望月慎のレビュー一覧
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経済には興味があり、新聞やネット記事を読んだり、経済関係の本も読んだりしているので、それなりに知っているつもりだったが、まだまだ教えられることがあった。
著者は、どちらかと言えばMMTに賛同している人なので、説明の軸もそちらの側に立った記述となっている。そして、MMTは胡散臭いと思っていた自分だったが、決してそうではないことが学びだった。
優しく書いていることが、かえってまどろこしいところはあるが、総じて経済の入門書としては良いと思う。特に資本主義の課題や望ましい国家のシステムを個人的な意見としてだが踏み込み、それが自分の思いとベクトルが合っていると感じた。 -
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経済学の入門書(簡易な言葉に入換バージョン)
国やお金の仕組みを100人の村と言うかたちでわかりやすくしたもの。
「お金とは何なのか?」
「国というものは何のためにあるのか?」
「税は財源ではない」
「大事なのはお金の数字の大きさではなく、人や技術や実物的なモノであること」
税金によりお金が価値を持つ(租税貨幣論)p43
「国には財政的制約はないが、実物的制約はある」(機能的財政論)p115
お金とは人間と言う群れを効率よく強くするための便利な道具 p276
ギリシャ危機 p81、ハイパーインフレ p154、サブプライムローン p154、リーマンショック、ロシア危機 p255
などの原因を知ることが出来た。以前であれば見向きもしなかったことだが、資産形成の一貫として経済に触れられたのはメリットだったかなと思う。 -
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▼何かの本で、おススメになっているのを覚えていて、読んでみました。「東大生」に付加価値を付けたタイトルは今一つ品が無いなあとは思いますが、好きな本でした。
▼ずっといわゆる文系・文科系の割り切りで過ごしてきてしまったので、大人になってから、「経済の仕組み」に興味が出てきても、何を読んでいいか分からず。たまにそれらしい本を手に取っても、正直全然腑に落ちない経験ばかりでした。この一冊は、タイトルほど「面白いほどわかった!」でも無く、それなりに難しかったですが(笑)、それでもだいぶ、腹に落ちました。スバラシイ。
▼好感を持ったのは。結局、経済の仕組みをなんのために理解するか。あるいは経済の複雑な仕組みはなんのためにあり、また何のためにあるべきか。そういう、言ってみれば哲学的なというか、モラルや理想論の領域に後半は入りますが、それが良かったです。
▼結局、たれでも濡れ手に粟で不労所得(に近いもの)があれば嬉しい。一握りの「楽に稼げる階層」に近づきたい。そういう気持ちは本能かと思いますが、そういうことばかり全員がやっていたら、ひとりひとりが、幸せに生きるために必要な衣食住のなどのインフラやサービスを「生産」する人が減っていく。そうすると、結局最後は、「楽に稼げる階層」の人たちの中でも一部の人は「安全とか安心とか満足感とか」そういうものを削ぎ落されて行ってしまう。結局は、「楽に設ける近道無し」という気持ちで働いた分の収入で「幸せだと感じる暮らし」を営めることがいちばんなんだなあ。そういう、ぐるりと回ってありきたりな場所に戻ってくる。戻ってくるのだけど、以前よりも確信が持てる。そういう意味で素敵な読書でした。 -
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素人の私がこれを読んでMMTがよく分かったというレベルにまでは当然達しなかったが、MMT理論を理解するための下地が少し出来上がった気がする。
MMT理論はどちらかと言えば理論が先に立つ経済学を、実務面から読み解き新たな理論を構築、経済を理解しようとする試みのように感じた。
●租税貨幣論
税による貨幣の駆動、スペンディング・ファースト、国債発行は金利操作、税は財源ではない
●機能的財政論
財政の実際の経済上の機能にフォーカスして財政を評価
●信用貨幣論・内省的貨幣供給理論
