辻陽のレビュー一覧

  • 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村

    Posted by ブクログ

    本書では国会や国会議員と地方議会、地方議員を比較するに留まらず、都道府県や政令市のような大規模自治体と小規模自治体の議会、議員も比較している。人口370万人の横浜市の市議会と人口1万人を割る夕張市の市議会とでは議員に求められる役割や能力が違ってくるのは当然である。しかし、現在の地方自治法は市町村の人口規模に関わらず、画一的に制度を定めている。地方議会自らがその果たすべき役割を再定義する必要がある。

    0
    2025年01月05日
  • 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村

    Posted by ブクログ

    とても良かった。日本の地方議会が抱える問題とその解決策を学ぶことができる。まず成り手不足の問題。名誉職と専門職のあいだの中途半端さが問題である。また、男性、高齢者のか代表など色々なもんだい関心につながる。解決策としては、より柔軟で多様性を認めていくこと。なるほどと首肯できた。

    0
    2020年02月10日
  • 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村

    Posted by ブクログ

    町村の議会で、議長選挙が繰り返されたという報道が記憶に残っていた。議員選挙では、県議会でさえ無投票当選の選挙区があった。民意を反映するはずの議会や議員が、住民の思いと乖離している。本書では、二元代表制と言いながら、強すぎる首長の権限に対抗する議会(議員)側からの議会改革と、有識者が提唱する政党主体の、住民が政策を選択しやすい選挙制度+国への橋渡しを期待する内なる議会改革が紹介されていた。自分としては、多様な住民の要求を地方自治の施策に活かすには、政党主体には反対だ。

    0
    2020年06月02日
  • 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村

    Posted by ブクログ

    本書は、最も身近な政治の舞台である地方議会について、その制度的仕組みや仕事、なり手、選挙制度、お金などの現状を丁寧に描いた上で、議会改革について論じている。本書の特色の一つは、これまで人口規模の違いを考慮せず一括りにされてきた地方議会や地方議員について、大規模自治体のそれと小規模自治体のそれとを区別して論じているところである。
    「第1章 強い首長、弱い議会」では、地方議会や地方議員をとりまく制度について説明を行っている。本章では、執政制度に注目し、日本の国レベルの議院内閣制とは異なり、地方レベルでは、住民が首長や議会の議員双方を個別に選出する「二元代表制」が採用されており、その制度の下、首長に

    0
    2019年12月10日
  • 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村

    Posted by ブクログ

    ◯地方議会や地方議会議員のことを概要として学ぶには適切な一冊。地方自治法の説明と合わせて、非常にわかりやすい。
    ◯地方議員は普段一体何をしているのか、そんな疑問を解くにもひと役買う。結局は、自治体の規模・人口規模によって、その役割が異なっているということが大きな要因としてありそうだ。
    ◯田舎の市議会であれば、普通の主婦が議員を勤めることもあるが、大都市では政治活動を専門とする人が勤めているというのは、やはり人口規模による政治的な必要性から生まれてくる制度なのだと思う。
    ◯地方制度改革が実施されている昨今、まさに制度は過渡期にあり、より良い政治が行われる環境づくりが求められていると感じた。

    0
    2019年09月29日