.15事件は、今から100年近く前の出来事ですが、当時の軍隊の精神性は、武士の精神性に近いものがあると感じました。
    明治維新から60年以上経過していても、そのあたりの精神性は、案外変わらないものですね。
    明治維新は、日本人にとってかなり大きな出来事だったと思われるだけに、意外でした。
    が、5.15事件に際して使われた「昭和維新」という言葉が、明治維新と同様に「時代+維新」という組み立てになっている点から、精神性の連続性を読み取れるような気もします。

    それにしても、5.15事件で殺された、当時の総理大臣である犬養毅は堂々としたものですね。
    「こういうことも起こり得るだろう」という、首相としての覚悟や気概に彼の強さを感じました。

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    2026年04月16日
  • 五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」

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    ネタバレ

    当時は不況で、農村では娘を売ったり、戦争に行った息子には年金がほしいからお前は生きて帰るななどと実の親が手紙で伝えていたりと、いう世相があった。不況にあえぐ国民がいる一方で、財閥など裕福なものもあり、それは財閥をより富ませる政治がゆえという認識が一部にはあった。

    藤井斉という人物に影響を受けた三上卓という人物を中心に据えている。
    五・一五事件は事件後一年間、報道を禁じられたという。その間は調査に当てられており、世間的には犯人擁護の論調はなかった。一年後に解禁され、報道が青年将校の哀訴を報じ、国民感情が減刑嘆願に傾く。犯行を暴挙として報道した少数の新聞は批難され、書き手が退職に追い込まれたりもした。

    そこまでのことは人物を中心に、非常に詳細に語られている。小説風であり、言ってないことも補完されていると感じられる筆の冴えが見受けられる。

    五・一五事件が日本の進路を決定的に変えたというが、政党政治の中断には昭和天皇の意向があった。西園寺公望はそれを受けた、という。これらには隔たり、または飛躍が感じられる。藤井だ三上だと語りながら、天王のご意向により、などと言われては、いずれの影響が大であるか。

    他の本を読んだときにも、こんな雑な計画が良くも奏功したものだと思ったものだ。消化不良感がずっとあり、解消を求めたが、まだすっきりしない。

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    2026年04月05日
  • 五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」

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    二・ニ六事件に比べ、適当な概説書がなかったところなので、大変勉強になりました。特に、政党内閣が終わってしまったのは何故なのか、という点にフォーカスを当てて、具体の政治過程を記述していたところは参考になりました。

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    2020年04月20日