銀行の投融資は無から創造される
●債務ヒエラルキー
下位の負債は上位の負債で弁済できるが、上位の負債を下位の負債で弁済することは難しい
●ストックフロー一貫モデル
誰かの黒字は誰かの赤字
●ジョブ・ギャランティ
一定賃金の雇用を無制限に供給する政策
ある程度読んでくると、やはりMMT理論の観点から日本の経済、政策を見るとやはりずれているんだなと感じてしまう。
緊縮政策やプライマリーバランスを気にしている時点ですでに方向が間違っているのだなと。
減税するには財源が必要、氷河期世代の誕生と少子化、金融緩和によるデフレ脱却(これに関しては財政出動が伴わなかった方の影響が大きいと思う)などなど、現状の日本の問題点がMMT理論に沿って考えることで腹にスンと落ちる。
少し経済用語などが多く、字引きして読まないと進まないが、良書であることは間違いないと思う。 -
Posted by ブクログ
経済を全然知らない自分にもとても分かりやすかった。
印象的だった箇所
・社会的弱者に冷たい社会は危険
・弱者かどうかは平均からの差でしかないため、社会的弱者は絶対にいなくならない
・病気や事故で明日自分が当事者になる可能性もある
・弱者になったら見捨てられる社会になると、誰もリスクを取ろうとせず、消費は落ち込み景気は悪化し、技術や文明の発展が阻害される
→ これまで感情論でなんとなく困ってる人は助けなきゃいけないくらいにしか考えたことがなかったが、国家の発展という側面からも必要性があると知って興味深かった。
・今の地球上には現在の人類全員が生きていくために必要なだけの食料・モノ・サービスがある
・アメリカでは上位1%が国民の全資産の32%を保有している
→ 貧富の差が問題になっていることは認識していたが、平等に分け合えば皆が生きてけるだけの食料があるということは考えたことがなかった。
貧しい国で飢えたり病気で亡くなる人がたくさんいるが、この本に書かれているように持続可能な経済システムで改善していってほしいと思った。
ただすぐに解決できるものでもないため、募金など自分にできることをやる。 -
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MMT、リフレ派、積極財政派の違い。
MMTは、金融政策は有効ではないとする点でリフレ派と違う。リフレ派は、マンデルフレミング効果により財政政策は有効でないとするが、MMTはそうではない。
積極財政派とは、財政政策の有効性については同じだが、MMTでは、通常の財政出動では利潤の偏りがあるため庶民の厚生を向上させないとして、ジョブギャランティを推奨する。
モズラーの名刺モデル=名刺をお金替わりに子供たちに家の掃除をさせる手法。
政府は民間の貯蓄需要のために、財政赤字になる必要がある。
裁量的財政政策では、規模が不安定であり、利潤も偏る。自動安定化のために、ジョブギャランティ―が好ましい。
呼び水政策は、民間の過大な投資を期待するため、不安定で完全雇用の長期達成は難しい。完全雇用に到達する前にインフレになる可能性がある。
住空間立方フィート税を提案している。住空間に課税する。
望ましい税制は、転嫁されない税制、経済状況によって課税が変化するもの。法人税は転嫁される、消費税は安定税収だが、経済が悪くても課税される。累進所得税のほうが望ましい。
リバーサルレート=金利が高いほうが好況になる場合があるのではないか。ミンスキーの金融不安定性理論。
内生的貨幣供給論=貨幣は民間借入支出によって決まるのであって、貨幣量を先に決めても景気には影響しない。
好景気なら貨幣需要は増加するが、潜在的に貯蓄過剰なら、政府か海外部門の赤字が必要。
コストプッシュインフレの時に価格統制をすれば、生産意欲がなくなり自壊することでさらにインフレになる。ジンバブエ、ベネズエラのハイパーインフレの要因。
債務ヒエラルキー=上位の負債で下位の負債を決済できるが、逆はできない=国が最上位なので、国は銀行の債務を負担できる。
経済のドル化=自国通貨の最上位性が崩れて、ドルを最上位としたヒエラルキーが生まれる。ソマリアシリングの例。内戦の終了を人々が予測したため、ドル化から免れることができた。
ミンスキー「誰でも貨幣を発行できる。問題はそれをいかに受け取らせるかだ」
