マイケル・ブラストランドのレビュー一覧
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事故や暴行など外的な原因で、イングランドとウェールズで亡くなるのは百万人に一人。この一日のリスクを1マイクロモートとして、様々なリスクがその何倍あるか考えたり、様々な避妊法による妊娠率の比較、19世紀のウィーンの産科の死亡率、鉄道に乗って死ぬ確率など様々なリスクについて考える。
なかなか面白かった。
毎週エクスタシーを服用すると2マイクロモート、バイクで45キロ走ると4、マラソンが7、全身麻酔とスカイダイビングが10だそうだ。普通に生活している時に発生してるリスクの10倍なら大したことない、と言えなくもない。計算したことのないことを無闇に恐れるのは正しくないかも知れない。 -
Posted by ブクログ
文体が眠たくなるが、中身は面白い。
100万分の1の確率をマイクロモートと定義して、イギリスで一日の間に平均して死亡する確率と同じとする。また30分寿命が縮む確率をマイクロライフと定義し、アルコール一杯目は1マイクロライフ寿命が増加、2杯目以降は0.5マイクロライフ寿命が縮むそうな。このような新単位系を導入することで、様々なリスクの横並びを比較することが可能になる。出産のリスクは120マイクロモート、スキューバダイビングのリスクは5マイクロモート、アフガニスタン駐留は1日当たり47マイクロモート。
これらのリスクを理解する人の心は不安定?で、リスクを400分の1ととるか安全は400分の399と -
Posted by ブクログ
タイトルよりも、副題の「死ぬ確率の統計学」の方がわかりやすいかもしれない。
本書は人が生まれてから死ぬまでの間に出くわす死亡リスクについて考察するもの。統計的な事実と3人のモデル(ノーム、プルーデンス、ケビン)の人生を重ね合わせて、ストーリー仕立てで、ちょっとユーモラスに、いささかシニカルに概観していく。
原題の"The Norm Chronicles"は、モデルの1人のノーム(Norm)の名と、普通名詞としての標準的な状況(norm)を重ねたもの。つまりは、「(ノームに代表されるような)一般的な人の人生のあれこれ」というところだろうか。
章ごとに、人生の途上で出会うさま -
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Posted by ブクログ
様々な確率やリスクに接する際、我々が決まって陥る混乱──結局、この数字は一体我々にとって何を表しているのか──の正体とは何か、そしてそれはなぜ生じるのか。この謎に、人生の様々なライフステージにおけるイベントを題材として迫る本。ベイズ統計学を専門とするケンブリッジ大学教授と数学に関する著書のあるジャーナリストの共著である。彼らによれば、我々のリスク=確率をめぐる混乱とは、リスクが表明するドライな「数字」と、その出来事を経験することになる人々が紡ぐウェットな「物語」という、2つの全く異なるアスペクトが「確率」という概念の中に同居していることにあるという。本書の目指すのは、これら2つの側面を同時に