脳科学の見地からの育児について述べられた貴重な一冊。
他の育児本と共通することもあったが、この本独自の目線もあったのと、脳や遺伝子の話を交えてであるという点がとても良かったと思う。
まず、独自の目線だと感じたことは、夫婦関係が赤ちゃんのIQに影響を与えるということ。赤ちゃんを賢く育てるには…とうたう本の中で、夫婦関係を取り上げていることが少し異色だと感じた次第だ。
大半の夫婦は、子供が生まれると夫婦関係は悪化する…悲しいがそれが事実のようだ。ただ、その元凶である四大要因(睡眠不足、社会的孤立、仕事量の不平等、抑うつ状態)を夫婦で共有し、解決策を講じておくことで、回避できるとのこと。
他でも出てくるのだが、そこでのキーワードのひとつが『共感』。
・相手の感情の変化が、自分にはどのように見えるかを説明する。
・そうした感情の変化がなぜ生じたのかを推測する。
例えばこうしたプロセスを経て、共感を示すようにする。夫婦関係も改善するし、子供にも良い影響を与えるとのことである。
大半の夫婦…というところでちょっと怖気づいてしまったが、『共感』を忘れずに…というより、共感反応をこれからもっと鍛えていたいと思う。
なにより、共感。子供の感情に気を配り、共感を示す。
それがアタッチメント=愛着となる。はず。
それを忘れずにいたいと思った。
ーー以下メモ書きーーーーー
・妊娠期には葉酸をとるだけでよい(これには安心した)
・胎児のIQを高める商品に手を出すな(これも安心した)
・子供の目の前で仲直りをする
・子供の知能の50%は遺伝、50%は環境等。
・①探求心、②自制心、③創造性、④言語を使うバーバル・コミュニケーション、⑤言語を使わないノンバーバル・コミュニケーションの5つがあるが、これはIQでは測定されない
・①が知能を開花させる
・②マシュマロチャレンジの話があった。実行機能につながるものであり、それは計画立案、問題解決などのコントロールにつながる。
・④人から言語を学習する(これはどの育児本でも結構言われている。やはりと思うところ)
・⑤手話を学ぶと、認知能力が50%上昇する。非言語シグナルは人脈づくりに有用。
●脳の関心は生き延びること。このため、育児には安全な環境がなにより重要。
●1年間は母乳で育てる。
●できる限り頻繁に赤ちゃんに話しかける
●1時間に2,100語を使うといい
●ゴルディロックスの原理(=何事も適量を)を忘れずに、疲れているときを見逃さない。「さあ、おむつを換えますよ」「きれいなお花だね」「(階段の段数を数える)1、2…」
●甲高い声と母音を伸ばすうたうような口調=親語で。
●のびのびとした自由な発想でできる「オープンエンド」な遊びをさせる
●ただ自由に遊ばせればいいというわけでもない。
●想像力と自制心はごっこ遊びで伸ばせる
●遊びの計画を練ること、ごっこ遊びをじかに指導すること、指導する環境のタイプを決める
●こどもの努力を褒める(これもかなり言われていること!大事だと改めて認識!!)
●2歳まではテレビを見せない
●子供は親をまねる
●知育DVDには何の効果も見られない、それどころか悪影響あり。
●運動は脳にいい。特に親と運動をすることが最高。
●人生において大切なことは友人をつくること
●それには、感情のコントロールと、共感が必要。
●まず、自分の感情ををなだめる
●子供の感情の起伏を把握する
●子供の感情を言葉で表す=感情のラベリング(ここでのストーリーとして挙げられていた”やきもち”のラベリングがすごく響いた!!)
●音楽を学ぶと共感力があがる。10年続けるとよい。
●①どんな感情も非難しない、②思わず反射的に反応してしまう感情があることを理解している。③感情は洗濯できなくても、行動は選択できる。④危機に直面したときこそ、たいせつなことを教える絶好の機会だと考えている。
〇道徳心のある子に育てるためには、①一貫した明確なルールと報酬、②すばやい懲罰、③しっかりと説明されたルール
〇子供がルールを守ったら、そのたびに褒める
〇悪いことをしなかった場合にも褒める
〇しつけの方策は2種類。「負の強化」と「懲罰」
〇気を引きたいこどもへの接し方…悪さをしたときには無視し、本を開いたときには褒める
〇懲罰のひとつ、返答型弱化は、靴を脱いでしまった子を叱らずそのまま雪道を歩かせるような懲罰。
〇懲罰のもうひとつ、除去的弱化は、タイムアウトなど。タイムアウトは別室などで座らせたり立たせたりして反省させること。
〇しっかりとルールを説明する。