ストックフロー一貫モデル=誰かの黒字は誰かの赤字。国際的にもそれは同じ。すべての国が経常黒字になることはできない。
需要主導型の方程式体系。主流派は供給主導の方程式を使っている。これだと金融と実物を切り離しているため、金融危機を見逃しやすい。
ゴルディロックスエコノミー=財政黒字と好況の状態。単に民間の過剰借入に頼っているという意味なので、永続しない。将来の不況の前触れになる。モズラーの予言。
財政黒字は民間の赤字=民間の赤字は、借入によるものなので長続きしない。財政黒字は民間の維持不能な信用膨張の証し。
労働力をバッファーストックにする=ジョブギャランティ。労働力の陳腐化防止、産業変革の円滑化。
総需要だけにフォーカスすると、不平等の拡大とインフレが起きる。労働者層へ直接配布する。最低限の瀬策であり万能薬ではない。
ベーシックインカムより優れている。
変動相場制による小国の不都合は、国際的機関による短期的な買い支えや、コモディティの安定供給などで解決するほうがよい。
輸出は費用、輸入は便益、との考え方。通常とは逆。貿易赤字が持続できるのは、資源国に投資資金が入り続けるか、アメリカのように決済通貨を供給する場合だけ。
貿易赤字と、不完全雇用は別の話しであり、貿易赤字でも完全雇用は達成できる。輸出振興や輸入代替策を取るべき。
国債経常収支もストックフロー一貫モデルでは総和は0になる。マーストリヒト条約は実現不可能。
レンズとしてのMMT=現実の経済を記述しただけ。政策の選択とは別。財政黒字を目指すべきではない、量的緩和によって経済は刺激できない、財政出動による景気刺激は財政再建にはつながらず不平等を増やすだけ、政府債務の大きさと民間貯蓄の大きさは関係ない、など。
クラウディングアウトとマンデルフレミングモデルによる財政出動無効説は金利を国債によってコントロールすれば、無効にはならない。
経済理論の誤謬のパターンはふたつだけ。
1,通貨財政システム。財政赤字は財政危機を直接には引き起こさない。過大な財政赤字によるインフレの心配があるだけ。
2,貨幣金融システム。貨幣は民間の投融資の結果発行されるもの。
信用創造廃止論=銀行による信用創造を廃止するべき。法定準備率を100%にする。
国債廃止論=国債は資金調達ではなく金利調整手段として存在する。 -
Posted by ブクログ
経済とお金の関係について総合的に説明されていました。
どれも基礎的な内容ですが、ちゃんと分かってなかったと思うことも多々あり、この基礎を知っておくことは国家の一員として大切だと感じました。
以下は印象に残った学びの部分です。
- 国の赤字、債務とは民間の黒字。増えてダメなものではない。国の債務は増えると大変なことになると誤解している人がいるが、これは日本円を税として払った人に自由、暴力を行使しないよう渡す義務なので問題ない。
- 「グリッジマン」:システムやサービスの穴(Glitch)を利用して稼ぐ人
- ハイパーインフレは通貨の発行のし過ぎでなく物資不足が原因だった
- 会社がお金を必要とするとき:銀行から借りる、社債を発行する、株を発行するという3つの方法がある
- 投機バブル:株式や不動産などの資産価格が、実体経済の成長や裏付けとなる価値(ファンダメンタルズ)を無視して、投機的な買いによって異常に高騰する現象
- 暗号資産に価値があるのは投機が原因
- 購買力平価説Purchasing Power Parity: PPP):為替レートは2国間の物価水準(購買力)の比率によって決定されるという経済理論
- 金利平価説(Interest Rate Parity):2国間の金利差が為替レート(将来の予想レートや先物レート)に反映され、どちらの通貨で資産を運用しても投資収益率が同じになるという理論
- 債務不履行(Default)とは:債務を返済できなくなる
- 歴史的に不平等を無くしてしてきたものは、革命、戦争、崩壊、疫病の4つだけである
- MMT(Modern Monetary Theory:現代貨幣理論):独自通貨を発行できる政府は自国通貨建ての借金で財政破綻しないとし、インフレ率が許容範囲内なら国債発行による財政支出を積極的に拡大すべきとする経済理論。自国通貨建ての財政破綻は起きないという考え。