友原章典のレビュー一覧
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■全体的な幸福感が高いときには仕事の満足度と転職の関係性が弱くなる。一方、全体的な幸福感が低いときには仕事の満足度が低い人ほど転職する。つまり仕事の満足度が高いか低いかに関わらず全体的な幸福感が低い人ほど転職しやすい。
■第1章「幸せ(ポジティブ)な従業員は業績を上げるのか」まとめ
・気分がよくなると情報処理能力が上がるが、その効果は長く持続しない可能性が高い
・家族の不幸により情報処理能力は下がるが、時間がたつとその影響は小さくなる
・幸せだと成果が出るのは労働意欲が増すからではなく、効率的に働くようになるため
・従業員当たりの売上高は仕事の満足度とは無関係
・全体的な幸福感が高いときには、 -
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移民を受け入れることによる影響を経済学の観点で多面的に分析している。冒頭で筆者は「人道的な観点は入れない」と明言しており、タイトル通り経済面のみで論じている。
経済学であると同時に、本書は統計学の本だ。よく言われる「移民が仕事を奪う、治安を悪化させる」という論議に対し、数々のデータを元に異を唱える。その人にとって「損か得か」でものの見方は都合よく切り取られ、結局は地域、職種、個人などなどの状況(都合)で移民受入れの善し悪しが変わるということをこれでもかと挙げている。
「自分にとって損か得か」だけで世間を判断していないか、客観的に振り返ることが肝心。 -
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移民の是非を考える時に争点となるいくつかのポイントについて、経済学の観点から考える本。特に面白かったポイントをいくつか。
・移民を受け入れると雇用環境は悪化するか?→移民と"競合"しない人は賃金が下がらない。
・移民が子育てや介護サービスにおける人手不足を補い、日本女性の社会進出を促進するか?→そうしたサービス料を支払う余裕のある高賃金の人はその料金をペイできるほどに生産性のある仕事ができるため、女性活躍は促進される。
⇒少子高齢化が進み労働人口が減少するなかで、移民を受け入れることによるマンパワーが必要なのでは?と思うことがあるが、受け入れた場合移民と"競 -
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ネタバレ移民の受け入れによって、賃金や雇用機会が奪われるかどうか。YESもNOもどちらの研究結果を存在するが、それは分析手法・観点の違いによるところが大きい。たとえば移民の受け入れ前後での賃金変動を、(もろに賃金下がりそうなイメージの)高卒者を対象に調査したとして、結果「下がる」となったとしても、分類をもっと細かくしていわゆる職人系の技能就職者に絞ったとすると彼らの賃金は下がってなかったりする。
おおざっぱにいうと、代替的な仕事は移民に奪われるし、非代替的・補完的な仕事は移民に奪われない。つまり移民の受け入れによって賃金や雇用機会は減らないという結論になる。さらにここに地域の議論も絡んでくる(労働不足 -
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面白そうなテーマがたくさん並んだ目次
序 章 移民と日本の現在
日本の現状国籍、都道府県、産業による違い近年の主
要な法改正 「移民の経済学」の有用性
第1章 雇用環境が悪化するのか
1 市民の賃金を下げるのか?
代替的か、補完的かキューバ移民の事例とボージャスの反論
労働者の分類別に比較する 「低賃金ではやりたくな
い仕事」をしているのか
2 長期的には賃金が増えるのか?
二つの議論の対比オッタビアーノとピエリの反証
3 雇用が奪われるのか。
研究結果が二転三転する理由 ダストマンらの指摘 「格
下げ」の影響雇用をめぐる入れ替え効果と生産性効果
日本の場合学者たちの立ち位置国際機関の傾向 -
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日本人ファーストが選挙で話題になりましたが、個人的には外国人労働者の方に、日本の経済はとても助けてもらっていると思っています。わたしの勤める社会福祉分野も、人手不足が顕著なのですが、まだまだ偏見を含めたやりたくない意見が大勢を占めていて、現場の疲弊はたまらないです。偏見をなくすためにも、こういった情報には、多くの人が触れてほしいです。
移民のために、もとからいた市民が賃金や治安で不利益を受けると言われがちですが、経済学上ではどうなのか。この本には、様々な分析の仕方と考え方が、偏見なく提示されています。
切り取り方次第で分析結果は様々に変わるため、どんな視点やスパンで考えていくのか、自ら主体的に -
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ネタバレ<目次>
第1章 誰がいったい幸せか
第2章 幸せとは目指してつかむもの?
第3章 幸せとはありのまま受け入れるもの?
第4章 自分に合った幸せを見つける
<目次>
こういう本を手にしてしまうのは、自分の「幸せ」に疑問を感じているからなのかもしれない。ただスピリチアル系は嫌だ。宗教はもっと嫌だ。この本は科学的に実証されたことを中心に説いていく。ただ従来本よりも「マインドフルネス」系の話が多いかもしれない。それがブームなのかな?結論は、ポジティブな人の方が幸せを感じやすいし、他人と比較するものではないし、過去や未来ではなく、今で感じるべきものだということ。コミュニケーションをとりつつ、