野村総合研究所IT基盤技術戦略室NRIセキュアテクノロジーズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「いま企業ITが向き合うべき論点が、よりくっきり見える一冊」
2026年版を読んでまず感じたのが、「今年はかなりテーマを絞ってきたな」ということでした。実際、第2章「5年後の重要技術」は、エージェント型AI、フィジカルAI、AI時代のデジタルセールステクノロジー、AIコンピューティング基盤、ソブリンAIと、5テーマすべてがAI関連です。さらに第3章はレスポンシブルAI、第4章はPQC、宇宙IoTセキュリティ、フィジカルAIのセキュリティ、脅威エクスポージャ管理、SOCと、守りの論点が中心になっています。つまり今年の一冊は、「幅広い新技術をざっと見渡す本」というより、「AIとセキュリティを深く追う本」と捉えるほうが実態に近いと思います。
その意味で、2025年版と比べると違いはかなりはっきりしています。2025年版もAI色は強かったものの、エッジネイティブテクノロジーやヒューマノイドロボット、サステナブルIT、デジタル公共インフラなど、AI以外の論点にも目配りがありました。2026年版はそこからさらに焦点を絞り、「AIが社会や企業に本格的に入り込むとき、何が起きるのか」「それを安全に使うには何が必要か」を掘り下げる構成になっています。
なので、最先端キーワードを広く拾いたい人には、やや意外と感じるかもしれません。新顔の技術が次々に並ぶというより、いま一番重要度が高いテーマに集中しているからです。ただ、その分だけ各論は濃いです。たとえばAIコンピューティング基盤では「推論」時代を見据えた実装基盤の変化まで踏み込み、セキュリティ領域でも脆弱性管理や脅威エクスポージャ管理の今後がかなり具体的に整理されています。5年後を考える材料としては、むしろ実務に近い一冊だと感じました。
今回は「新しさの幅」を見せる本ではなく、「AIとセキュリティという、いま避けて通れない論点の深さ」を見せる本です。守備範囲は絞られていますが、そのぶん企業ITの現場がこの先どこに向き合うべきかは、以前よりくっきり見えてくる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎年出版されている野村総合研究所の本。将来の戦略について、IT業界におけるロードマップの把握のために読んでみた。
・最初の対談ではNRIがどのような方針でロードマップを考えているのかわかる。過去のロードマップも振り返ることができて、答え合わせのようで面白い
・やはり生成AIに関する話題がHot。AI用の高性能SoC/NPUや、ロボティクス、クラウドネイティブの話もあり。
・サステイナビリティについての話は発見が多かった。今後製品開発においても、環境配慮における法規が出てくるかも(すでにある?)
・1/4~1/5程度は、セキュリティの話。ここも面白くて、イノベーションの加速に向けてセキュリティ技術が不可欠(ガードレール)となったり、自動車業界ではSDVに備えて車載APPI標準化の話は大きな気づきとなった。
[2025/7/23 追記]
[2025/07/23 再読] 4.2 SDVがもたらすモビリティの変化
– 自動車のSDV化に向けての新たな脅威や対策、関係省庁や各業界団体の動向について簡潔に概要がまとまっており全体的に把握することができる。
– 主に、アプリケーション開発環境、サードパーティの参入、ソフト分離/仮想化技術の必要性について言及されている。また、各プレイヤー(メーカー、サプライヤー、3rd party)などの立ち位置の変化に触れられている。
– アプリマーケットなどに関しては、基本的にスマホの技術の後追いになってくると思うが、車載ならではの制御に関わる部分の対策/脅威部分があるとよりイメージしやすいと思った。
– SDV実現に向けた課題としては、「モビリティプラットフォームの開放」と「車載APIの標準化」だが、サイバーセキュリティの法規制対応がSDV発展を妨げる要素にならないか、機能安全との絡みはどうかなど、他にも大きな課題がありそうに感じた。特に自動車業界における細かい法規は、スマホと大きく変わってくるので課題になってきそう。
– 上記含めてSDVとは車載ならではであるというのが掴めるとよいと思った。SDVの定義が曖昧だが、単に「SDV=車のスマホ化」と捉える人も出てきてしまいそう。そうではなく、ハードウェア統合制御によるリアルタイム車両最適化、車室空間をパーソナライズするデジタルサービス、感情や健康状態の把握化、V2X連携など、現在のスマホでは実現できていないことに触れられていると違いを感じることができそう。 -
Posted by ブクログ
少し前にレイ・カーツワイルの『シンギュラリティはより近く』を読んだためか、非常に現実的でリアリティがあり、確かにそうなるだろうなと納得感を強く感じた。
新しい技術の発見や期待感はあれど、結局のところ、
HWの革新、コストの低下、法制度の整備、それに企業のコンプライアンスやセキュリティへの担保等がともに追い付いて横に並ばないと、普及、社会実装にまでは至らない。
その辺の流れが、これまで注目技術を追ってきて常に予測を立ててきた本書のチームだからこそよく見えていて、それが現実味に裏付けを与えている。
なので良くも悪くも、「想像していたよりもずっと未来は現実的だね車もしばらく空を走る予定もなさそうさ」(ヒトリノ夜)である。 -
Posted by ブクログ
ネット社会ではセキュリティー管理・技術提供がもっと重要だがハッカーと「イタチゴッコ」が現実だ。今後は更に複雑となる金融における暗号通貨・デジタル通貨などでの詐欺も生成AIなど巧みになり知らぬ間に情報漏洩は多発する、防御する技術は追いつくことがないと予測できる。基本的には個人・企業の自主管理しかない。個人で言えばネット遮断で解決だが出来る限り個人情報等の提供・インプットは必要以上にしないことしかない。今後期待したいのがデジタルヘルス(医療のデジタル化)だ。特に日本は政府の劣化技術に周回遅れの導入は民間が実際利用できるまでに時間がかかりすぎることが課題だ。(知識見識と行動力のリーダーシップの欠如)